日本ハム・新庄監督、今季は守備から革命を起こす? 清宮らのスタメン抜擢は恩師の影響か
年末年始のテレビ特番でも、ビッグボスは大忙しだった。しかし、新庄剛志監督が北海道日本ハムファイターズをどんなチームに作り替えようとしているのかも、ようやく見えてきた。
「昨年の秋季練習で外野からの返球の高さに注文を付けています。守備を重視しているのは間違いありません」
多くのプロ野球解説者、チームOBたちがそう語ってきた。
>>日本ハム・新庄新監督に「本気だったのか」 常識外れの構想を『しゃべくり』で明かしていた? 深刻な野手事情から疑問の声も<<
1月2日、新庄監督は自身のインスタグラムで2022年のスタメン表を発表した。興味深かったのは、2点。「3番・一塁」で清宮幸太郎を抜てきしたこと、そして、新加入のアリスメンディ・アルカンタラに二塁を守らせようとしていることだ。
チーム関係者の一人がこう続ける。
「アルカンタラが獲得候補に挙がった時、新庄監督にも相談しました。新庄監督がゴーサインを出した決め手は、守備面での映像でした。二遊間が守れるだけでなく、捕球、送球ともに丁寧で、堅実な守りをしていたからです」
守備を重視する野球観は、野村克也氏の影響が大きい。
野村氏は「打点1も、失点1も同じ1点。勝利打点の記録があるのだから、『勝利守備』の評価があっても」と語っていた。それは阪神選手だった時代に聞かされたもので、今日のチーム作りの基盤ともなっているようだ。
インスタグラムの中で名前の出なかった選手にも発奮を呼び掛けていたが、“守り勝つ野球”をめざしているのは間違いない。
しかし、そんな守備重視の野球観に強い影響を与えた“恩師”がもう一人いた。島野育夫氏である。
新庄監督は一部メディアの新春インタビューで島野氏が阪神コーチだった頃に“鍛えられた”話をしていた。若手時代に衝突したこと、その後、公私にわたって可愛がってもらったことなどが語られていたが、新庄監督は自分なりの解釈も加えていた。守備の堅さが投手力を高め、僅差のゲームを制する精神的な強さにもつながっていく、と。
「島野氏と言うと、星野仙一監督の名参謀、腹心役のコーチとして有名でした。選手の面倒見の良さでも知られていましたが、星野監督の厳しさに反発した選手、批判的だった球団スタッフともきちんと話ができ、組織として上手にまとめていました」(球界関係者)
ド派手なパフォーマンス、ユーモアに溢れた言動も、島野氏から学んだことを自分流にアレンジしたものなのかもしれない。
「プロ野球界では、新監督は現役時代に最も影響を受けた指導者のやり方を模倣するとも言われています」(前出・同)
野村監督、島野コーチ。守備から発展していく新庄スタイルで、2022年のプロ野球界を盛り上げてもらいたいものだ。
手っ取り早いのは、清宮をレギュラーに引き上げることだろう。これまでは体型で損していたが、決して守備のヘタな選手ではない。また、俊足ではないが、走れないわけでもない。
聞くところによれば、清宮は昨秋のダイエット指令を厳守しているという。新庄監督の考えがチームに浸透したかどうか、清宮がどんな体型でキャンプインするかで判断できそうだ。(スポーツライター・飯山満)
「昨年の秋季練習で外野からの返球の高さに注文を付けています。守備を重視しているのは間違いありません」
多くのプロ野球解説者、チームOBたちがそう語ってきた。
>>日本ハム・新庄新監督に「本気だったのか」 常識外れの構想を『しゃべくり』で明かしていた? 深刻な野手事情から疑問の声も<<
1月2日、新庄監督は自身のインスタグラムで2022年のスタメン表を発表した。興味深かったのは、2点。「3番・一塁」で清宮幸太郎を抜てきしたこと、そして、新加入のアリスメンディ・アルカンタラに二塁を守らせようとしていることだ。
「アルカンタラが獲得候補に挙がった時、新庄監督にも相談しました。新庄監督がゴーサインを出した決め手は、守備面での映像でした。二遊間が守れるだけでなく、捕球、送球ともに丁寧で、堅実な守りをしていたからです」
守備を重視する野球観は、野村克也氏の影響が大きい。
野村氏は「打点1も、失点1も同じ1点。勝利打点の記録があるのだから、『勝利守備』の評価があっても」と語っていた。それは阪神選手だった時代に聞かされたもので、今日のチーム作りの基盤ともなっているようだ。
インスタグラムの中で名前の出なかった選手にも発奮を呼び掛けていたが、“守り勝つ野球”をめざしているのは間違いない。
しかし、そんな守備重視の野球観に強い影響を与えた“恩師”がもう一人いた。島野育夫氏である。
新庄監督は一部メディアの新春インタビューで島野氏が阪神コーチだった頃に“鍛えられた”話をしていた。若手時代に衝突したこと、その後、公私にわたって可愛がってもらったことなどが語られていたが、新庄監督は自分なりの解釈も加えていた。守備の堅さが投手力を高め、僅差のゲームを制する精神的な強さにもつながっていく、と。
「島野氏と言うと、星野仙一監督の名参謀、腹心役のコーチとして有名でした。選手の面倒見の良さでも知られていましたが、星野監督の厳しさに反発した選手、批判的だった球団スタッフともきちんと話ができ、組織として上手にまとめていました」(球界関係者)
ド派手なパフォーマンス、ユーモアに溢れた言動も、島野氏から学んだことを自分流にアレンジしたものなのかもしれない。
「プロ野球界では、新監督は現役時代に最も影響を受けた指導者のやり方を模倣するとも言われています」(前出・同)
野村監督、島野コーチ。守備から発展していく新庄スタイルで、2022年のプロ野球界を盛り上げてもらいたいものだ。
手っ取り早いのは、清宮をレギュラーに引き上げることだろう。これまでは体型で損していたが、決して守備のヘタな選手ではない。また、俊足ではないが、走れないわけでもない。
聞くところによれば、清宮は昨秋のダイエット指令を厳守しているという。新庄監督の考えがチームに浸透したかどうか、清宮がどんな体型でキャンプインするかで判断できそうだ。(スポーツライター・飯山満)