「ミニ四駆の在庫とかってあります?」→出てきたものがとんでもなかった
静岡県にある模型メーカー「TAMIYA(タミヤ)」より、販売展開されている模型シリーズ「ミニ四駆」。
1982年の発売開始以来、これまで何度か全国的なブームが起き、世界中で愛されているロングセラーブランドです。近年では、子どもの頃にブームを経験した人たちが大人になり、再び手に取って遊ぶようになるというリバイバル現象まで起きています。
そんなリバイバルブームに合わせて「復帰」した、あるミニ四駆レーサーの体験談が、Twitter上で大きな話題となりました。
「昔おもちゃ屋さんやってた近所のおじいちゃんに「ミニ四駆の在庫とかってあります?」って聞いたらとんでもないもん持ってたんで譲ってもらいました」
そんなつぶやきとともに、Twitterユーザーのさのしんさんが投稿した1枚の写真。そこに写し出されていたのは、合計8箱のミニ四駆のパッケージなんですが、“通常版”とは違うデザイン。
一体どのようなパッケージデザインかというと、まず左端部分にはそれぞれ「1・2・3・4・5・6・7・8」とナンバリングされています。
このパッケージを、「1・2・3・4」と「5・6・7・8」にわけて、数字順に重ねてゆくと、それぞれ1枚絵になる仕掛けが施されていたのです。現れたのは、レーシングチームのユニフォームを着用したキャラクターたちに、「爆走兄弟レッツ&ゴー!!WGP」のロゴ。こ、これはまさか!
「第二世代」の方は、もうお気づきになった方も多いのでは?実はこのパッケージは、1994年から1999年に、こしたてつひろ氏によりコロコロコミックで連載され、さらに1996年から1998年にテレビ東京系列でアニメ版にて放映された「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」において、主要キャラの星馬烈&豪兄弟・鷹羽リョウ・三国藤吉・Jが、「TRFビクトリーズ」として、世界各国のレーシングチームと対戦していく「WGP編」時のキャラクターデザインが施されたスペシャルキット。
ミニ四駆は、これまでに2度アニメ化され、これが火付け役となり全国的なブームを起こしています。そして先述の“レツゴー”は、2回目のブームを引き起こした作品。筆者のような「レツゴー世代」は、総じて「ミニ四駆第二世代」と形容されます。
そして、今回さのしんさんが投稿したキット商品は、現在は発売されていないもの。なので入手は困難を極めるのですが、さのしんさんは去年地元に戻った際に、「昔おもちゃ屋をやっていた」という近所の方から、このキットを譲り受けたそう。
実はさのしんさんもまた、先述の「第二世代」だったひとり。ブームが過ぎた後は、一時期ミニ四駆から離れていたそうなんですが、冒頭のリバイバルブームに乗って、2017年ごろにカムバック。再びミニ四駆と共に過ごす生活となりました。
そんな中で、今回のめぐり合いを果たしたのですが、さのしんさんもつぶやいている「とんでもないもの」という意味は、「スペシャルキットが全種類未開封状態で」譲り受けたという意味合いも含まれたもの。現在販売取り扱いがないことを鑑みると、これは奇跡に近い出来事。「人の縁とは不思議なもんで……」とはよくいったものです。
この邂逅には、筆者を含めた、かつて「レツゴー」に魅了された“子どもたち”が思わず反応。リプライ(返信)欄は、「懐かし……」「めちゃくちゃ羨ましいです!」「うわぁ小学生の時持ってたなぁ」「たしかにとんでもないものですね」「並べると1枚の絵になるのは知りませんでした」「感覚的にはこないだ買ったやつだ」「WGP編だからそんなに古くない(錯乱)」などと、“大きな子ども”たちがホイホイされる事態に。結果3万を超えるいいねが寄せられ、大きな反響となりました。
こうして、多くの「元ミニ四駆レーサー」を、眠りから覚めさせることに成功したさのしんさんは、Twitter上では組み上げたマシンを都度投稿。充実したミニ四駆ライフを送っています。
昔おもちゃ屋さんやってた近所のおじいちゃんに「ミニ四駆の在庫とかってあります?」って聞いたらとんでもないもん持ってたんで譲ってもらいました🙏 pic.twitter.com/wW9eP0OFqi
— さのしん (@sanosuka15) February 15, 2021
<記事化協力>
さのしんさん(@sanosuka15)
(向山純平)