大会最終日に撮影 左から福嶋晃子、原田香里、山崎礼奈(写真提供・原田香里)

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ゴルフを愛するみなさん、こんにちは。原田香里です。こんな気持ちのいい季節だというのに、私は今、放心状態にあります。先週「優勝が目標です」とお話した試合で思うようなプレーができず、打ちのめされてしまったからでです。
あまりネガティブなことを書くのはどうかと思ったのですが、ゴルフ未来会議を読んでくださっているみなさんには、正直な気持ちをお話ししたいと思います。
私の地元、山口県の下関ゴールデンゴルフクラブで開催されたレジェンズツアー最終戦「JLPGAレジェンズチャンピオンシップCHOFUカップ」は、今年、私が最大の目標としていた試合でした。
理事時代はゴルフをする回数が極端に少なかった私が、昨年、理事を退任してから再びゴルフへの気持ちが高まったことは以前にもお話ししましたね。レジェンズツアーを中心に試合にも復帰したのですが、正直、昨年はまだまだ調整不足の感がありました。
それを踏まえて、今年はオフから体づくり、練習をしっかりとやってシーズンに臨んだのです。その一番の目標が、故郷で行われるこの大会でした。3日間54ホールの大会には、90人が出場。60歳以上の先輩方18人が出場したグランドシニアの部とともに、熱い戦いが繰り広げられました。
穏やかな天候の初日は、ディフェンディングチャンピオンの福嶋晃子さん、山本薫里さん、村田理恵さんの4人でプレー。私は1バーディ・1ボギーのイーブンパーで、首位の山本さんに6打差16位タイとまずまずの滑り出しでした。
前半、雨模様だった2日目は、4バーディを取れたのですが、ボギーも6つで2オーバー。首位と10打差ながら16位タイの順位は変わりませんでした。さすがに優勝を狙うのは少し苦しくなりましたが、最終日は、できるだけ上位を目指してスタート。この日も飛ばし屋の福嶋さん、そして若い山崎礼奈さんと同じ組でした。
1番、2番は静かにパー発進。3番のパー3をボギーにしたところまではよかったのですが、問題は次の4番でした。503ヤードのパー5を4オンした後、何と5パットしてしまったのです。
これまでのゴルフ人生で、4パットした記憶はありますが、5パットは初めてのこと。パッティングは絶好調とはいえず、芯を少しはずしてしまうこともあったのですが、それでも5パットするなんて……。段を越えてすぐのところに切られたカップに対して、ギリギリで上っていくタッチで打って、トロトロトロ……とカップに向かうイメージで打ったパットが「あっ!届かない」ということが2度。その結果の5パットでした。
パー5のホールで『9』の大叩き。北風がどんどん強くなり、ピン位置が難しいという状況ではありましたが、そんなことが理由ではありません。ただ、私がヘタクソだっただけのことです。
残念過ぎるスコアに呆然とすると同時に、時間がかかるプレーでみんなに迷惑をかけてはいけないという気持ちもあって、その後もいいプレーはできませんでした。この日だけで9オーバー。通算11オーバーで、優勝した山本さんとは19打も差がある40位で終わってしまいました。
私にとって、今年のメインイベントだった試合でのこの結果に、ホールアウト後は放心状態。正直、色々なことを考えてしまいました。今後、ゴルフをどのようにしていくか……と。
少し時間が経った今、うまくいかなかった理由を考えてみると、やっぱり飛距離なのかなという気持ちが強くなっています。もともと飛距離があるほうではない私は、ショットの精度とショートゲームを武器にこれまで戦ってきました。
初日、最終日と一緒に回った飛ばし屋の福嶋さんとは、ツアーに出場していた頃から飛距離が大きく違っていました。ただ、35歳のときと55歳の今では、色々な違いが結果的により大きなハンディキャップになっているのはまちがいありません。
飛距離の違いもそうですが、45歳でレジェンズ入りしたばかりの選手との10歳の年齢差は、同じ違いでも昔とは違って大きくのしかかってきます。思考のスピードも、若い頃に比べれば遅くなります。飛ばないということは誰よりも早くセカンド地点に行き、的確なジャッジをして打たなければなりません。この考えるスピードが、若い頃より確実に遅くなっていることを痛感しています。
昨年に比べて、飛距離が落ちていないという自負はありました。けれども確実にひとつ、年齢は重ねています。コンディションがタフになればなるほど、考える時間も含めて、飛距離がないぶん、厳しい戦いを強いられるのもまた事実なのです。
「もういいかな」という気持ちにもなってしまったのは正直なところです。でも、その一方でここのコラムを読んでくださった方や、周囲の方から応援していただいてうれしい気持ちも持っています。
ホールアウト後に「根性が足らんかった」と口にしたところ、福嶋さんも山崎さんも「先輩ですが言わせていただきます。根性はメチャクチャ見えてました。そんなこと言わないでください」と言ってくれました。試合前に一緒にラウンドした、プロを目指している若い方から「レジェンズツアーがあるのは私にとって大きな励みです。私もレジェンズになるまでやっていたいです」と言われたことも、とてもうれしかった。自分が戦っている姿勢を人に見ていただくことに意味がある、ということも分かっているつもりです。けれども、今はなかなか前向きな気持ちになれず、考え込んでいます。
あまり明るい話題でなくてごめんなさい。みなさんに出場を宣言した試合のご報告を、正直にしなければ、と思った今週のゴルフ未来会議でした。また来週お会いしましょう。
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