政府の女性支援ネットワークのロゴが「どう見てもペニス」と大炎上
ロゴは企業や団体のブランドイメージを形作る大切なものですが、オーストラリア首相内閣省の傘下にある女性支援ネットワーク・Women's Networkのロゴが「どう見てもペニスだ」と炎上し、削除される事態となっています。
Statement on the Department's Women's Network logo | Department of the Prime Minister and Cabinet
Australian Government Removes Women’s Group Logo That Looks Like a Dick
https://www.vice.com/en/article/epx8nz/australian-government-removes-womens-group-logo-that-looks-like-a-dick
Prime Minister's department takes down 'phallic' Women's Network logo after criticism - ABC News
https://www.abc.net.au/news/2022-03-15/womens-network-logo-prime-minister-department/100910540
海外メディアのMotherboardでライターを務めるサマンサ・コール氏は、これまでに数多くの「ブランドのロゴが生殖器に見える」という意見に遭遇してきたとのこと。たとえば、「Airbnbのロゴが膣のように見える」「2012年ロンドンオリンピックのロゴはオーラルセックスをするカップルに見える」「ドナルド・トランプ氏とマイク・ペンス氏のキャンペーンロゴは『T』の下棒が『P』の穴に入っておりセックスを連想させる」など、多種多様な意見があったそうです。
こうした意見が存在するにもかかわらず、コール氏はこれらのロゴを卑猥だと考えたことはなく、このように連想してしまう人は性的な想像力がたくましいのだろうと思っているそうで、「多くの場合、ロゴは私たちの汚い心の『ロールシャッハ・テスト』として機能します」と述べています。ところが、今回話題となったオーストラリア首相内閣省傘下の「Women's Network」という政府系ネットワークのロゴは、確かにペニスに見えてしまったそうです。
話題となったWomen's Networkのロゴがこれ。そんなわけはないとわかっていながらも、Womenから取ったのであろう「W」の部分が陰嚢、そこから伸びる楕円形の部位が陰茎に見えてしまいます。コール氏も「オーストラリア首相内閣省のWomen's Networkのロゴは、100%絶対にペニスです」と太鼓判を押しています。
Scott's own government department, the Women's Network, has a logo that is...a little phallic. ????
You couldn't write this!#auspol #womensnetwork pic.twitter.com/cmKw6DhA31— Women for Australia (W4A) (@Women4Aus) March 13, 2022
オーストラリア首相内閣省はオーストラリアの公共サービス全般で幅広いミッションを推進しており、その中には企業における多様性を推進するさまざまなネットワークが存在します。「Women's Network」という機関もそのうちの1つであり、職場における男女の機会均等やその他の男女平等行動計画の実施を支援しているとのこと。当然ながらペニスとは特に関係がありません。
首相内閣省によると、Women's Networkのロゴが今回話題となったものに変更されたのは2019年のことだったそうです。インターネットアーカイブを確認すると、少なくとも2021年8月の時点でこのロゴが首相内閣省の公式サイトで使われていました。
最初に「Women's Networkのロゴがペニスに似ている」と話題となったのは2022年3月12日のことだった模様。
I really thought this logo for the Department of the Prime Minister and Cabinets womens network was fake but uh.. do they know?https://t.co/d4qCybvVFV pic.twitter.com/x2YwQ4g4zT— FuckingKangaroos (@FckingKangaroos) March 12, 2022
その後は多くの人々がこのロゴに注目し、政治団体のWomen for Australiaや高齢女性の権利を求める非営利団体のNational Older Women's Network Australiaなどが批判しています。National Older Women's Network Australiaはツイートで、「(最初は)これは風刺なのかと思いましたが、思慮が足りないか侮辱のどちらかでしょう。首相内閣省のWomen's Networkのロゴにはグラフィックアーティストへの発注、デザインの採択、色の選択、承認、印刷、公開に公的資金が費やされました。ひどいメッセージです」と述べています。
I thought this was satire, but it is either thoughtless or an insult. Public money was spent getting a graphic artist, choosing the designing, selecting colours, approving, printing and publishing this logo for the Prime Minister's and Cabinet's Women's Network.
Poor messaging. pic.twitter.com/jDYKNdMCkg— National Older Women's Network Australia (@OlderWomenNetAu) March 13, 2022
一連の批判を受けて首相内閣省は声明を発表。問題のロゴはWomen's Networkのスタッフが既存の「W」のロゴを流用して作成したもので、外部発注を行ったものではないとのこと。また、首相および首相官邸はロゴの作成に関与していなかったと主張しています。
なお、すでにロゴは公式サイトから削除されています。
「一体なぜペニスのようなロゴが作られてしまったのか?」という疑問に対しては、「ロゴの統一性を保つために横長で丸みを帯びたデザインでまとめた結果、限られた時間で慌てて作ったスタッフがペニスに似てしまったことに気づかなかったのではないか」との説が提唱されています。
2. Whoever designed this “Women’s Network” Logo looks like they had to keep it the same shape as 5 other logos for consistency. My experience tells me they probably a limited amount of time to design all of them as well. pic.twitter.com/9EhEHKfok0— JenBNE (@BneJen) March 14, 2022