理想の家を建てたつもりでも、トラブルに遭遇することは珍しくありません。そんな経験を持つ人たちの体験談を紹介します。今回は、「断熱性能の高い家だから、結露しないと思っていたら、複層ガラスが内部結露して、交換するはめに」というお話。あわせて、一級建築士からのアドバイスも紹介します。

冬はぽかぽか、夏はさわやか!出産を機に断熱性に優れた家を建てることに

子どもが生まれるのを機に、「夏も冬も快適な住環境で子育てしたい」と、メンテナンス費用まで含めて資金を計画し、断熱性に優れた家を建てたCさん夫妻。入居してからは子育てに追われ、気づけば子どもは4歳に。家も築4年になりました。

「幼稚園に通うようになって時間に余裕ができたので、これまで手抜きだったこまかな掃除も念入りに」と、妻は家磨きに意欲を見せます。

 

使っていなかった部屋の複層ガラスが内部結露!想定外の出費発生

毎日使うLDKや寝室、水回りはきちんと掃除していたものの、2階の子ども部屋は、ときどき遊びに使うぐらいであき部屋状態。掃除は床をふく程度だったそうです。

そのため、今回の掃除は天井や壁をはじめ、部屋の3面にある窓まで念入りに。段取りよく2面の窓掃除を終え、最後の窓に取りかかろうとしたところ…。

「窓は複層ガラスですが、下のほうをよく見ると、ガラスとガラスの間にカビのような斑点が…」(妻)

 

あわてて業者に見てもらうと、「内部結露していて窓の交換が必要」と、驚きの事実。「想定外の出費も困りますが、計画時に担当者から複層ガラスは結露しないと聞いていたのにひどいですよ。でも業者さんが言うには、正しくは結露しにくいんだそうです。それなら、なおさら最初に説明してほしかった」と、妻は悔しがります。

幸いにも内部結露は1か所のみ。「でもほかの窓もいつかは交換することに」と、予想外のメンテナンス費用に肩を落とす夫妻です。

アドバイス:「複層ガラスの内部結露」は製品不良の可能性あり。保証期間の確認を!

複層ガラスの内部結露について、一級建築士の大島健二さんが、アドバイスしてくれました。

複層ガラスが普及するようになり、ガラス面での結露は少なくなりましたが、それでもアルミと樹脂の複合タイプでないサッシの場合は、複層ガラスであってもサッシのアルミ部分で結露が発生することがあります。

これは室内の温湿度過剰によるもので、日々こまめに換気をすることで防げます。しかし今回のような「複層ガラスの内部結露」については、「ガラス間の気密状態が保たれていない」という製品自体の初期不良であることが多いので、生活習慣で防ぐことは難しいです。

「ほとんどあき部屋状態」「1 か所のみ」「築4年」ということからも、温湿度環境や経年劣化が原因とは考えにくいですね。サッシメーカーは約10 年程度の品質保証の期間を設けていますので、無償での交換が可能な場合も。

品質保証期間内であれば、内部結露していないかチェックすることで、初期不良を見つけ出し、想定外のコストの発生を防げます。ぜひ、メーカーに問い合わせてみてください。