料理の基本「湯煎」とは?やり方やコツを徹底解説

湯煎(ゆせん)とは

湯せんとは、直接材料に熱を加えるのではなく、材料を入れたボウルなどの容器を温め、間接的に材料に熱を加えることをいいます。
用意するものは、鍋やボウルと、ひとまわり小さいボウルなどの容器。湯をはった鍋の中に、材料を入れた小さなボウルをつけてあたためます。

湯煎の意味と効果

湯せんは、材料をこがさずなめらかに、均一に溶かすことができる手法です。材料に直接火を入れない間接加熱なので、ゆっくりおだやかに加熱。こげる心配がありません。また、保温を目的として使われることもあります。

湯煎が必要な代表的な料理

チョコレートやバターを溶かす時や、卵を泡立てる際にもよく使われます。レトルト食品を温める時や缶詰を温める時にもおすすめ!レトルト食品や缶詰の場合は、お湯をはった鍋の中にそのまま入れるだけでOKです。ただし、缶詰は火にかけたまま入れると爆発する可能性もあるので、火は止めてから温めましょう。

【ケース別】湯煎のやり方やコツ

チョコレートの場合

刻んだチョコレートをボウルに入れ、お湯をはった鍋やボウルにつけて溶かします。チョコレートは繊細なので、お湯の温度が重要! 熱を加えすぎるとこげたり風味が飛んでしまうので、50℃から55℃くらいのお湯でゆっくり溶かしましょう。また、水分が入ってしまうと分離するおそれもあるので、お湯が入らないよう注意が必要です。

バターの場合

電子レンジを使うやり方もありますが、バターの風味を生かした溶かしバターを!という場合には、湯せんがおすすめです。ゆっくり火を通すと均等になめらかに溶けてくれますが、冷めるとまた固まってしまうため、ほかの材料と合わせた時にうまく混ざらない場合があります。溶けたら早めに使用しましょう。

ゼラチンの場合

ゼラチンは、粉タイプと板タイプと2種類あります。どちらもまずは、適切な量の水でふやかしておきます。ゼラチンが水を吸ってふやけてきたら湯煎にかけます。ゼラチンはとても熱に弱いので、注意が必要です。あまり高温になりすぎないように、50℃から60℃で湯煎にかけましょう。ゼラチンが溶けたら、すぐ湯煎から外してくださいね。

全卵をあたためて泡立てる場合

全卵共立ての場合、全卵は卵黄と卵白の成分の違いで泡立てるのが難しいです。しかし、湯煎という間接的に熱を与える方法を用いることで、卵白の成分が弱まり泡立ちやすくなります。この時、お湯の温度は60℃程度にしましょう。あまり高温になりすぎると卵黄が固まってしまい、分離の原因にもなるので慎重に。全卵を混ぜ、36℃程度になったら湯煎から外します。ハンドミキサーや泡だて器ですばやく混ぜあわせていくと、うまくいきますよ。

湯煎と湯煎焼きの違い

湯煎焼きとは、オーブンで菓子型の生地を焼く際、天板に水をはって蒸し焼きにする方法です。生地がしっとり仕上がるため、蒸し焼きプリンやチーズケーキなどによく使われる手法です。型の半分くらいまで天板にお湯を入れますが、高さのある型の場合は天板に水をはったバットや耐熱容器を置き、その上にセットしましょう。

仕上がりに違いがでる王道の湯せん!

材料をこがさず、均一に溶かすことができる湯せん。バターなどは電子レンジで溶かすこともできますが、量やレンジのちがいによって、あっという間にこげてしまうという可能性もあります。ちょっと面倒、と思われるかもしれませんが、王道の手法で湯せんをするとこげる心配もなく、仕上がりはなめらか。ひと手間かけただけの甲斐はありますよ。湯せんをする際、ステンレス製のボウルと耐熱容器では熱の伝わり方が異なりますので、こちらも覚えておきましょう。