今年の確定申告も、締め切りまであと少し。そもそも会社員だから「関係ない」と思い込むのは禁物です。確定申告をすれば、払いすぎた税金を取り戻せるチャンスがあるケースも。今ならまだギリギリ間に合います! きっちり申告して取り戻しましょう。

まだ間に合う!会社員でも確定申告でトクするケースも

「以前の日本は国や会社がなんでもやってくれたので、努力しなくてもみんなが同様におトクを受け取れました。でも、今はすべてが自己責任。自分で勉強して知識を得ないと、知らないうちにソンします」と話すのは、ファイナンシャルプランナーのいちのせかつみさん。

つみたてNISAやiDeCoの金融商品はもちろん、確定申告も知っておくべき知識の1つ。

「税金が控除される制度は多いですが、自分で申告しないと受けられないものも。年末調整がある会社員でも、当てはまる場合は確定申告をして、税金をしっかり減らしましょう」

税金が戻る還付申告の期限は5年以内で、「3年前の入院費用を申告していない」といった場合もリカバリーできます。ネットで申告できるので、ぜひチャレンジを。

 

●Q:なぜ、会社員でも確定申告をすべき?

A:支払うべき税金が安くなる場合があるから

「社会保険料控除」「配偶者控除」などは勤務先が年末調整をしてくれますが、「医療費控除」「雑損控除」などは自分で申告しないと控除が受けられません。「控除で所得税が安くなれば、住民税も下がって一挙両得です」

 

●確定申告の流れ

・自宅でできるe-Taxがおすすめ!

e-Taxを使えばネットで確定申告が可能。国税庁HPの「確定申告等作成コーナー」からe-Taxのサイトに入り、画面に従って作成します。マニュアルもあるので、意外と簡単!

 

・e-Taxの事前準備

利用には「利用者識別番号」が必要です。取得するには下記の2つの方式があります。マイナンバーカードを使うと手続きがラクに。

<ID・パスワード方式>

税務署で本人確認を行い発行された「ID・パスワード方式の届出完了通知」を利用し、確定申告等作成コーナーでe-Taxを行う方法。マイナンバーカードは不要。

<マイナンバーカード方式>

e-Taxの「受付システムログイン」画面からマイナンバーカードを読み取り、アカウント登録すると利用者識別番号が不要に。アカウント登録はマイナポータルからも可能。

期間は2月16日(水)〜3月15日(火)まで!

 

●この場合、確定申告って必要?

・主婦がSNSの広告収入で経費を除いて年間48万円を超えた

専業主婦の場合、在宅ワークやSNSの広告収入などで稼いだ所得は基礎控除48万円が受けられます。「所得とは、収入から必要経費を引いたもの。通信費などの経費を引いた額が48万円以上なら、確定申告が必要」

・会社員が副業で、経費を除いて年間20万円を超えた

給与所得がある会社員の場合は年間の給与ですでに基礎控除を受けているため、副業の所得が20万円を超えたら確定申告が必要になります。「申告しないと、脱税で罰せられるので注意して」

・フリマアプリの売り上げが年間20万円を超えた

フリマアプリで洋服や生活用品などの不要品を売った際、その収入には税金がかからないので基本的には不要。「ただし、転売目的で購入し、利益を得た場合は確定申告が必要なので注意しましょう」

確定申告でトクする制度はこんなにある!

確定申告をすると、税金が戻ってくる控除がたくさん。「身近な控除もたくさんあります。まずは知ることから始めましょう」

●セルフメディケーション税制

・対象の医薬品を年間1万2000円以上購入したときに受けられる

対象の医薬品を年1万2000円以上購入すると受けられる控除。「対象医薬品はパッケージやレシートに記載があります。ただし、医療費控除と同時に受けることはできないので注意」

 

●住宅ローン控除

・マイホームを購入したら、最初の1年目のみ申告が必要

家を買って10年以上の住宅ローンを組むと、10〜13年間税金が控除に。「会社員も1年目は確定申告が必要。2年目以降は、会社に必要書類を提出すれば年末調整ですみます」

 

●寄付金控除

・ふるさと納税を6か所以上の自治体に納めた場合は申告を!

寄付先が5か所以内なら、「ワンストップ特例申請書」を提出すれば確定申告は不要。「6か所以上なら『寄付金受領証明書』を添えて申告を。ふるさと納税以外の寄付でも可能です」

●医療費控除

・収入がより多い人に、一家の医療費をまとめて申告するとおトク

医療費が年間10万円を超えたら、医療費控除を申告。「課税所得が多いほど税率も高くなるので、所得が多い人が家族の医療費をまとめて申告して」

 

●雑損控除

・災害や盗難に遭った人は控除を受けられる

対象は自然災害、シロアリなどの害虫災害、盗難など多岐にわたるので、被害を被ったら必ずチェック。「地震や風水害などは役所が発行する『罹災証明書』をもらっておこう」

締め切り期限も迫っていますが、まだ大丈夫! まずは自分が確定申告をする必要があるかどうかを確認して。控除するべき項目があったら、今すぐ手続きを!

 

この特集は2022年1月11日現在の内容です。