そのなかで、日本人選手とスタッフから感染者を出さずに、活動を終えることができた。他のスポーツ団体の海外遠征で、参考できるところもあるだろう。サッカー協会の関係者も、「自分たちの遠征が役立つのなら、いつでも情報は提供したい」と話している。

 Jリーグは12月13日までに、J1、J2、J3のいずれも順調に日程を消化してきた。すでにリーグ戦の成立要件を満たしている。

 感染の恐怖には、絶えずさらされてきた。複数のクラブの選手とスタッフが、PCR検査で陽性と判定された。クラスターが発生したクラブもある。

 限られた取材環境のなかで現場の声を集めると、各クラブは「三密」を避けた「新しい日常」を構築している。着替えをするロッカーを少人数ごとで使用し、シャワーや入浴、食事の人数を分けるといった対応をしている。

 クラブをまたいだ対策としては、練習試合を組まないことがあげられる。これまではほぼすべてのクラブが、リーグ戦の当日や翌日に練習試合を組んでいた。出場時間の短かった選手、出場しなかった選手に実戦の機会を設けるためである。ケガからの復帰過程にある選手にとっては、対外的な練習試合が戦線復帰の最終チェックとなる。各クラブの監督やコーチにとっては、選手のコンディションの見極めが難しいシーズンだった。

 こうした対策を講じても、感染者が出てしまっている。新型コロナウイルスとの戦いが、いかに厳しいものであるのかを物語っている。

 改めての五輪イヤーとなる新シーズンは、J1リーグが2月26日に開幕する。J2は翌27日、J3は3月13日に開幕する予定だ。

 緊急事態宣言を経験して、私たちは当たり前の日常の尊さを知った。スポーツの価値を再認識した。新型コロナウイルスとの戦いは新シーズンも続くが、Jリーグには選手にも観衆にも安全で安心な開催を、引き続き作り上げていってもらいたいものだ。