初心者向き!ベランダ菜園におすすめの野菜年表【ベランダ菜園におすすめの野菜&ハーブ #21】

1年が経過したベランダ菜園。結果はいかに!?

【9月】九条ねぎ

【Before】植え付け1カ月で収穫可能

植え替え直後の九条ねぎは、葉に元気がなく少し心もとない状態です。しかし水やりをしながら1週間ほど見守ると、葉が真っ直ぐに伸び、元気を取り戻します。1カ月も経てば、まだ細くはありますが収穫できる状態に。刈り取れば刈り取るほど太くなっていくので、根本2~3cmは必ず残しながら、どんどん刈り取りましょう。

【After】手間のかからない優秀野菜。使い勝手もgood!

タコ糸くらい細かった九条ねぎは、1年も経つとストローほどの太さに成長!土の表面が乾くまで水をやらない、月に一度のペースで追肥する、この2点を気を付けただけで、特に病気をすることもなく勝手に育ってくれました。

そうめんの薬味などちょっとしたときに大活躍の九条ねぎは、使い勝手も良く手間もかからず初心者にかなり育てやすい野菜でした。龍さんいわく「夏の間に根っこを土から出して乾燥させ、植え替えるとどんどん強くなります。また、写真ほど伸びきる前に刈り取ってOK」とのことです。

【10月】ラディッシュ

【Before】種まきは間隔をあけることが大事!

25℃を下回る過ごしやすい季節に、1カ月かからず育てることができるラディッシュ。龍さんの「ある程度の間隔で種まきを」の真意が汲み取れず、かなり多めに種まきをしてしまったことがのちの悲劇を生むことに。

【After】間引きした芽はベビーリーフとして!

1週間もせずにグングン伸びたラディッシュの芽は、あっという間に密状態に。懸命に間引きをするも、根を大きくすることができないと察したラディッシュは、ヒョロヒョロと葉を伸ばすだけになってしまいました。

結果、コロンとかわいいラディッシュの姿を目にすることができないままベビーリーフとして食して終わり。「間引きすればいいや」と種まきでズボラを発揮すると、痛い目を見ると痛感しました……。種まきの際は、目安1~2cm間隔で均一にまくようにしましょう!

【11月】ペコロス

【Before】しばらく変化がなくても問題なし!

3cm間隔で1本ずつ苗を植え込むペコロス。寒い時期に育てるということもあり、しばらくはヒョロヒョロの状態が続きますが問題はありません。気温が下がるときはポリ袋などで保温する、土の表面が乾いたらプランターの底から水が出るまで水をやる、2月と3月に肥料をやる、この3点だけ注意すればゆっくり確実に成長してくれます。

【After】育てやすさと味の良さで今年も栽培必至

3月の暖かい気候でどんどん葉が太くなり、4月になると土の表面からペコロスの頭が少し顔を出すように。スコップでやさしく掘り起こすと、ピンポン玉サイズのかわいいペコロスがたくさん出てきました!

「イチゴと相性が良いので、イチゴのプランターの隙間に植えるのがおすすめ」と龍さん。今年はその方法でまた作りたいと思います。

【12月】エンドウ豆

【Before】グングン伸びるので育てがいアリ!

エンドウ豆の最大のポイントは、冬の間は30cmを越えないようにすること。幼い苗のうちは寒さに強いのですが、大きくなりすぎると寒さに弱くなり越冬できなくなってしまいます。

成長しすぎていると感じたら、切り戻してあげましょう。ちゃんと脇芽が伸びて、越冬したころに再び成長を始めます!

【After】2代目の栽培に成功!

