FMV LOOX 2022

2022年3月29日、富士通クライアントコンピューティング(FCCL)が、13.3インチ有機EL画面と、インテル“Alder Lake-M”こと第12世代Core iを搭載した高性能Windowsタブレット『FMV LOOX』(エフエムブイ・ルークス)を発表しました。

同機は、本体重量599g、薄さ7.2mmの軽くてスリムな本体に、Alder Lake-Mをファンレスで搭載した、軽さと高性能を兼ね備えたモデル。

発売は6月中旬から。同社Web直販での価格は18万1280円からとなります。既に同社Web直販では予約注文を受け付け中です。

同機種は、2022年1月に米国で開催された『CES 2022』において、とくに注目できる製品を表彰する『CES Innovation Awards 2022』受賞発表という形でプレビューされていたモデル。

今回はついに製品としての正式発表となった、という経緯です。

製品としての特徴は、Windowsタブレットという枠を超えて、OSを問わず高級タブレットに求められる要求を満たすような「全部入り的モデル」となっている点。

本体重量は599gを実現し、(本体のみという条件ながら)同社の13.3インチノートPCで最軽量となる634gよりもさらに軽く。さらに薄さは7.28mmと、Windowsタブレットとしては非常にスリムな点が特徴です。さらにオプションとして、5G通信にも対応します。

▲製品発表会では、「13.3インチ画面のWindowsタブレットして」という条件下ながら、世界最軽量の達成をアピール。FCCLの齋藤会長と大隈社長がボードを掲げる一幕も

ディスプレイは(アスペクト比こそ16:9ながら)フルHD解像度の有機ELを搭載し、有機ELならではの引き締まった黒やコントラストの高さなどが味わえます。もちろん、WindowsでのHDR表示にも対応します。

▲Windows 11上でのHDR表示設定。有機EL画面搭載らしく、しっかりとフル対応します

さらにCPU(SoC)は事実上の日本での第1陣となるAlder Lake-M(TDPは7〜15Wで、いわゆる“Core m級”モデルです)を搭載し、冷却はファンレス仕様。

このCPUは、現時点においてファンレス冷却で使えるインテルCPUとしては最高速となるモデル。もちろんAlder Lake世代のため、CPU部は高性能コア(Pコア)と高電力効率コア(Eコア)の異種混合構成となります。

実際には10コア12スレッド版(Pコア2基+Eコア8機、Eコアのみ1コアあたり2スレッド対応)を採用。上位構成では『Core i7-1250U』を、下位構成では『Core i5-1230U』を搭載します。

RAMとストレージに関しては店頭モデルの場合、上位となるCore i7モデルはRAM 16GB/SSD 512GB。標準構成のCore i5モデルはRAM 8GB/SSD 256GBという仕様です。

加えて、いまどきのタブレットとして要求されるカメラやペン入力も高水準。

背面カメラは1300万画素と高精細で、フロントカメラも約207万画素(いわゆるフルHDクラス)で、Windows Hello顔認証にも対応。もちろんFCCL製ノートPC同様、遠距離の会話も収録可能なマイクアレイも搭載します。

そしてこだわりのポイントがペン入力(専用ペン『FMV LOOXペン』は別売り、直販価格1万200円)。

ベースは高級タブレットで定番とも呼べるワコムとの協業によるもの。アクティブES(AES)2.0技術をベースとしながらも、ワコム側が次世代と位置づけるペン入力技術『Wacom Linear Pen』(ワコムリニアペン)を世界初採用。

遅延を抑えた書き味やホバー状態でも追随性の高いトラッキング、細くて傾けても見やすいペン先など、これまでWindowsタブレットよりさらに快適な性能をアピールします。さらにプリインストールアプリとして、ワコム製メモ用アプリケーション「Wacom Notes」も用意します。

接続はAESということもありBluetooth経由。充電はペン本体のType-C端子です。なお本体とはマグネットで装着できますが、充電機能は非搭載です。

なお、ペンのヘビーユーザーであれば気になる替え芯も、しっかりと単体で販売。ペン本体にも3本(初期と合わせて計4本)が付属します。

入力という点ではもう一つ注目したいのがキーボード。専用品として、本体の底面側にマグネットで合体する『FMV LOOX Keyboard』(別売り、Web直販では1万8780円)を用意。

