握りがなんと1貫65円から! コロナ禍に便利な“スタンディング寿司”とは?

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江戸時代、お寿司はお腹が空いた時に好きな寿司ダネで握ってもらうファストフードでした。そんな気軽さに原点回帰したような新店が府中の高架下にオープン。回転寿司でもない、高級寿司でもない、“近所にあったらいいな”と誰もが思うなお寿司屋さんです。

お財布にやさしい、コスパ寿司

今や、寿司バブルといってもさしつかえない東京。コースが3万円を超えたり、何カ月も先まで予約が取れなかったり、なんてお店も珍しくありません。

もちろんそんな高級店には、価格なりの理由や良さがありますが、もう少し気軽に行けるお店も知りたいもの。お財布にやさしく、お腹も満足する寿司店をご紹介します。

府中駅直結! 超便利なロケーションに超便利な寿司店がデビュー

29坪の広々とした店内には2カ所の付け台があり、椅子に座って食べることもできます

府中駅直結のショッピングセンター「ぷらりと京王府中」の東1階がリニューアル。新たに3店舗が加わり、様々なジャンルの店舗が集まる飲食ゾーン「TSUZUMI」となりました。現在9店舗が営業中で、その一角にあるのが「東京立ち寿司」です。新宿・中野・高円寺・吉祥寺にある「立ち寿司横丁」の系列店としてオープンしました。

店名から想像できるように、こちらはスタンディングのお寿司屋さん。とは言っても希望すれば椅子を出していただけるので、ゆっくりとお寿司を堪能することもできます。

スタンダードから季節限定ものまで、ぐるりと並ぶ寿司ダネの札が圧巻! 老若男女問わず好みのものが見つかるはず

「いか」「煮あさり軍艦」「ねぎとろ軍艦」などのネタは2貫で130円、1貫あたり65円という気軽さ!「葉わさびつまみ」(280円)、「真いかの丸焼き」(680円)、「おまかせ刺身五種盛り合わせ」(1人前1,620円)、「まぐろ刺身」(810円)など、気の利いたつまみや刺身、グランドメニューだけでも107品。さらに季節ものや、お得な「三貫盛り」もあり、バラエティ豊かな“お品書き”にワクワクします。

またこちらではモバイルオーダーを導入し、スマートフォンで2次元コードを読み込むとオーダーから会計まで簡単にできてしまいます。「スマホでオーダーなんてできない〜」という方にはテーブルに置いてある用紙に記入するか、スタッフに口頭で注文することもできるのでご心配なく。

“江戸前の仕事”が施された魚介がネタケースに並びます

今はなかなかお目にかかれなくなってしまいましたが、昭和の時代はどのお寿司屋さんにも冷蔵ネタケースがありました。席に着くとその中に並んでいる旬の魚や貝を見ながら「まず白身魚と貝をつまみにして、握りは小肌から」などと、頭の中でプランを練ってから注文したり、わからない寿司ダネがあれば指で差して「これ、お願いします」と言うと、大将が「はい、サヨリね」と教えてくれたりしました。

そうやって魚や貝を覚えていったものですが、こちらでは2次元コードでメニューを読み込めば写真と名前が出てくるので、注文するスタイルに慣れていない人も安心です。本当に便利な世の中になりました。

本日、握っていただいたのは「東京立ち寿司」の他に「立ち寿司横丁」4店舗を運営する会社の代表、萬田兼吉さん

デジタルの便利さを感じながらも、大将との会話はお寿司屋さんの醍醐味。「今日は良いハマチが入っていますよ」「鮪の赤身はヅケでお願い!」といった、カウンター越しの“おいしいやりとり”が続きます。頭の中でイメージした味と、パクッとひと口で食べた瞬間のリアルな味が合致すると……もう食欲が止まらない!!!

鮮魚の仕入れのプロ集団がついているから、安くておいしい食材が手に入る!