2月を過ぎるころには少しずつ収穫できるように。50個ほど収穫し梅雨に入る前に枯れ始めましたが、残しておいた実から種の収穫に成功!水耕栽培で無事芽が出たので、2代目エンドウ豆を栽培中です。

龍さんによると「植物は品種配合されたF1品種と固定種があり、エンドウ豆は固定種なので種を取って育てることが可能です。種を取る場合はどちらの品種か必ず確認しましょう」とのことでした。

【1月】スプラウト

【Before】スプラウトもこたつでぬくぬく

種から育てることに若干のトラウマを抱きつつも、ホットカーペットやこたつで保温する、1週間ほどは日陰で育てる、毎日水を交換する、これらを徹底するだけで簡単にスプラウト栽培はできました。

猫を飼っている我が家は、対策としてスプラウトをダンボールに入れ布団で覆いましたが、万が一水がこぼれてもいいように、防水シーツなどを敷いておくと良いかもしれません。

【After】菌の繁殖に注意!

日に当てずに育ったスプラウトはもやしのように色白でしたが、1日日光にさらすと緑色に変化します。成長が早いので次々に新しく栽培をしたくなりますが、水耕栽培は菌が繁殖しやすいので容器はしっかり洗うようにするといいですよ!

【3月】じゃがいも

【Before】病気や虫が付く前に薬剤などでしっかり対策を

種イモを植えてから1カ月ほどで芽が出始め、梅雨前にはかなり葉が密集するように。アブラムシやハダニが付きやすいので、病気になる前に薬剤をまいて予防することが大切です。薬剤は身体に悪そう……と心配な方は、植物由来の防虫スプレーを使うと良いですよ。これはどの植物にも言えることです。

【After】長雨にやられるも、なんとか無事収穫

花が咲くまで順調に育ったじゃがいもですが、梅雨の長雨の影響か病気で葉が茶色く枯れてしまいました。原因はおそらく「肥料袋の水切りが甘かったかもしれません。土のう袋や麻袋など水通しの良い袋かプランターで育てると水はけを気にせず育てられますよ」と龍さん。

それでもなんとか収穫までこぎつけることができ、感無量です!ちなみに写真は、肥料袋ひと袋に対し種イモを3つ植えて収穫できたじゃがいもの量です。

【4月】トマト

【Before】どんどん生えてくる脇芽をしっかり取り除こう!

ミニトマトは一番太い中心の茎から葉や実がなる茎が出てくるのですが、茎と茎の間から脇芽が生えてきます。これを取り除くのを怠けると、脇芽がどんどん成長して支柱で支えるのが大変に。

葉ばかり生い茂って実が付かない原因にもなるため、脇芽が生えていないか定期的にチェックしてしっかり取り除きましょう。

【After】実が大きくならないときは根切りを

無事に実がなると、今度は実がなかなか大きく育たない問題が発生……!龍さんに相談したところ「土の中で根が行き場を失って成長が止まっているかもしれません。土中の根を切るように、スコップなどをグサグサと刺して根切りをするといいですよ」とのアドバイス。そのとおりおこなうと、本当に実が大きく成長しました♪

しかしそのあと、強風で中心の茎が折れてしまい、そこから病気が入ってしまったのか枯れてしまうという残念な結果に。中折れしないよう、麻ひもや誘引クリップでしっかり支柱に固定することが重要でした。

その際、茎を傷つけてしまうとそこから病気が入ってしまうおそれもあるので、固定は慎重におこないましょう。

【5月】白ナス

【Before】葉が密集したら取り除いてOK!

白ナスは虫が付きやすいのですが、一緒に植えた青じそに虫が付いたおかげで白ナスは被害にあわずに済みました。毎日の水やりと20日ごとの肥料を忘れずにすれば、特に問題なくどんどん葉が生い茂ります。

放置すると風通しや日当たりが悪くなってしまうので、真上からのぞいたときに葉の隙間から土が見えるくらい余分な葉は取り除くほうが良さそうです。

【After】本格的な夏が来る前に大きく刈り込んで

ぐんぐん大きく育つ白ナスですが、真夏を迎えるころにはちょっと成長が止まったよう。龍さんのアドバイスどおり「大きく刈り込むことで真夏の間は休息してあげる」と、9月にちゃんと秋ナスがたくさん実りました。

また白ナスの皮が少し茶色くなってきたのですが、これはサビダニによるもの。ダニは水が当たると死滅するので、実や葉にも当たるように水やりをするといいですよ。

【6月】オクラ

【Before】気候が安定するまでは我慢の時期

梅雨が明けて本格的な夏になるまでは、花が咲いてもすぐに落花してしまうオクラ。気候が安定するまでは、収穫も安定しませんでした。それでもめげずに肥料をやり続けると、なんと背丈ほどの大きさに!

