韓国は10月21日、自主開発した国産ロケット「ヌリ号」の打ち上げを行った。ロケットは目標高度に達したものの、模擬人工衛星の予定軌道への投入には失敗した。(イメージ写真提供:123RF)

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 韓国は10月21日、自主開発した国産ロケット「ヌリ号」の打ち上げを行った。ロケットは目標高度に達したものの、模擬人工衛星の予定軌道への投入には失敗した。中国メディアの環球時報(電子版)はこのほど、中国の宇宙専門家の見解として、「ヌリ号」の技術水準は先進的とは言えないとし、「中国の1970年代のロケットと同水準にすぎない」と伝えた。

 記事は、韓国は10月に打ち上げた「ヌリ号」の前にロシアと共同で羅老(ナロ)号を開発していたと紹介し、ナロ号は1回目と2回目の打ち上げに失敗したものの、3回目でついに成功し、韓国は世界で11番目の「人工衛星の打ち上げ能力を持つ国」になったと紹介。だが、韓国とロシアの契約では、当初よりナロ号は3回しか打ち上げることができなかったとし、韓国の宇宙開発の夢を実現すると同時にナロ号は引退してしまったと論じた。

 続けて、10月に打ち上げられた「ヌリ号」について、韓国が10年以上の時間と約2兆ウォン(約1919億円)の予算を投じて開発された3段式ロケットであり、全長は約47.2メートル、直径最大3.5メートル、重量200トンに達する一方、その軌道投入能力は決して高くなく、地上から600ー800キロの高度に重量1.5トンの荷物を打ち上げることしかできないと紹介した。

 そして、中国の宇宙専門家の見解として、「ヌリ号」の能力は中国初の人工衛星を打ち上げた「長征1号」を超えているとしながらも、1970年代に開発された「長征2号」には敵わず、ロシアと開発したナロ号にも敵わない水準と主張した。

 だが、韓国のロケットエンジン技術が現時点では成熟していないからと言っても、韓国が近年、宇宙開発事業で長足の進歩を遂げているのも事実だと強調したうえで、韓国がさらに技術力を高めることができれば、打ち上げロケットを改造して「大陸間弾道ミサイル」を開発することだって不可能ではないとし、そうなれば朝鮮半島の軍事情勢は大きく変わることになると論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)