玉田圭司が選ぶJ歴代ベスト11「目指すは究極のサッカー!一番思い入れが強い選手は…」
柏や名古屋などを経て、現在は長崎で活躍する元日本代表FW玉田圭司に「Jリーグ歴代ベストイレブン」を訊いてみた。人選の条件は現在までに登録されたJリーガーで、外国籍選手は3人まで。プロ22年目の熟練ストライカーが選んだ11人は――。
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歴代と言うと幅が広すぎるので、今回はすでに引退をしていて、僕がクラブチームで一緒にやりたかった選手を選びました。他にも候補に挙がる選手はたくさんいるかもしれないですけど、パッと出てきたのがこの11人です。
直感的に選手を選んでしまったので、システムを決めるのは難しいですね。2−7−1かな。実際に試合をしたらどうなるか予測がつかないですけど、ポゼッション100パーセントの究極のサッカーを目指します。
GKは(川口)能活さん。日本を代表するGKと言えば、僕の中では能活さんかナラさん(楢崎正剛)ですけど、ナラさんとはグランパスで一緒にやっていたので、今回は能活さんに即決しました。
DFのひとりは中澤(佑二)さん。中澤さんはオールラウンド。高さもあるし、足も速いし、対人も強い。すべてを兼ね備えたDFです。「中澤」で言えば、中澤聡太にしようかも迷いました……あ、これ冗談です(笑)。
もうひとりはフクさん(福西崇史)。MFを選び過ぎたので、フクさんには最終ラインに落ちてきてもらいます。色んなポジションができるのも魅力ですからね。そしてなによりすごく嫌らしい選手でした。今ではなかなか経験できないほどの激しさだったので、強く印象に残っています。
中盤の中央は3人。アンカーに山口モト(素弘)さん、左に名波(浩)さん、右に(小笠原)満男さん。山口モトさんは「ザ・ボランチ」という感じ。僕がプロ入り前からこの人を見ていて学んだのは、首を振ること。とにかく周りを見て、ポジショニングを取っていた。こういう選手が中盤をやるんだなと感じました。
名波さんは相手の急所を突くのが本当に上手い。対戦すると、こっちの嫌なことを簡単にやってくるんですよね。満男さんは高校で対戦した時から思い出に残っています。大船渡は全国的なチームではなかったんですけど、そのなかで飛び抜けていたのが満男さんでした。それからのちに代表で一緒にやらせてもらって、改めて賢い人だなと思いましたね。
両サイドにはモトさん(本山雅志)と西(紀寛)。モトさんは引退を発表してはいないけど、個人的に好きなので入れました。サッカー小僧というか、鋭いドリブルなどテクニックが凄くて、パスセンスもあって、羨ましいくらいの才能を持っている。代表で一緒にプレーした時には、僕のことをいつも見てくれていて、ものすごくやりやすかったのを覚えています。
西は唯一の同い年で、高校の時はライバルチームでやっていました。僕が習志野で、彼が市立船橋で。国体の県選抜で一緒にプレーした時から良い選手だなと思っていました。やっていて気が合うので、同じクラブでやりたかったです。
前2枚がヒデさん(中田英寿)とストイコビッチ。ヒデさんとはもっと長くサッカーをしたかった。プレー面でも精神面でもあらゆる面で、もっと学べることがあったなと。
ストイコビッチとは選手としては対戦する機会はなかったですけど、小さい頃からずっと憧れていたし、選手と監督という間柄で一緒にやらせてもらったので、思い入れは強いです。楽しいんだろうなと思わせてくれる数少ないプレーヤーでした。
本当は2列目にリトバルスキーも入れたかった。小さい時にジェフの試合をよく観ていて、すごく格好良かったんです。ガニ股気味でドリブルする姿が今でも印象に残っています。
1トップに置いたエメルソンは、初めて対戦した時に衝撃を受けました。信じられないくらいのスピードとテクニックがあって、決定力も抜群。「これは敵わないな」と思わされました。
監督は大木(武)さん。ワールドカップを2度戦っている岡田(武史)さんとも迷いましたけど、「攻撃的なサッカー=大木さん」という式が僕の中では思い浮かびました。このメンツをどう扱うのか、興味深いです。勝ち負けはもちろん大事ですけど、それ以上のものをもたらしてくれるんじゃないかな。
取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)
【画像】セルジオ越後、小野伸二、大久保嘉人、中村憲剛ら28名が厳選した「 J歴代ベスト11」を一挙公開!
