中央線はオレンジ色、山手線は緑色、総武線は黄色と、首都圏のJR線にはそれぞれラインカラーがあります。なぜこのような色になったのでしょうか。一時期は、山手線と総武線が同じ色だったこともあります。

先に登場したオレンジの中央線…でも路線カラーじゃなかった?


E231系500番台。左は緑帯の山手線時代、右は黄帯の総武線(画像:写真AC/PIXTA)。

 中央線はオレンジ色、山手線は緑色、総武線は黄色――首都圏のJR線にはそれぞれラインカラーがあります。各路線の色は、なぜ今のような棲み分けになったのでしょうか。

 実は、もともと国鉄の車両はほぼ全てが茶色で、路線によって塗装を変えるという発想自体がなかったのです。しかし、1957(昭和32)年、近代的なメカニズムを搭載した101系電車が登場(当初はモハ90系と称した)。最新性能をアピールするため、従来の茶色とは異なる明るい色が塗装されることになりました。

 最初に101系が導入されたのは中央線で、車両には明るいオレンジ色(オレンジバーミリオン)を採用。その後は山手線と総武線に導入され、車両には黄色(カナリアイエロー)が採用されました。

 1964(昭和39)年、101系の改良型となる103系が山手線に導入され、このときに緑色(ウグイス色)が採用されました。この103系に押し出された黄色の101系が、移転先の総武線で長く活躍し、「中央線はオレンジ色、山手線は緑色、総武線は黄色」という現在の路線別の色分けになったのです。

 山手線の車両が総武線で使用される流れは続き、直近では2015(平成27)年にE235系が山手線に導入されたことで、従来のE231系500番台が押し出されて総武線に投入、車体の帯色も緑色から黄色に変更されています。

 ちなみに京浜東北線の青色(スカイブルー)は、1965(昭和40)年に投入された103系から。その後に101系が転入されると、こちらも青色に塗られています。1967(昭和42)年には常磐線にも103系が投入され、エメラルドグリーンで塗られました。