1月のダボス会議で環境問題について演説したチャールズ皇太子(画像は『The Royal Family 2020年1月22日付Instagram「Today, The Prince of Wales met world leaders, politicians and environmentalists including Greta Thunberg at The World Economic Forum in Davos.」』のスクリーンショット)

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英チャールズ皇太子(71)が新型コロナ検査で陽性反応が出たことを英時間25日、クラレンスハウスが公表した。23日に検査を受けたチャールズ皇太子に対し、元議員や医師らから批判の声があがっている。

クラレンスハウスの声明によると、チャールズ皇太子は新型コロナ検査を行い、英時間24日に陽性反応を示したという。現在はカミラ夫人とともにスコットランドのバルモラル城で自主隔離中であるが、夫人に新型コロナの症状などは出ていないそうだ。

「ウエールズ公が新型コロナ検査で陽性を示しました。現在症状は軽く、健康状態も良好です。ここ数日間も、通常どおり自宅から仕事をしています。」
「コーンウォール公爵夫人(カミラ夫人、72)も検査を行いましたが、感染はしていません。政府と医療機関の指示に従い、現在夫婦はスコットランドの邸宅で自主隔離をしています。」

チャールズ皇太子はここ数週間で多くの人物と接しているため、ウイルスの感染経路を確認するのは困難とのことだ。皇太子とカミラ夫人は22日にスコットランドに到着したが、週末に軽い症状が見られたため、23日にアバディーンシャー州の国民保健サービス(NHS)で検査を受けていた。

現在のチャールズ皇太子とカミラ夫人は、政府からの指示に従い別々の部屋で過ごしている。皇太子は回復するまでの数週間はこの場所で過ごすことになるが、バルモラル城内では少数のスタッフが働いているという。

チャールズ皇太子は3月12日に母親であるエリザベス女王と対面していることから、女王の健康面も懸念されている。このことについて、バッキンガム宮殿の代表者は次のように語った。

「女王陛下の健康状態は良好です。3月12日の朝、女王はチャールズ皇太子と短時間の対面をしました。その後、健康を維持するための適切なアドバイスに従っています。」

エリザベス女王とフィリップ殿下は、19日からロンドン郊外のウインザー城で自主隔離中である。ウィリアム王子とキャサリン妃は、ノーフォーク州にある別荘アンマー・ホールで暮らしている。バッキンガム宮殿の情報筋によると、チャールズ皇太子はそれぞれ別の場所にいるエリザベス女王やウィリアム王子、ヘンリー王子と連絡を取り合ったそうで、現在の皇太子の健康状態は良好であると伝えている。

なおイギリスでは現在、70歳以上の人達は自宅待機が命じられている。スコットランドのNHS(無料の公的医療機関)のホームページでは「入院を必要とする深刻な症状である場合のみ、検査を行う」と記載されている。そのため自宅待機中であるはずの皇太子がスコットランドに移動したことや軽い症状なのに検査を優先的に受けたことに対して、怒りの声があがっている。

2015年から2017年までスコットランドのイースト・ロージアンで下院議員を務めたジャーナリストのジョージ・キレヴァン氏は、ツイッターでこのように述べた。

「この億万長者の資産家は、ウイルスの蔓延を避けるために自宅待機をするようにという命令に背いて、スコットランドの別荘に行った。それで感染が確認され、他の人をも感染させた。独立してスコットランド共和国になったら、この傲慢な愚か者に税金を払ってもらえ。」

グラスゴーのNHS病院ロイヤル・インファーマリーに勤務するジョー・ティモンズ医師は、新型コロナウイルスの検査を受ける順番について次のように明かしている。

「我々NHSの医師たちは検査を拒否されており、多くの同僚たちが自己隔離している。こうなると、我々が働いて人々を助けることができなくなるのだ。これは、スコットランドNHS独自の治療手順に違反しており、筋が通らない。この男は、本当に必要なスタッフ達が検査を拒否されているときに、優先されるだけの価値があるのだろうか?」

画像は『The Royal Family 2020年1月22日付Instagram「Today, The Prince of Wales met world leaders, politicians and environmentalists including Greta Thunberg at The World Economic Forum in Davos.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)