ブルペンでの視察を終えた栗山英樹・日本代表監督(左)と中嶋聡監督[写真=北野正樹]

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◆ コロナ禍を考慮しメンバー選考へ

 野球日本代表「侍ジャパン」の栗山英樹監督が2日、視察に訪れた宮崎市内のオリックスのキャンプ地で代表取材に応じ、3月にチャイニーズ・タイペイと対戦する「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2022」(3月5〜6日、東京ドーム)について、コロナ禍を考慮して「体が元気で、準備に無理のない若い選手がいいのかなと思う」と、若手選手中心に編成することを示唆した。

 栗山監督は、「僕が日本ハムの監督になった時、中嶋聡監督や福良淳一GMに非常にお世話になり、古巣に帰って来たよう」と、笑顔で中嶋監督らと歓談。ブルペンでドラフト1位ルーキー・椋木蓮(東北福祉大)の投球などを視察した。

 

 視察後、栗山監督は「年末からメンバーをいろんな球団にお願いをしているが、この状況で一度、真っ白にして体調面などを考え、現場に迷惑をかけないようにしたい」と切り出し、「体が元気で準備に無理のない若い選手がいいのかなと思う」と語った。

 さらに、「侍の使命は、一人でもいい選手で大きな成果につなげることだ。が、いろんなことを考えた時、僕のやりたいことより、もう一度考え直した方がいいと、1月終盤から思っている。現場の監督さんの苦しさは分かるし、現場の監督ならすごく気になるので、そういう考えでやっていきたい」と続けた。

 侍ジャパンの本当の勝負になるのは、2023年3月に予定されている第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。「何年かかけてチームを熟成させる時間はないので、3月に一度でもやっておいた方がいいと思うが、実績がありずっと試合に出ていた選手は、秋に向かっていった方がいいかなと思う」とも語り、実力が把握できている選手についてはWBCに照準を当ててもらい、今回は招集を見送る方針を固めたとみられる。

 栗山監督は、東京五輪の野球で金メダル獲得に貢献した山本由伸とも対面。「僕がどうのこうのという問題(の選手)じゃない。昨年あれだけ投げても、楽しそうに投げている。そういう人たちが日本の野球を背負ってくれている。楽しみにしている」と、指揮官としてともに戦えることを喜んだ。また、コロナ禍で現在、キャンプ不参加の宮城大弥や紅林弘太郎についても「これから何年かしたら、球界のど真ん中にいる選手。順調に伸びてほしい」と、さらなる成長を期待した。

 山本は「世界一になりましょう、のような話をした」といい、栗山監督の印象について「イメージは、いい人。10年も(日本ハムの)監督をされた方だが、人間面的なものもあって出来るもの。本当にすごくいい方なんだろうなと、伝わってきた」。代表入りについても「代表選手のみなさんとやると楽しいし、いい経験になる。行って成長できるところがたくさんあるので、選ばれたい」と語った。

取材・文=北野正樹(きたの・まさき)

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