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CAE(Computer Aided Engineering)のサイバネットシステム株式会社は、同社が販売・サポートするVR設計レビュー支援システム「バーチャルデザインレビュー」に、本田技研工業株式会社と共同で特許申請中の新技術「仮想現実・複合現実感を用いて解析結果を可視化する方法」をオプション機能として実装し、2021年4月5日から販売開始した。
​設計・開発の現場では、CAEで得られた解析結果を関係者間で正しく解釈し共有するのに時間がかかることが課題となっていた。
この課題に対し、同社は以前よりバーチャルデザインレビューのユーザーであった本田技研工業と共同でVRを活用した解決方法の検討を進め、解析結果の可視化をVR空間内で容易に実現する手法を開発。同技術によって、設計者がCAE解析の結果を視覚的に深く理解できることで手戻りの削減による開発期間短縮と、製品品質の向上が期待できる。

【バーチャルデザインレビューとは】:
3D CADの形状をデータ変換等の手間をかけず直接VR空間に投影させ、遠隔地のメンバーを含む複数人が同一のVR空間の中でコミュニケーションを取りながらレビューすることができるVRシステム。設計変更等の情報を有効に共有することで手戻りを軽減し、開発にかかるコストや時間を削減する。


■【動画】バーチャルデザインレビュー紹介映像:


●バーチャルデザインレビューに追加された新機能概要
従来、CAEで解析した結果を可視化してVR空間で表示させる方法は主に「VRシステムによる解析可視化ソフトウェア結果のキャプチャ表示」と「解析可視化ソフトウェアに組み込まれるVR 出力機能による表示」の2通りだった。どちらの方法も、VRシステムのコントローラーでは解析可視化ソフトウェアの設定変更機能がなく、VR上でのリアルタイムの可視化の設定変更が困難だった。また、設定変更には解析可視化ソフトウェア側でオペレータの操作が別に必要になることから、VRシステム側の確認者の意図をオペレータの操作に正確に反映させることが難しいという課題もあったが、今回追加された新機能では、VR空間内で設計者自ら3次元的な構造を観察しながら、コントローラーの操作だけで流線開始位置の設定や温度情報の確認が可能となる。

【以下のような評価が可能】:
・VR空間で歩く、しゃがむなどの移動で視点調整
・コントローラー位置、向きで流線発生位置調整
・可視化結果の流線を自ら動いて追跡



●本田技研工業におけるCAEとVRの活用について
(四輪事業本部 ものづくりセンター パワーユニット開発統括部)
Hondaは新世代開発プロセスのひとつとしてVR技術に注目している。開発現場では、車両全体の大規模CAEを活用したバーチャル開発が必要不可欠となっているが、この可視化処理は専門性が必要なため、限られたエンジニアにしか操作ができなかった。そのため、十分な考察ができず、せっかくのCAE結果を活用できないことも少なくない。そこで、今回の新機能である、VRを用いたCAE結果の評価技術をサイバネットシステムと共同開発し、VR空間内で誰もがCAE結果を可視化できるソリューションを構築。同技術により、設計者自らがCAE結果の考察を行うことができ、仕様決定までの時間を短縮した。

VRを用いたCAE 結果レビューの様子

●同技術搭載バーチャルデザインレビューのオプション製品紹介セミナー
VR空間内でコントローラーを使用した断面、断面上の物性値の変化を色の変化で表示する可視化方法であるコンター図(数値の高低、分布などが感覚的に分かりやすい特徴がある)作成機能および流線生成機能を含む、VR設計レビュー支援システム「バーチャルデザインレビュー」のCAE連携オプションに関する操作のデモ動画を交えた紹介Webセミナーを4月16日(金)に開催する。なお、同製品の価格については別途問い合わせする必要がある。

▼ セミナー概要:

・日時
2021年4月16日(金) 15:00〜 ※30分程度

・開催地
オンライン(Web会議システムZoomを用いたWebセミナー)

・対象者
CAEのVR表示に興味のある方

・参加費
無料(事前登録制)

・申込み
https://www.cybernet.co.jp/ar-vr/seminar_event/vdr_cae_option.html

バーチャルデザインレビュー詳細サイト::
https://www.cybernet.co.jp/ar-vr/products/vdr/


(ロボスタ編集部)