漁師を「裸エプロン」にする青森県の謎企画が話題 なぜ始めた?県庁に狙いを聞いた
「裸エプロン」の漁師たちが青森県をPRしている――
そんなツイートが注目を集めている。裸エプロン×漁師...なかなか見ない組み合わせだが、これはどういうことなのか。
その漁師たちの姿がこちらだ。
なんでインナー着てないの...(画像は「あおもりの肴」パンフレット)
ムキムキの体にエプロン...のような漁業用カッパを着用した漁師たち。なぜインナーを着ていないのだろうか。露出が多くてセクシーと言えばセクシーなのだが、漁師としてはどうなのか。裸にカッパはシュールすぎる。
こちらの漁師たちが載っているのは、県の水産振興課が企画する、青森の旬の魚や地酒をPRする活動「あおもりの肴」のポスターやパンフレット。最近はトレーディングカードも制作し、SNSで広まりつつある。
ツイッターではこの漁師たちに対し、
「うわーーーお!!!こりゃあいい...」
「青森どうしたのwwwなんでそういう方向に思い切りがいいのさwww」
「いやこれマジで県の企画なのか......」
といった声が寄せられている。
最初は恥ずかしがっていた
なぜ裸エプロンの漁師は生まれてしまったのだろうか。Jタウンネットは2020年2月26日、青森県農林水産部水産局水産振興課の企画担当者に詳しい話を聞いた。
担当者によれば、「あおもりの肴」の企画は2017年4月に始動。5月頃から裸エプロンの漁師の撮影を始めたという。
「あおもりの肴」ポスター(画像は青森県農林水産部水産局水産振興課より提供)
担当者はポスターやパンフレットに裸エプロンの漁師を採用した理由について、次のように話している。
「青森の魚を捕るためには漁師の鍛え上げられた体も重要だ、ということを伝えるためです。また、単純にインパクトのある写真をポスターやパンフレットに使うことで注目を浴び、『あおもりの肴』を知ってもらうきっかけになればと思いました」
ちなみに「裸エプロン」というワードは県が考えたものではなく、あくまで写真を見たユーザー達がそのように表現しているだけだという。
念のため確認してみたが、漁師が日常的にこのような格好をすることはないとのこと。この企画のために、文字通り「一肌脱いで」くれたそうだ。
「やっぱり普段はこんな格好をしないので、最初は『恥ずかしい』という感じはあったんですが、一人脱ぎ始めたら皆さんも面白がって協力してくださいました」(水産振興課担当者)
そして注目すべきはツイッターで少しずつ認知度を上げているトレーディングカード。裸エプロンの漁師は若い女性を中心に評判で、イベントなどでポスターを掲示していると欲しがる女性が多いという。そこで配布用に制作したのがこのカードというわけだ。
トレーディングカード(画像は青森県農林水産部水産局水産振興課より提供)
カードは19年12月から配布。漁師の写真や名前、地域などの詳細が載っている。カードは現在9種類、モデルの漁師は30人ほどいるため徐々に数を増やし、イベントに多くいけばコンプリート出来る形にする予定だ。
担当者に今後の展望を聞くと、
「モデルを増やして、青森の漁師や魚のことを知ってもらいたいです。また作り始めたばかりですが、ARを使ってポスターにスマホをかざすと漁師が飛び出て見えるという、『推し漁師』と一緒に写真が撮れますよ、というのをやっていきます」
とのこと。まるでご当地アイドル...。裸エプロン漁師たちの今後に期待したい。