田中裕子が15年ぶりに主演を務める映画『おらおらでひとりいぐも』の製作が決定した。

若竹千佐子による原作小説を『横道世之介』『モリのいる場所』などで知られる沖田修一監督が映画化。原作に惚れ込み、自身で脚本も執筆した。主人公は、75歳でひとり暮らしをしている“桃子さん”。図書館で借りた本を読みあさるうちに、46億年の歴史に関するノートを作り、万事に問いを立ててその意味を探求するようになる。

「現在」の桃子さん(75歳)を演じるのは、『いつか読書する日』以来15年ぶりの主演作となる田中裕子。蒼井優が「娘の時代」「妻の時代」(20〜34歳)の桃子さんを演じる。田中裕子と蒼井優が初共演にして二人一役を演じる。撮影は2019年11月〜12月、都内近郊にて行われ、現在本編編集中。公開時期は2020年を予定している。

沖田修一監督 コメント

この原作をどうやって映画にするのか、企画をいただいた時、映像化が難しいと思う反面、他にないような不思議な映画になりそうだとも思いました。田中裕子さんとのお仕事は、毎日が刺激的で、緊張もありましたが、桃子さんの、生活の機微のようなものを撮っている時の、あの楽しさを思い返すと、とても素晴らしい時間だったと思います。また、蒼井優さんが、若い桃子さんに丁寧に向かってくださり、監督としては、もう二人の桃子さんを撮りながら、ひたすら感動していたのでした。

田中裕子 コメント

スタッフの皆さま キャストの皆さま、お疲れ様でした。

今回の撮影では、最初図書館に恐竜の図鑑を借りに行って、小学生のコーナーでしたが、その時からなんだかもう小学生のような気分になりました。

撮影の中で、図画工作の時間がありました。

音楽の時間もありました。体育の創作ダンスの時間もあったし、遠足も行ったし。保健かな?湿布の貼り方っていうのもあったような気がします。

遠足ではとてもお天気に恵まれてきれいに澄んだ空気の中、雑木林でどんぐりや松ぼっくり拾ったりしました。あのどんぐりや松ぼっくりも寒い冬をくぐって朽ちてゆくんだと思いますが、雑木林にはまた春がやってくるんですよね。

私も日々朽ちていくのでありますが、この歳になってこの作品に会えて、沖田監督にお会いできて、嬉しいです。監督の撮影中の一喜一憂される姿が目に焼き付いています。私のこれからの日々に監督のあの姿を思い出してニヤニヤできる事が、私にとっての小さな春になりそうです。皆さま、ありがとうございました。

蒼井優 コメント

「田中裕子さん主演、沖田修一監督作品」という、何があっても映画館で観たい作品に、自分も携わらせていただけたこと、心から嬉しく思います。

私は、田中裕子さんが演じられる「現代の桃子さん」の、20代と30代パートで出演し、現代パートでは桃子さんの脳内の声をやらせていただきました。この作品は桃子さんという1人の女性のお話ですが、映画をご覧になられる方、皆さんのお話でもあると思います。桃子さんの今に想いを馳せたり、娘、直美の言動に自分を重ね反省したりしながら撮影を進めていました。1人の人生にスポットをあてた作品でありながら、壮大で奥行きのある、ユーモア溢れた作品になっていると思います。

オファーをいただいた時から、早くこの作品を観たくてたまりません。田中裕子さんとご一緒させていただくことも夢でしたので、世界中に自慢したいくらい幸せです。

若竹千佐子 コメント

『おらおらでひとりいぐも』が映画になるなんて夢のようです。ましてあの田中裕子さんが主役だなんて!!同世代、大好きな女優さんです。桃子さんが大勢の人を介してもう私の手の届かないところに大きく羽ばたこうとしています。作者として何より嬉しいことです。

(C)2020 「おらおらでひとりいぐも」製作委員会

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