夜の気温も上昇し、かなり寝苦しい季節になってきました。睡眠の悩みをもつ人も多いのではないでしょうか?
ここでは、ESSEonlineで人気の高かった睡眠にまつわる記事を紹介。

たっぷり眠って夏を乗りきるべく、ぜひ参考にしてくださいね。

あなたはちゃんと眠れてる?睡眠の常識



●寝る前にホットミルク。よかれと思っている行動がじつは間違い?




「睡眠負債」という言葉が話題です。

日々の睡眠不足が借金のように積み重なり、心身に悪影響を及ぼすおそれのある状態のこと。たかが寝不足とあなどっていると、うつ、がん、アルツハイマー、高血圧、肥満など、深刻な病気につながる危険がひそんでいます。

よかれと思って実践していることが、睡眠負債を増やす原因になっているかも!?
ここでは睡眠研究のパイオニアである、医学博士の白川修一郎さんに、じつは間違っていることを教えてもらいました。

「睡眠のゴールデンタイム、夜10〜2時に眠っていればOK」は間違い!

「目を閉じているだけでも眠っているのと同じ効果がある」は間違い!

「5分間の二度寝でスッキリ起きられる」は間違い!

「ノンレムとレム睡眠の周期、90分単位で寝ると目覚めスッキリ」は間違い!

「寝る前にホットミルクを飲むとぐっすり眠れる」は間違い!

世間で常識と思われている睡眠についての知識は、じつは間違っていることも。新たな研究などで、快眠のための常識も変化しています。正しい知識を身につけて、正しい睡眠をとりましょう。

●寝ているつもりなのに、日中も眠い…。睡眠不足かも?




寝ているつもりなのに朝起きられない、日中眠い…そんな人も多いのではないでしょうか?
なかでも日本の50代女性の睡眠時間は世界的に見ても短いことが判明しています。

自覚されにくい睡眠不足について日本睡眠教育機構 上級睡眠健康指導士の長岡希実さんに教えてもらいました。

睡眠研究の世界で有名な実験があります。アメリカのウィリアム・C・デメント教授が行った実験で、健康な人8人に4週間、眠りたいだけ眠ってもらったというものです。
実験前、全員が「自分の睡眠に問題はない」と言っており、その平均睡眠時間は7.5時間でした。ところが実験から3週間後、彼らの平均睡眠時間は8.2時間でほぼ一定しました。つまり、彼らの適正睡眠時間は平均8.2時間であり、実験前は40分の睡眠不足状態にあったということです。

ここで留意してほしいのは、彼らが睡眠不足状態であることをまったく自覚していなかったということです。たった40分、と思うかもしれません。しかし、日々の睡眠不足は本人が気づかないうちに蓄積し、いわゆる「睡眠負債」となって溜まっていきます。

今や日本人の3人に1人が睡眠に関わる問題を抱えています。睡眠不足は仕事や勉強の能率を低下させるだけでなく、生活習慣病やメタボリックシンドロームと深く関係しています。もちろん、まだ体力があるうちは多少の睡眠不足であっても、なんとか持ちこたえることはできるでしょうが、年齢を重ねるにつれどんどんつらくなっていくので、なるべく睡眠時間は優先して取る工夫をしていただきたいと思います。

●眠りが浅くて寝た気がしない…快眠に大事な量と質とタイミングとは?




睡眠の量や質について、悩んでいる人は多いはず。眠りの浅さや昼間の眠気は、どうにか解決したい問題です。
ここでは「眠りが浅い」というESSE読者の悩みに、青山・表参道睡眠ストレスクリニック院長の中村真樹先生が答えてくれました。

よい眠りに大切なのは「量」(睡眠時間)と「質」(熟睡感)と「タイミング」(就寝時刻と規則正しさ)。この3つがそろうと、熟睡感がアップして快眠につながります。忙しい現代人には難しいことかもしれませんが、できることから始めてみましょう。

「量」:睡眠時間を最低「6時間」確保する

人は7〜8時間連続で眠ったときがもっともパフォーマンスが上がるといわれています。でも忙しい平日に7〜8時間寝るのは無理…。そんなときは平日は最低でも6時間確保して、不足分は週末の早寝で補うようにして。

「質」:睡眠の質を下げる「ストレス」を減らす

ストレスがあるとリラックスできず、眠りも浅くなりがち。まずはストレスをためない工夫を。また、就寝前にぬるめのお風呂に入ったり、ヨガやストレッチをして体の緊張を取ると、心身がリラックスして入眠しやすくなります。入眠作用のあるラベンダーやカモミールのアロマを利用するのもおすすめ。

「タイミング」:寝る時間を一定にする

良質な眠りには、一定の規則正しさも必要。規則正しい生活をすると、体がそのリズムを覚え、1日の生活にもメリハリがつきます。その結果、夜はしっかり眠れて、昼間は活動的に動けるように。その意味でも、快眠のためには、週末の夜ふかしはNGですよ。

快眠のために今日からできるテクニック



●暑くて眠れないときのエアコンと布団の使い方




いよいよ本格的な夏が到来。夜は蒸し暑くて眠れない、眠りが浅いという悩みをもつ方も多いのではないでしょうか? エアコンや寝具の使い方など、正しいと思っていたことがじつは間違っているのかもしれません。