【After】事前のアリ対策が大切

8月に入ると落花せず安定して収穫できるようになりましたが、咲いた花にアリが大量に群がるように。花の蜜を吸っているだけなので悪い影響はありませんが、放置するとオクラの形がいびつになってしまいます。

「もしアリ対策をするなら、植え付けをした段階でプランターの縁にアリ除けの粉末薬を城壁のように盛ったり、置き型タイプのアリ駆除剤を設置したりするといいですよ」と龍さん。さっそく試してみます!

【7月】つるなしインゲン

【Before】もっとも失敗した、失敗しにくいはずのつるなしインゲン

つるなしインゲンは普通のインゲンほどツルが伸びませんが、やはり支柱は必須。植え付け時、支柱の在庫がなかったので菜箸を支柱代わりにしたのですが……これがベランダ菜園最大の失敗を招くことに。

【After】カビた菜箸からカビ菌が侵入

植え付けた時期が梅雨真っただ中だったこともあり、支柱代わりの菜箸は気づいたときにはカビだらけに。そのカビ菌が侵入してしまったようで、つるなしインゲンはみるみる枯れてしまったのです。

「菌は水しぶきなどでほかの植物にうつってしまいます。病気になってしまった植物はすぐに撤去しましょう」との龍さんの言葉に従い、一度も収穫できないまま泣く泣く撤去しました。支柱は必ず園芸用のものを利用し、来年リベンジしたいと思います!

【8月】みょうが

【Before】植え付け直後の気候の変化には注意

日当たりや湿気などを気にしなくても良い丈夫なみょうがですが、植え付けから根付くまでの1週間は急激な環境の変化に注意しましょう。今回、植え付けた直後に急に寒い日が続き少し不安がある状態だったのでこまめにチェックをしています。

【After】根付いていれば芽が出てくることも

1カ月では変化がないと思っていましたが、龍さんによると「うまく根付いていれば、今時期にぼこっと芽が出てくるんです。何の変化もないのなら、根が溶けてなくなってるかもしれないですね」とのこと。

土を軽く掘り返すと無事みょうがの根は残っていましたが、丈夫な植物だからと気に留めないのは良くないですね。もう少し経過を観察したいと思います!

特におすすめの野菜はコレ!

どの野菜も育っていく過程が楽しく、収穫できた喜びはひとしお。なかでも、ペコロスや九条ねぎは手間がかからず失敗しにくいのでおすすめです。冬の季節は育てにくいイメージがありますが、頻繁に水やりする必要もなく、防寒対策さえしっかりしておけば虫や病気が付きにくいので、初心者が始めるなら秋から冬にかけてがいいですよ!

また白ナスとエンドウ豆の採れたてのおいしさも感動ものでした。皆さんにも、ぜひ一度チャレンジしてみてほしいです♪

失敗は成功のもと!自分の環境に適した植物や育て方を見つけよう

今回、龍さんに「1年目にしては素晴らしい出来!」とお褒めのお言葉をいただきましたが、つるなしインゲンやトマトなど、失敗してしまった野菜もありました。今年は例年よりも気候の変動が激しく、8月に台風や長雨など続いたこと、9月に急激に寒くなったこともあり、その時期に佳境を迎えていた植物はうまく育たなかったように感じます。

「風で葉っぱ同士がこすれ合って、その傷から病気が入ることがよくあります。なので雨除け、風除けの対策はとても大切ですよ」と龍さん。この失敗を糧に、また1年ベランダ菜園に励みたいと思います!

続く後編では、ハーブのビフォーアフターをお届けします。お楽しみに!

取材・文/鎌上織愛

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