スタイリストの山本あきこさんの人気連載。「もしかしてファッション以前?」という素朴な疑問から、「夏のスタイリングはどうしたらいい?」という現実的な着こなしまで、大人の女性の「それ、あるある!」というおしゃれのお悩みにお答えしていきます。

第2回は、蒸し暑い今の時期に便利な「カットソーワンピース」の着こなし。カットソーワンピースって、Tシャツのように気軽に着られるし、汗をかいたらすぐにお洗濯できるしと、いいところだらけのはずなのに、自分が着ると「パジャマのように見えてしまう」「ただの手抜きに見える」ということはありませんか? 今回はそんなカットソーワンピースがおしゃれに見える着こなしを考えてみます。

涼しげなカットソーワンピース、私が着るとパジャマに見える…




ワンピースが決まらない…

買うときは「絶対使える!」と確信したのに、家で着てみたら今ひとつで、テンションが下がってしまうなんて悲しいですよね。でも大丈夫! ちょっとした工夫をするだけで、そのワンピース、ちゃんと外に着ていけますよ!

●ワンピースには3つの足し算を




カットソーワンピースのいいところは、気軽に着られるところやお手入れが簡単なところはもちろん、おしゃれをする目線で見たとき、「シンプルなデザインなので、おしゃれの足し算が映える」のがいいところなんです。つまり、反対にいえば、「なにも足さずに着ると、まったく着映えない=パジャマっぽくなってしまう」ということ! ですから、着こなすときには「なるべく足す!」ことを頭に入れてスタイリングすると、おしゃれに着こなせます。ぜひ試していただきたい、具体的なテクニックを挙げていきます。

(1) 袖口を工夫する
まずは袖を少し折り返してロールアップしてみたり、長袖だったらまくってみたりと、袖まわりにひと工夫してみること。こうすることで、ぐんと「着こなしている感」「おしゃれしてる感」が生まれるんです。自分の体にも馴染むので、自然な「こなれ感」が出て、そのまま着るより断然、よそゆきな雰囲気に。

(2) カーディガンを肩にかけたり、巻いたりする
シンプルなカットソーワンピースは、じつは上半身を「盛る」ことが大切! 何もしないと太って見えたり、のっぺり見えてしまうので、いかに目線を惹きつけるポイントを作るかがコツになります。そんなときにおすすめなのが、「カーディガン」や「シャツ」などの羽織りもの。肩にかければ重心がアップして、全身のバランスもよく見えますし、今年なら「たすき掛け」風に巻くのもおすすめ。こうすることで、上半身が斜めに分割されるので、のっぺり感や横幅のボリュームも目くらましすることができるんです。

(3) アクセサリーをプラスする
そしてアクセサリーはとても効果的なので、ぜひプラスしてみてください。選び方は、華奢なものではなく、「存在感があるもの」。やや大ぶりなフープピアスやカラフルなアクセサリーのほうが、一目で「お出かけ感」が伝わるのでおすすめ。さらにキャップやハット、サングラスなどの小物を足すのもいいですね。アクセサリーや小物をいつもより気持ち多めにプラスすることで、おしゃれな雰囲気が出てきます。

スポーティなアイテムとのミックスが簡単!




たとえばコーディネートをイラストにしてみるとこんな感じ! 左は、Aラインシルエットのワンピースに、ダンガリーシャツをたすき掛け。はおりものは同系色で馴染ませてもいいですが、デニム素材のような、カットソーとは違う素材のものを合わせるとメリハリのある着こなしに見せられます。

右は、ネックレスとキャップで上半身にポイントをつくった例。高い位置にポイントをつくることで、無地のカットソーワンピースもバランスよく見せることができます。ネックレスは短いものではなく、ある程度長さのある、ペンダントタイプのものが目立つのでおすすめ!

好みもあるかと思いますが、カットソーワンピースには、華奢なヒールサンダルなどより、あえてスニーカーやスポーツサンダル、キャップなどのスポーティアイテムと合わせるほうが、簡単に若々しく、アクティブな雰囲気に見せられます。バッグも、アウトドアブランドのものやバックパックのようなカジュアルなデザインのものがマッチ。悩んだら、スポーツテイストのものと合わせると失敗しにくいです。

デニムを重ねて「コーディネート感」を出すのも手!




私が着てみるとこんな感じです。Aラインの長めのワンピースの袖をロールアップ、ネックレスの重ねづけや大ぶりのピアスでお出かけ感を出しています。「パジャマとは違う!」ということを主張するためには、こんなふうに下にパンツを重ねばきするのもアイデアです。「コーディネートをしている」という雰囲気が出せるので、こんなテクニックも取り入れてみてください!

<イラスト/村澤綾香 取材・文/小川聖子>

【山本あきこさん】



スタイリスト。女性誌や広告などに携わった経験に基づくルールで展開するスタイリングが人気。シンプルな洋服と小物づかいでその人本来の魅力を引き出すファッションを得意とする、YouTubeチャンネル『なぜおしゃチャンネル
』も大人気! 著書に『自分を好きになる! 人生変わる! 山本あきこの日本一楽しいおしゃれドリル
』(主婦の友社刊)。