メルセデス・ベンツ羽田空港のブランド発信拠点をリニューアル、六本木の拠点に併設している“伝説の立ち食いそば”こと港屋が新たに出店しました。展示車のすぐ近くでそばをすする、これこそがメルセデス・ベンツの狙いでした。

メルセデス仕様“伝説の立ち食いそば”羽田で食べられます!


港屋ラウンジの「冷たい肉そば」 (中島洋平撮影)。

 メルセデス・ベンツ日本が2021年4月27日(火)、羽田空港内のブランド発信拠点をリニューアル、「メルセデス ミー 羽田エアポート」としてオープンしました。
 
 この拠点の目玉が、「冷たい肉そば」を提供するそば店です。実際に食べてきました。

 場所は羽田空港第2ターミナルの地下1階、京急線の駅から上がってすぐの広場です。ここには従来からメルセデス・ベンツのクルマを展示しグッズなども販売するギャラリースペースがあったのですが、ここへ新たに、そば店「The Minatoya Lounge(港屋ラウンジ)」がオープンしました。

 この「港屋」はかつて東京・虎ノ門で「日本一行列のできる立ち食いそば」などとも言われた人気店で、2019年12月、六本木にあるメルセデス・ベンツの拠点「メルセデス ミー 東京 NEXTDOOR」に併設する形で「Minatoya 3」をオープン。メルセデス・ベンツと立ち食いそばの異色コラボが、今回、羽田空港に進出したというわけです。

 なお店名の通り、今回は着席のラウンジスタイルの店舗となっています。

 六本木の「Minatoya 3」では、港屋の創業者・菊地剛志さん(KIKUCHI Art Gallery代表取締役)が、「メルセデスのために新設計した」という「温かい肉そば」がメインでしたが、この羽田空港のメインは「冷たい肉そば」です。

 メルセデス・ベンツ日本 企画広報課の寺迫靖久マネージャーによると、冷たい肉そばの方が提供時間が短く、急ぐ人も多い空港では好まれるのではないか、ということでした。

ちょっとクセになる味かも


港屋ラウンジ(中島洋平撮影)。

 冷たい肉そばの価格は税込(以下同)950円、スモールサイズは750円です。

 提供された商品は、太く歯ごたえのある縮れ麺のそばに、豚肉とネギ、刻み海苔、ゴマがドッサリとのったもの。これを、ラー油入りのピリ辛な付けダレにつけて食べます。一緒に提供される温泉玉子を加えて、途中の「味変」も可能。ネギの歯ごたえと辛さもあいまって、ちょっとクセになるような味かもしれません。

 もちろん、温かい肉そばも同額で食べられるほか、この羽田の港屋ラウンジオリジナルの「金太郎メンチカツ」(250円)、「金太郎メンチカツカレー」(850円)、「からあげ」(650円)といったガッツリ系なメニューもあります。

 ドリンクは100円から提供されており、空港で働く人の利用も多いということでした。なお、メルセデス・ベンツ車のオーナーは、キーを提示するとウェルカムドリンクサービスを受けられます。

 そもそもなぜ、メルセデス・ベンツ羽田空港に出店し、そば店までオープンするのでしょうか。

「橋渡し」の役割が期待されている「そば」


メルセデス ミー 羽田エアポート。奥が港屋ラウンジ(中島洋平撮影)。

 この羽田空港の拠点がオープンしたのは2015(平成27)年のこと。メルセデス・ベンツ日本の寺迫さんによると、その狙いは、ここを通る人にメルセデス・ベンツというブランドに触れてもらうこと、そして、「敷居を低くすること」にあるといいます。

メルセデス・ベンツは『私のブランドじゃない』、と思う方も、まだまだたくさんいらっしゃいます。ラウンジをご利用いただくなかで、『あ、EVが出たんだ』『Aクラスってこのくらいの値段で買えるんだ』といった、ブランドの情報を少しでも持ち帰っていただければ」(メルセデス・ベンツ日本 寺迫さん)

 同社はほかにも、このような「ブランド発信拠点」を出店してきましたが、この戦略は、メルセデス・ベンツが求めやすい価格のコンパクトカーのラインアップを増やしていったのに合わせてのことだそう。こうしたユーザーの裾野を拡げる戦略で、メルセデス・ベンツは日本でも2014(平成26)年以降、輸入車販売台数1位を維持してきました。

 メルセデス・ベンツ日本の寺迫さんは今回の港屋ラウンジについて、「フランス料理のように高級なものではなく、一般の方がおいしく、楽しく、ふらっと立ち寄れる、かといって『立ち食い』ではなく、くつろげる店」と説明します。「これが羽田空港の目玉になり、一般の方とメルセデスの橋渡しになれば、こんなに嬉しいことはありません」ということでした。