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歴代と言うと幅が広すぎるので、今回はすでに引退をしていて、僕がクラブチームで一緒にやりたかった選手を選びました。他にも候補に挙がる選手はたくさんいるかもしれないですけど、パッと出てきたのがこの11人です。
GKは(川口)能活さん。日本を代表するGKと言えば、僕の中では能活さんかナラさん(楢崎正剛)ですけど、ナラさんとはグランパスで一緒にやっていたので、今回は能活さんに即決しました。
DFのひとりは中澤(佑二)さん。中澤さんはオールラウンド。高さもあるし、足も速いし、対人も強い。すべてを兼ね備えたDFです。「中澤」で言えば、中澤聡太にしようかも迷いました……あ、これ冗談です(笑)。
もうひとりはフクさん(福西崇史)。MFを選び過ぎたので、フクさんには最終ラインに落ちてきてもらいます。色んなポジションができるのも魅力ですからね。そしてなによりすごく嫌らしい選手でした。今ではなかなか経験できないほどの激しさだったので、強く印象に残っています。
中盤の中央は3人。アンカーに山口モト(素弘)さん、左に名波(浩)さん、右に(小笠原)満男さん。山口モトさんは「ザ・ボランチ」という感じ。僕がプロ入り前からこの人を見ていて学んだのは、首を振ること。とにかく周りを見て、ポジショニングを取っていた。こういう選手が中盤をやるんだなと感じました。
名波さんは相手の急所を突くのが本当に上手い。対戦すると、こっちの嫌なことを簡単にやってくるんですよね。満男さんは高校で対戦した時から思い出に残っています。大船渡は全国的なチームではなかったんですけど、そのなかで飛び抜けていたのが満男さんでした。それからのちに代表で一緒にやらせてもらって、改めて賢い人だなと思いましたね。
両サイドにはモトさん(本山雅志)と西(紀寛)。モトさんは引退を発表してはいないけど、個人的に好きなので入れました。サッカー小僧というか、鋭いドリブルなどテクニックが凄くて、パスセンスもあって、羨ましいくらいの才能を持っている。代表で一緒にプレーした時には、僕のことをいつも見てくれていて、ものすごくやりやすかったのを覚えています。
西は唯一の同い年で、高校の時はライバルチームでやっていました。僕が習志野で、彼が市立船橋で。国体の県選抜で一緒にプレーした時から良い選手だなと思っていました。やっていて気が合うので、同じクラブでやりたかったです。
前2枚がヒデさん(中田英寿)とストイコビッチ。ヒデさんとはもっと長くサッカーをしたかった。プレー面でも精神面でもあらゆる面で、もっと学べることがあったなと。
ストイコビッチとは選手としては対戦する機会はなかったですけど、小さい頃からずっと憧れていたし、選手と監督という間柄で一緒にやらせてもらったので、思い入れは強いです。楽しいんだろうなと思わせてくれる数少ないプレーヤーでした。
本当は2列目にリトバルスキーも入れたかった。小さい時にジェフの試合をよく観ていて、すごく格好良かったんです。ガニ股気味でドリブルする姿が今でも印象に残っています。
1トップに置いたエメルソンは、初めて対戦した時に衝撃を受けました。信じられないくらいのスピードとテクニックがあって、決定力も抜群。「これは敵わないな」と思わされました。
監督は大木(武)さん。ワールドカップを2度戦っている岡田(武史)さんとも迷いましたけど、「攻撃的なサッカー=大木さん」という式が僕の中では思い浮かびました。このメンツをどう扱うのか、興味深いです。勝ち負けはもちろん大事ですけど、それ以上のものをもたらしてくれるんじゃないかな。
取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)
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