Appleのティム・クックCEOの給料が社員平均1477倍の100億円超なのはおかしいと投資家グループが株主に呼びかけ
Appleのティム・クックCEOが2021年度に受け取った年収が従業員平均よりも1447倍も高い9900万ドル(約110億円)であったことを受け、投資家グループが同社の株主に対して「給与の支払いに反対するように」と提言していることが明らかになっています。
Apple chief Tim Cook faces shareholder revolt over $99m pay package | Apple | The Guardian
ISS urges Apple shareholders to vote against CEO Cook's bonus | Reuters
https://www.reuters.com/technology/apple-shareholder-iss-urges-vote-against-ceo-cooks-bonus-2022-02-16/
Tim Cook's $99 million bonus for 2021 at risk over shareholder advisory group concern - 9to5Mac
https://9to5mac.com/2022/02/16/tim-cooks-99-million-bonus-for-2021at-risk-over-shareholder-advisory-group-concern/
投資家諮問グループであるインスティテューショナル・シェアホルダー・サービス(ISS)は、2021年にクックCEOに支払われた給与について「設計及び規模に重大な懸念が存在する」「業績基準を欠いている」として、Appleの株主に対してクックCEOの給与見直しを求めるように提言しています。
経済紙のフォーブスによると、クックCEOは23億ドルの個人資産を有す大富豪であり、社会的および経済的不平等についてたびたび意見を述べてきた人物です。そんなクックCEOの2021年度の給与は基本給が300万ドル(約3億5000万円)、株式報奨が8230万ドル(約95億円)、目標達成による報酬が1200万ドル(約14億円)で、その総額はその他諸々の支払いを含めると9873万4395ドル(約110億円)です。この総額は、一般的なAppleの従業員の年収の1447倍にあたります。
Appleは新型コロナウイルスの影響で多くのテクノロジー企業が株価を落とす中で、リモートワークやオンライン授業の需要に乗り、逆に株価を急騰させてきた企業のひとつ。2022年1月には史上初の時価総額が3兆ドル(約350兆円)に達した企業となっています。
Appleの時価総額が約340兆円を突破、世界で初めて3兆ドル企業に - GIGAZINE
株主が企業のCEOが受け取る給与額について不満を抱くケースは増えており、2021年にはS&P 500に該当する企業の中でも、CEOへの給与支払いについて株主から50%以上の支持を得ることに失敗した企業が過去最高となったと報じられています。
ただし、今回のISSによるクックCEOの給与に対する批判はあくまで「株主への進言」に過ぎないため、取締役会が実際の行動を強制されることはありません。また、2021年度のクックCEOへの給与支払いについても投票が行われているものの、反対票は全体のわずか5%ほどであったそうです。
なお、Appleは経済紙のFinancial Timesに対して「2021年、我々はティム・クックがCEOとしてリーダーシップを取り始めてから10周年を迎えました。Appleにとっては注目に値する10年間であり、2021年にはクック氏がCEOに就任して以来初めて、エクイティ賞を授与されています」とコメントしています。