軽自動車「いくらなら買う?」 価格上昇は不可避でもユーザーが希望するラインとは

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昔と比べて高くなった? あなたは軽自動車に対していくらなら出せますか?

 日本の道路事情に適した乗り物として1949年に制定された軽自動車規格。現在までに、幾度となく改定され現在の規格は1998年から制定されました。
 
 軽自動車といえば、コンパクトで取り回しがしやすく、「通勤・通学」や「買物・送迎」といった日常にはなくてはならない存在ですが、近年は価格帯が上昇傾向にあり、軽自動車であっても「気軽に買う」という風潮でなくなりつつあるといわれています。
 
 では、軽自動車に関心を持つユーザーが望む理想の価格帯とは、どれくらいなのでしょうか。

1979年に発売されたスズキ初代「アルト」は登場としても驚異的な「47万円」という価格設定で登場した。

 70年以上も続く軽自動車史のなかで、1979年に発売されたスズキ初代「アルト」は代表的なモデルです。

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 現在と物価は大きく違いますが、当時としても驚異的な「47万円」という価格設定としたことが大きな話題となりました。

 アルトは物品税が課せられない商用車として発売。当時の軽自動車では50万円台半ばが最安値でしたが、50万円を下回る価格は商用車としても異例のものだったのです。

 その後、1990年台以降は軽自動車でも安全性や快適性の向上が図られるにつれ、価格帯も上昇していきます。2000年代前半までは、乗用車でも100万円を下回る価格設定が見られましたが最近ではほとんど存在しません。

 2021年現在の乗用車で100万円を切るモデルは、2014年に登場した8代目アルトのエントリーグレード「F」(86万3000円)とダイハツ「ミライース」のエントリーグレード「B」(86万200円)の2車種です。

 商用車では、各社で100万円を下回るモデルが多く、スズキ「アルトバン」の73万7000円が最安値となります。

 一方で、現在売れ筋の軽自動車ジャンルとなる「スーパーハイトワゴン」において、人気のホンダ「N-BOX」のエントリーグレード「G」が142万8900円で、最上級グレード「Custom EX・ターボ(4WD)」が215万2700円です。

 価格設定によって安全・快適装備などが大きく異なり、単純な価格の比較は意味がないものの、売れ筋のモデルが100万円台後半になっている傾向は確実です。

 軽自動車の価格が上昇しつつあるなかで、軽自動車に関心を持つユーザーが望む価格帯とはどれくらいなのでしょうか。くるまのニュースでは公式SNSにて「軽自動車を購入するならどの価格帯を希望しますか?」というアンケートを実施しました。

 結果は、「100万円から200万円」を希望する人が7割以上、「100万円以下」が2割程度、「200万円から300万円」が1割程度となりました。

 アンケートでは、「300万円以上」という選択肢もありましたが、これを選ぶ人はいませんでした。

 また、自由回答として「軽自動車に希望するものは?」という設問では、「価格が1番」、「車両価格と維持費の安さ」、「維持費と税金の安さを求めます!」というように、車両価格に加えて、月々の維持費に対しても安さ求める声も出ていました。

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 現在、国内の新車市場において軽自動車は約4割を占めるほど成長したジャンルです。

 そのため、これまで税制面で安さがメリットだった部分が引き上げられる可能性も考えられます。

 また、今後は軽自動車においても電動化の影響は避けられないこともあり、車両価格自体のさらなる上昇もユーザーからは懸念されています。

 幅広い世代かつ地方部での重要なモビリティとしても活躍する軽自動車は今後どのような展開を迎えるのか、日本の自動車市場にとっても関心が高い部分だといえます。