デザイン模倣が発覚したフラワーケーキ(ベイユヴェールのプレスリリースより)

写真拡大

東京都内などで教室を開いているフラワーケーキデザイナーの女性が、フランス発の人気洋菓子ブランド「beillevaire(ベイユヴェール)」にデザインを模倣されたと訴えていた問題をめぐり、同ブランドの運営会社が2022年12月15日、模倣の事実を認めて謝罪した。

問題となったのは、バタークリームで花を表現した「フラワーケーキ」のデザインだ。

「写真の角度と配置まで、私の写真みながら一生懸命作ったのでしょうか」

模倣疑惑が浮上したのは、ベイユヴェールが販売する「ガトー・オ・ブーケ」シリーズの「No.12」および「No.14」。プレスリリースによると、2022年11月から日本限定(麻布十番店、松屋銀座店、青山店、大丸神戸店、虎ノ門ヒルズビジネスタワー店)で販売していた。

これらの商品について、フラワーケーキデザイナーの女性が12月8日、「私やスタッフが作ったケーキに酷似したケーキが販売されました」とツイート。「パクリといいたくないけど 参考にされたことがわかるくらい配置がまるまる一緒」などと訴えた。

ツイートには、女性が過去にインスタなどで紹介していた自作のケーキと、ベイユヴェールの商品を比較した画像も添えられていた。投稿は1万6000件を超えるリツイートを集めるなど、広く拡散した。

そうした中、ベイユベールジャパンを運営するティーケーシン社が15日、「不祥事発生のお詫びと今後の対応について」と題した謝罪文を発表した。

2種類のケーキについて調査を行った結果だとして、「弊社が制作、販売した商品はデザインの模倣であることが判明いたしました」と認めた。

「心よりお詫びを申し上げるとともに、商品をお買い上げ頂きましたお客様、そして弊社商品を取り扱ってくださるお取引先様にご迷惑をおかけしたこと、そして今般の事態によって皆様をお騒がせしてしまいましたことをお詫び申し上げます」

と謝罪している。

「デザインがあまりに理想的なものであったため...」

今後の対応については、「当該商品は直ちに販売を停止するとともに、既存商品はすべて回収して廃棄し、ウェブサイト上の掲載についても即時掲載中止、SNS上の投稿も削除対応をおこなっております」としている。

経緯については、以下のように説明した。企画担当者と役員などが参加する新商品の企画会議の際、企画担当者が持ち寄ったイメージ写真の中に、模倣されたフラワーケーキの画像があった。

「フラワーケーキのデザインがあまりに理想的なものであったため、企画担当者も『このような仕上がりを目指したい』との考えでデザインを検討しておりましたが、結果的にデザインをほぼ模倣するような形となってしまいました」

8日に本人から連絡があり、翌9日に同社の営業部取締役部長が電話で謝罪。その後の調査で模倣の事実が確認されたことを受け、13日に再び女性に対し文書でお詫びをしたとした。直接会って謝罪する意向もあるという。

謝罪文では、「商品開発にまつわる社内体制、およびコンプライアンス体制についても、外部専門家の指導を受け、取締役含め全社員再教育を徹底し、より一層管理体制を強固なものとし、再発防止に努めていく所存でございます」としている。