ヤクルト・清水昇

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◆ 優勝チームの投手がずらり

 ヤクルト・清水昇がプロ野球新記録を打ち立てた。10月17日に行われた対DeNA戦の8回にマウンドに上がった清水は、二死後に満塁のピンチを迎えたものの、好守にも救われて無失点で切り抜け、今季48ホールド目をマーク。2010年に浅尾拓也(中日)が記録したシーズン47ホールドを抜き去った。

 ここで、あらためてシーズンホールド数のランキングを見てみる。

【シーズンホールド数トップ10】

1位 48ホールド 清水 昇(ヤクルト/2021年)

2位 47ホールド 浅尾拓也(中日/2010年)

3位 46ホールド 藤川球児(阪神/2005年)

3位 46ホールド 久保田智之(阪神/2007年)

5位 45ホールド 浅尾拓也(中日/2011年)

5位 45ホールド 増井浩俊(日本ハム/2012年)

7位 44ホールド 山口鉄也(巨人/2012年)

7位 44ホールド 五十嵐亮太(ソフトバンク/2014年)

9位 43ホールド 平野佳寿(オリックス/2011年)

9位 43ホールド 宮西尚生(日本ハム/2019年)

 こうして見ると、当然ながら、いずれも名の知れた名投手が並ぶ。しかもそれだけではない。2010年、2011年の浅尾をはじめ、2005年の藤川球児(阪神)、2012年の増井浩俊(日本ハム)、山口鉄也(巨人)、2014年の五十嵐亮太(ソフトバンク)は、いずれもその年のリーグ優勝チームの所属だ。

 当然といえば当然かもしれないが、やはり強いチームには強力な中継ぎ投手がいるということであり、逆転Vに向かう今季のヤクルトには清水の存在が欠かせなかったということでもあるだろう。

◆ 登板数の多さは気になるものの、ここが最後の踏ん張りどころ

ただ、少し気になるのは、清水だけではなくヤクルトのチーム全体のホールド数の多さだ。ヤクルトの145ホールドは、2位・ロッテの110ホールドを大きく引き離した12球団ダントツの数字。抑えるべき場面で抑えるべき投手がしっかり仕事をしてきたことの表れともいえるが、これだけの数字の差には中継ぎ陣の登板数の多さも影響しているだろう。

 ヤクルトはチームとして登板間隔をきっちりと管理しており、清水が4日連続で登板したのは今季1度きり。それでも、やはりヤクルト中継ぎ陣の登板数は多い傾向にある。ここまで清水が69登板でリーグトップである他、マクガフが63登板で3位、今野龍太が61登板で4位タイとなっている。

 その疲労の影響も少なからずあるのだろう。10月に入って清水や今野ら中継ぎ陣が失点する場面もやや目についてきた。とはいえ、残る試合数はあとわずか。ここまできたら最後の踏ん張りどころだと奮起してもらいたい。

※数字は10月17日終了時点

文=清家茂樹(せいけ・しげき)