『フォートナイト』のEpic Games、音楽配信・販売のBandcampを買収
『Fortnite』などの人気ゲームを手がけるEpic Gamesが、音楽配信・販売コミュニティサービスを手がけるBandcampを買収すると発表しました。買収に関わる金額などは示していないものの、Bandcampは今後もこれまでどおりの独立したサービスとして継続するとのこと。
Bandcampはアマチュア・インディーズからプロまであらゆる音楽クリエイターたちが気軽に作品を配信でき、その収益も平均82%が還元されるという、音楽市場のゆりかごのような存在。普通に音楽作品を販売するだけでなく、無料で配信するかわりに寄付の形で対価を得ることもできるなど、収益化のしかたにも柔軟性があります。
一方のEpicは、ゲームエンジンとして開発された3D製作プラットフォーム「Unreal Engine」がバージョン4以降では画像処理の強化によって映画をはじめとする映像作品にも利用されるにいたり、最新版Unreal Engine 5のPS5向けのデモでは、映画『マトリックス』の登場人物や世界感を実写とみまごうクオリティで再現して見せ、世間を騒がせました。またドラマ『マンダロリアン』ではEpicの視覚効果ツールが使われています。
Epicは最近でも『Fall Guys』のMediatonicなど、ゲームスタジオをいくつか買収する動きを見せていましたが、今回のBandcampは一見、まったくの畑違いのようにも思え、相乗効果も何もなさそうな気がします。
しかしEpicは「コンテンツ、テクノロジー、ゲーム、アート、音楽などのクリエイターマーケットプレイスエコシステムを構築する」というビジョンを掲げ、その実現を担う一翼としてBandcampを迎えることにしたと説明しています。
EpicGamesのストア担当VP兼ゼネラルマネージャーのスティーブ・アリソン氏は「新進気鋭のアーティストがファンからの直接的なサポートによって成功できるような素晴らしいコミュニティとビジネスを構築し、音楽業界において最高の収益モデルと条件を備えている。これは多様なメディアを通じてクリエイターを支援し、ファンと直接つながることを目指すEpicのアプローチと非常に親和性が高いものだ」と述べました。
またBandcampの共同創業者でCEOを務めるイーサン・ダイアモンド氏はEpicについて「私たちと同じように、音楽と芸術の未来がファンやアーティストが築き上げる公平で包括的なコミュニティの創造にかかっていると深く信じているパートナー」と評し、「Epicチームと共に、我々のミッションの実現を加速させ、より多くのクリエイターにフェアでオープンな方法で力を与えるという共通のゴールを追求できることを嬉しく思います」とコメントしています。
つまり、両社の思想には互いに一致する部分があり、Epicが近年推し進めているゲーム内でのメタバース的な利用においても、音楽の分野で協力できる余地がありそうです。
一方Bandcampにとっては、クリエイターにやさしい作品流通モデルをもとにして、Epicとの協力によってクリエイターの販売ページや決済システム、検索機能などを強化し、さらにはライブ配信、ヴァイナル(Vinyl、レコード盤のこと)のプレスといったこれまで手がけていなかった分野まで、Bandcampとして取り組んでいくとしています。
Source:Epic Games, Bandcamp
