昨年のインタビューでも「欧州から日本に戻る時は代表をあきらめる時。自分はまだ帰れない」と話していたが、今もなお欧州にこだわるのは、1か月半後に迫ったカタール・ワールドカップに参戦したい気持ちが非常に強いからだ。

「(11月1日のメンバー発表まで)あと5試合なんで、そこに全てを賭けるつもり。ラスト1枠を手繰り寄せられるかどうかは自分次第だと思うんで、取りに行きたいですね。

 代表もチームも同じで、自分のやるべきことはゴール。答えはシンプルです。決定的なところで点を取って、それで滑り込みたい。『経験枠』とかじゃなくて、純粋に『戦力』として見てもらえるように、『一発、こいつやってくれる』という信頼を得られるようにしたい。まあ何が起きるか分からないと思います」と、岡崎は限りなく低いかもしれない可能性に挑んでいく構えだ。
 
 こういったギラギラ感と闘争心は見ていて非常に頼もしい。今の日本の若手に少し足りない部分でもある。オイペン戦で共闘した橋岡大樹、怪我で負傷中の林大地らも日々刺激を受けているに違いない。そうやって周囲に影響を与えつつ、自らも成長するというのが岡崎のスタイルなのだ。

 ここから彼が本当にゴールを量産できるか否か、どのように高みに上り詰めていくのか……。今後の一挙手一投足が興味深いところだ。

「僕はどのチームへ行っても、点を取るまでに時間はかかってるんです。2年連続で二桁を取ったマインツの時もそうだった。なので、このシンプルで速いサッカーにフィットしていくことが重要。まだまだ1点じゃ物足りないんで頑張ります」

 次節は10月7日、首位に立つアントワープ戦。そこで今季2点目を奪って一気にギアを上げれば、サプライズを起こせるかもしれない。今こそ岡崎慎司の経験値と意地を示してほしいものである。

取材・文●元川悦子(フリーライター)

【PHOTO】ガオガオダンスや個性的な特技を披露!「シントトロイデンガールズ」を一挙紹介!