このキーボードと本体、そして付属のスタンド付きケースと合わせると、いわゆる“Surface Pro風スタイル”として運用が可能となります。

同キーボードは、“UHKB”こと『LIFEBOOK UH Keyboard』、そして現行の『FMV LIFEBOOK UH』と同一ユニットを搭載。

評価の高い同製品のキーボードユニットをほぼそのまま使い(キーボードカバーとしての外装素材変更により、サポートパネル形状はどは変更しているとのこと)、無理のない日本語キー配列と、入力したことがわかりやすい打鍵感を実現します。

なお、隠れたトピックとして、キーの印字がついに? 標準で「かな表記なし」の仕様になった点(UHKBと同じ刻印)も挙げられます。選択の理由は、「今回の商品セグメント(想定ユーザー層)には、なしのほうがいいと判断した」とのことでした。

Windowsタブレットで重要な拡張端子は、Thunderbolt 4×1基+USB 3.1 Gen 2(10Gbps)×1基の、計2基を搭載。Thunderbolt 4経由での外付けGPUなどにも対応します。なお、付属ACアダプタは45WのType-C端子仕様です。

加えて、IPX2の防滴、IP4Xの防じんにも対応します。さらに他のFCCL製ノートPCと同じく、200kg重の圧力試験や落下試験など、モバイル用途で求められる数々の堅牢性テストもパスします。

▲発表会では、画面一体型デスクトップとの組み合わせ例も。なおLOOXのスタンドは市販品を使用しています(縦長状態での設置用オプションは、あえて用意していないとのこと)

そして、ある意味でハードウェア以上の特徴とも呼べるのが、他PCとの連携機能『クリエイティブコネクト』です。

これは、LOOXをペアとなるPCと組み合わせて、液晶ペンタブレットとして、あるいはセカンドディスプレイとして、さらにはマウス・キーボードの共有のみ(PCとしては2台独立したものとして扱う)といった、さまざまなモードで連携させて使える、という機能。

▲『クリエイティブコネクト』のモード選択ウィンドウ。セカンドディスプレイとして使う際のホスト側は、LOOXとペアPCのどちらでも可能という点が便利です

ヘビーユーザー的に見逃せないのが、(少なくとも現状では)あえてケーブル接続のみとしている点。これにより、ディスプレイやペンタブレットとして使った際にも、入力遅延やデータ店頭のもたつきなどを最小限に抑える仕様です。

本機とペアとなるPCとの接続には、双方ともにUSB Type-Cが必要となる仕様。またソフトウェアとして、専用ユーティリティをペアとなるPCの側にインストールする必要があります。

なお、ペアとなるPCはFMVシリーズ以外にも対応します(ただしType-C端子のファームウェアなど細かな仕様も絡むため、条件は現在検証中とのこと)。

気になる操作感ですが、あえてケーブル直結にしていることもあり、レスポンスはかなり良好。もちろん遅延がないわけではないのですが、液晶ペンタブレットとしての利用などもかなり使える、という手応えです。

さらに、Web直販モデルでは5Gモデムもオプション選択が可能。ヘビーモバイラーの求める「どこでも高速通信」環境をサポートします。さらに紛失防止タグ(トラッカー)といして、「Tile」機能を本体に内蔵。万が一の際にも本体の追跡がサポートできます。

このように新FMV LOOXは、主だった特徴を紹介するだけでも非常に盛りだくさんな、まさに欲張った仕様のWindowsタブレットとなっています。

もちろん相応に本体が高価なモデルではありますが、Windowsタブレットとして――とくにファンレスモデルとして――これだけの尖った仕様の製品が出てくるというのは、製品として面白いだけではなく、市場活性化という面でもかなりの刺激となるはず。

そしてこのLOOXは、実際に触ってみても、仕様に見合った面白さを持ったモデルです。もちろんキーボードとカバーセットでは重量が1kgを超えてしまう点など、気になる箇所もありますが、それ以上の魅力を備えていることは間違いない、と呼べる仕上がりです。

とくにキーボードやペンといった入力機器のストレスの少なさは、ぜひ一度体験してみて欲しいところ。個人的にも非常に興味を惹かれ、また推せるだけの魅力を備えたモデルと感じました。

Source:FMV LOOX製品ページ