毎月の予算をきちんと立てていても、急な出費や予定外の支出で予算が守れず、結果、貯蓄がうまくいかない…そんな声もよく聞きます。
そこで、貯め上手な人のやり方を拝見。エッセのお金コンテストで“オカネジェンヌ”銅賞を受賞したSさんのやりくりを紹介します。

年200万円貯めている人がやっている!「特別費先取り貯金」のやり方



<Sさん(東京都・40歳)のプロフィール>
夫(40歳)、長女(9歳)、長男(7歳)の4人家族。貯金体質で、結婚3年目に1700万円を貯めてマイホーム購入。減収+出費増のピンチに家計を見直し年200万円貯金を達成! インスタグラム(@happy_kari_kari
)で家計管理や節約について発信

1日の予算は2000円と決め、現金で管理しているSさん。この方法にしてからムダ使いがなくなり、毎月黒字が出るようになったそう。
さらに、特別費で家計が崩れてしまうことが多かったので始めたのが「特別費の先取り」。翌年の特別費の予算を立て、毎月の黒字とボーナスで約40万円を先取り貯金します。

●1:スマホを見て次年度の特別費を洗い出す




スマホの家計簿を参考に特別費を予算立て。「固定資産税など決まった費目は前年の予算をコピーし、結婚祝いなどの予定を加えます」

●2:費目ごとに特別費用封筒をつくる




特別費の費目ごとに封筒をつくり、表に内容と金額を書いて準備完了。「特別費には旅行などのレジャー費もあるので、やる気もアップ!」


特別費の費目は全部で11種類

固定資産税など必要経費のほか、誕生日やクリスマス用のお楽しみ費も確保。「特別費は月の黒字とレジャー費などの残りを合わせた1万円超に加え、ボーナスからも先取りで10万円ずつ用意します」

・ピアノの発表会費2人分

年1回のピアノの発表会は、1万1000円×2人分の会費が必要。「前もって費用を準備しておけば安心です」

・子どもの誕生日はディズニーランドへ

2人の子どもの誕生日は、家族でTDLに出かけるのが恒例。「チケット代+外食代で1回3万5000円ずつ準備して、思いきり楽しみます」

●3:毎月黒字分を封筒に入れる




収入から生活費や貯金を引いた残金1〜2万円を封筒へ。「早い時期に必要な費目から順に入れ、約1年かけて特別費を準備します」

<POINT! 年賀状代とファンクラブ会費積立もスタート>


「一度に数千円出すのは大変でも、積立ならムリがない」と実感して、年賀状代と大好きなスピッツのファンクラブ会費の積立も開始。

年200万円の貯蓄を実現!Sさんの貯めヒストリー



子どもと過ごす時間を大切にしたいと、正社員からパートに変えたSさん。収入が半減したところから年200万円の貯蓄を達成するまでの軌跡を追いました。

<2016年> 年間貯金60万円正社員からパートになり、収入が半減。

<2017年> 年間貯金40万円貯蓄は、財形1万円と児童手当だけに。

<2018年> 年間貯金100万円一念発起して貯蓄に目覚める!

<2019年> 年間貯金170万円1日2000円の予算を管理するために、ウォールポケットに30日分の予算を入れて壁にはる「ウォールポケット家計簿」を実践。毎月黒字が出るようになり、貯蓄70万円増と大幅アップ!

<2020年> 年間貯金200万円特別費を先取りで準備して、貯金額が年間200万円突破!


特別費を準備したおかげで月の家計が安定して黒字が増え、年40万円のつみたてNISAをスタート!


「貯金が苦手な友人に貯めるコツを冊子にまとめてプレゼントしたら、友人も貯め上手になりました」

●ファイナンシャルプランナー・横山光昭さんからひと言




じつは私も現金主義。効果抜群です。

ムダづかいしやすい人に、ぜひ見習ってほしい!

徹底した現金主義のSさん。現金は使えば消え、貯めれば増えるのが目でわかるため、お金の使い方が丁寧になります。カードやスマホ決済で使いすぎる人は、ぜひ見習って! 特別費で貯金やボーナスをなし崩しにする人が多いなか、計画的に備えている点も◎

日々の出費と、年に数回の特別出費。この2つを徹底管理できれば、貯蓄は確実に残せます。貯まる家計になるためには、使うお金をすべて把握することが基本。達人のやりくりを参考に、ぜひ実行してみてください。

●教えてくれた人
【横山光昭さん】



ファイナンシャルプランナー。家計立て直しのプロで、これまでの相談件数は2万3000件超。1男5女のお父さん

<撮影/キムアルム、山田耕司(横山先生) 取材・文/ESSE編集部>