12月も中旬に入り、朝晩の冷え込みが厳しく本格的な冬を迎えています。  

レスキュー暮らしを守るではその寒さを原因とする健康被害のヒートショックについてお伝えします。

冬の寒さが厳しくなってくる季節によく耳にするワードですが、ヒートショックとはどのような現象で栃木県とどのような関係性があるのか、また高齢者の介護施設のヒートショック対策方法を取材してきました。

ヒートショックとは急激な温度変化が体にもたらす悪影響のことで血圧や心拍数が大きく変動し、心筋梗塞、心不全、脳卒中など突然死の原因となります。

特に冬場は入浴中の死亡事故が多く発生し、その原因にヒートショックが深く関わっています。

栃木県健康増進課 佐瀬愛美さん:「ヒートショックは身近な存在で暖かいリビングと寒い脱衣所や風呂場、トイレとの急激な温度差が大きくなりやすいため注意が必要。特に65歳以上の人で高血圧や糖尿病などの生活習慣病のある方や喫煙者、アルコール多飲者などは要注意です」

厚生労働省が調査した夏場と比較しての冬場の死亡増加率で寒い地域を代表する北海道などをおさえ、なんと栃木県は夏より冬の方が25%も増えて増え方は全国ワースト1位。

栃木県健康増進課 佐瀬愛美さん:「栃木県は寒い地方と比べ温暖なイメージがあるのですが、栃木より北にある福島よりも最低気温ゼロ度未満の日数が多かったり、初霜を観測する日の平均値では仙台よりも早かったり栃木県の冬は寒くて長いことがデータでも見ても明らかなのでヒートショック対策が必要」

そこで高齢者の介護施設ではヒートショックにならないために対策や気配りを行っています。

鹿沼市西茂呂にある介護老人施設たけむら。 

57歳から105歳の50人が利用していて、施設には35人のスタッフのうち経験豊富な26人の介護・看護職員が利用者のケアをしています。

介護老人施設たけむら 金林直海 施設長:「脱衣室は一番寒くなるので、エアコンを活用して27~30度の温度を保つ。浴室のお湯の温度は41度に設定。浴室と脱衣室と廊下の温度差を少なくするためにお湯を流したままにする」

また、そのほかの予防策として利用者がお風呂に入る前にお湯の温度と室温を確認することや長湯にならないようにお湯につかる時間を5分を目安にし、長くても10分にしています。

介護老人施設たけむら 金林直海 施設長:「入浴時間は午後2時から午後4時に設定。利用者の体が気温になじみ職員が体調の変化の分かる時間帯に入浴している」

また、職員同士の情報共有や利用者一人一人に応じた細心のケアを職員全員で取り組んでいます。

介護老人施設たけむら 金林直海 施設長:「毎朝の健康チェックと、併設する病院の医師と入浴情報を共有。ヒートショックにならないために利用者の体調や表情の変化を見極めてスピーディーな対応を心がけることが大切」

県の担当者は「今後、県内で寒さが厳しくなっていくので寒い場所に移動する時はこまめに衣類を調節したり深夜や早朝の入浴を避けたりと気軽に自宅で実践できる対策がとても重要だ」と話しました。

栃木県健康増進課 佐瀬愛美さん:「寒くない家づくりやリフォームが望ましいがなかなか出来ないことなので、寒くなってから急な準備は難しいので寒くなる前に脱衣室やトイレなどに簡易的なヒーターを置いたり、足元を冷やさないために暖かい靴下を履くなどの対策が必要」