「特大赤えび」(1貫270円)

思わず「うわ〜、大きい」と叫んでしまった「特大赤えび」は、口に入れると香りが鼻腔を抜け、とろんとした舌触りの後に、甘くねっとりとした赤えびときっちりと赤酢が利いた酢飯が一緒になって喉を通ります。何という至福の瞬間なのでしょう。

酢飯は木場の「横井醸造」の赤酢を使い、少ししっとりと仕上げています。希望すれば小さく握っていただけるそうです。

「特大赤えび」を頼むと、プラス120円で頭を焼いて味噌汁にしてくれます

すると「赤えびの頭を焼いて味噌汁にできますよ」と萬田さん。「それはぜひ!」とお願いすると、しばらくして運ばれてきたのは芳しい甲殻類を焼いた香りとほんのり甘みを帯びた味噌汁。あまりのおいしさにしばし目を閉じてその余韻に浸ってしまいます。

左「がりさばつまみ」、右「ばくだん〜海鮮納豆〜」(各480円)

スタンディングスタイルを考えて、つまみは手早く提供できるものを取りそろえています。がりの甘酸っぱさと鯖の脂がお互い主張しながらも調和する「がりさばつまみ」と、サーモンや真鯛など日替わりの海鮮に納豆、沢庵を細かく刻み、異なる食感が楽しい「ばくだん」。どちらもお酒好きにはもってこいのつまみです。

残念ながら緊急事態宣言中はお酒の提供はしていませんが、本当なら富山県の銘酒「満寿泉 マス印 からくち」(グラス680円)や和歌山の「紀土 純米酒」(グラス680円)、長野の「真澄 YAWARAKA TYPE-1 純米吟醸」(グラス780円)などの日本酒と合わせたいところ。またこちらではスタンディングだと「ハイボール」や「サワー」がなんと半額なのです!

「三貫握り」(580円)。取材時は左から「フエフキダイ」「かわはぎ」「かます」

萬田さんのおすすめ「三貫握り」。今は漁師さんもお休みしている人が多く、すべて産直というわけにはいきませんが、グループ内に仕入れの専門会社があり、他の寿司店や海鮮居酒屋も運営しているので、安くておいしい魚が入ってきます。また緊急事態宣言が解除されて通常の営業体制に戻れば、網代から“今朝獲れ”が送られてくるそうなので楽しみは取っておきましょう。

ランチの超お得な「おまかせ1.5人前にぎり」は味噌汁が付いて破格の999円!

そしてこちらのお店、ランチセットがめちゃくちゃお得です。「鮪」「いか」「サーモン」「穴子」など人気の寿司ダネが入った12貫に「かんぴょう」「葉わさび」「沢庵」「納豆」から1つ選べる手巻きが付く「おまかせ1.5人前にぎり」、「中とろ」も入る贅沢な9貫の「TOKYOにぎり」(各999円)、そして「特大えび」「うに」などが入った「特選にぎり」には、あの「赤えびお頭の味噌汁」が付いてなんと1,680円! しかも時短営業の今だけは終日提供してくれるとは太っ腹!

アナログとデジタルの良いところを兼ね備えた店が、新時代を生きる

魚や貝の持つポテンシャルを職人技で最高レベルに仕上げた寿司ダネと酢飯、このたった2つの食材が織りなすハーモニーで食べた人を笑顔にすることができる「寿司」。握り寿司が誕生した江戸時代はお腹が空いたら屋台で気軽にサッと食べられる現代のファストフードだったと言われています。「東京立ち寿司」はそんな江戸前寿司の情景を彷彿とさせます。

望むスタイルで食べたいものを食べたい分だけ、高級寿司店のように目の前で握ってくれるのに価格は回転寿司並み。オーダーもテイクアウトも支払いもスマホを使えば手軽で簡単だけど困ったときは助けてもらえる、アナログとデジタルのいいとこ取りをしたようなお店です。そう、ここは人間味と利便性を兼ね備えた“お客ファースト”なお寿司屋さんなのです。


<店舗情報>
◆東京立ち寿司
住所 : 東京都府中市府中町1-3-6 ぷらりと京王府中店 1F TSUZUMI
TEL : 050-5570-1485

※価格はすべて税込です。

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

※新型コロナウイルス感染拡大を受けて、一部地域で飲食店に営業自粛・時間短縮要請が出ています。各自治体の情報をご参照の上、充分な感染症対策を実施し、適切なご利用をお願いします。

※緊急事態宣言発出中は酒類の提供を停止しています。

取材・文:高橋綾子
撮影:大谷次郎

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