2020年7月、任天堂の内部資料がインターネット上に大量に流出する事態が発生しました。「ニンテンドー・ギガリーク」と呼ばれたこのデータ漏えいにより、任天堂スーパーマリオ64でルイージをプレイアブルキャラクターとして準備していたことなどが明らかになっていたのですが、新たに開発初期のWiiリモコンに関する資料が発見されています。

Leaked Nintendo Emails Reveal Unused Wii Remote Designs

https://kotaku.com/early-wiimote-designs-uncovered-in-leaked-nintendo-emai-1847331531

任天堂の古いゲーム関連の資料を収集しているTwitterアカウントのForest of Illusionやゲーム開発者のDreamers Devさんが、2006年に発売されたWiiに関する任天堂社内のメールのやり取りを発掘しました。このメールには、初期のWiiリモコンのデザイン案が添付画像で貼りつけられていたそうです。

2005年7月28日付けのメールには、さまざまなボタンを配置したライムグリーン色のWiiリモコンの画像が添付されていました。これはWiiリモコンの初期のプロトタイプであったと考えられており、最終的なデザインには含まれていない、いくつかのボタンが確認できます。初期のプロトタイプでは背面ボタンが「Aボタン」になっていたり、「Cボタン」が追加されていたりと、最終的なデザインとはかなり違ったものになっていることがわかります。



初期のプロトタイプからいくつかの改訂を重ねた後のデザインが以下。製品版のWiiリモコンのデザインにかなり近しいものとなっていますが、A案とB案はホームボタンの左右にあるボタンが「BACK(戻る)」「PAUSE(一時停止)」となっており、よりTVなどのリモコンに近いボタン構成になっています。なお、C案は製品版のWiiリモコンと同じボタン配置です。



さらに別のデザイン案として用意されていたのが、「D-a」「D-b」「D-c」「D-d」の4つ。D案はどれもホームボタンの左右にあるボタンが矢印になっており、これだけを見るとどのように使う予定のボタンだったのかが把握しづらいところ。



任天堂Wii以前のゲーム機で矢印ボタンを使用していなかったため、矢印ボタンを追加してもどのように使うものかを即座に理解することは困難だっただろうということで、「誰でもわかりやすいであろう+/−ボタンを採用した」とDreamers Devさんは指摘しています。

Wiiリモコンについては、過去に試作機の実機がオークションに出品されていたこともありました。

世界で1億台以上売れたあのWiiのコントローラー「Wiiリモコン」の試作機がオークションに登場 - GIGAZINE