そこで、眠りのプロである東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身先生と西川東京オフィスのスリープマスターの杉原桃菜さんに、熱帯夜でもよく眠れる快眠のコツを教えていただきました。

湿度は、50〜60%をキープし、ドライモードや除湿器を活用しても

「暑くて寝苦しいのは、温度だけでなく湿度もポイント。湿度をコントロールすることで、眠りに入りやすくなるだけでなく、睡眠の質も大きく向上します。快眠には、室内の湿度を50〜60%にすることが理想です。エアコンのドライモードで調節したり、除湿器を使って最適な室内湿度をキープしましょう」(杉原さん)

熱を逃して汗を蒸発させる接触冷感の寝具を使ってみましょう!

「素早く熱を逃がす接触冷感素材を使った寝具を活用するのも手です。冷たいだけでなく、体から出る熱を逃して汗を蒸発させ、体との接触面の温度上昇を抑えてくれる機能のものがおすすめ。敷きパッド、かけ布団、枕カバーなどがあり、手もちの寝具にプラスすれば、エアコンに頼りすぎることなく、快眠できますよ」(杉原さん)

エアコンはきらずに朝まで適温でつけっぱなしにするのが正解

「蒸し暑いと寝汗をかきますが、寝汗は、脳が体温調節を睡眠中にもがんばっている証拠。睡眠の質はかなり悪化します。脳の疲れをとるには、適度な温度と湿度を保って快適な環境で眠ることが必須です。なので、寝苦しい夏は、エアコンはひと晩じゅう、つけっぱなしでいいんです。冷房モードで設定温度を25〜27℃にするか、除湿モードで朝まで快適に!」(梶本先生)

エアコンをつけていれば、かけ布団は年じゅう同じでOK! 腕は布団から出して

「夏はタオルケットを使っている人が多いと思いますが、じつは、一年じゅう同じかけ布団にするのがおすすめです。かけ布団は、タオルケットより吸湿性が高く、布団の中の環境がよくなって睡眠の質がアップ。エアコンで適度な温度と湿度をキープし、体の熱を逃す腕を布団から出せば、夏もぐっすり」(梶本先生)

●暑い日でも質のいい睡眠をもたらすアイテム



連日の猛暑の影響で疲れもたまりがちな時季。ぐっすり眠って翌朝にはリセットできたら理想的です。そんな睡眠を得るには寝具選びも重要。ぜいたくな眠りを手に入れるためにそろえたい、おすすめアイテムを紹介します。
寝具選びは、快眠を左右する大事なポイント。選ぶべき枕と布団を快眠セラピスト・三橋美穂さんに教えてもらいました。

<枕>仰向け寝・横向き寝どちらにも対応。体に負担が少ない寝姿勢をキープ


頸部を支え、頭部のおさまりのよいキルト構造と、スムーズな寝返りをサポートするアーチ構造の枕。枕の高さを、中材と高さ調整シートの抜き差しで調整可能です。約60×40cm。

・快適な眠りと健康サポートまくら(やわらかめ・Amazon限定商品)¥2998(税込)(昭和西川)

<敷きパッド>触れるとひんやりする素材で、暑い日も快適。ムレやにおいも防止


人気の接触冷感素材「Nクール」の冷感が強めのスーパーバージョンの敷きパッド(100×200cm)とピローパッド(45×65cm)。ムレにくい特殊な中わたを使用。消臭機能も。

・Nクールスーパー敷きパッドシングル(ブルー)¥2719、Nクールスーパーピローパッド¥727(ともにニトリ)

●たまった疲れは足枕で解消。ぐっすり眠るためにできる工夫




ESSEonlineの連載でもおなじみ、エッセイストとしても活動する若松美穂さんが、おすすめするのは足枕。
足がちょっと高くなるだけでも、下に溜まった血液が戻ってくるような心地よさ。よく眠ることができるだけではなく、翌朝むくみもとれていてスッキリ。

専用の足枕だけでなく、クッションやバスタオルなどでも代用が可能! ぜひお試しくださいね。

●話題の「きくち体操」で睡眠の質も向上



免疫力アップに効果的な「きくち体操」。睡眠にも効果アップと言われています。寝たまま全身ゆらゆら体操で、眠れる体へ!

「形や回数は気にせず、脳で自分の体を意識して動かすこと」がきくち体操のポイント。なんとなく体を動かすのではなく、使う筋肉に意識を向けることが大切。どれだけ意識を向けられるかで、効果が大きく変わります。

(1) あおむけに寝て手と脚を伸ばす


腕は上げ、脚を伸ばしてあおむけに寝る。伸びをするように、グーッと全身を伸ばす。

(2) 全身の筋肉をゆるめてゆらす


体全体をゆらゆらとゆすって、腕、頭、顔、首、おなか、お尻、脚など、パーツごとに意識しながら体をすべてゆるめて力を抜いていく。そのまま眠ってもOK!

※妊娠中やその可能性のある方、持病のある方は事前に医師と相談してください。また、試してみて痛みや不調があるときは、すぐに中断してください。

<文/ESSEonline編集部>