タイ代表を率いる西野監督。早くも契約延長のための手続きが進められているという。 (C) Getty Images

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 タイで開催されているU-23アジア選手権で、開催国の代表チームは新たな歴史を作った。

 グループステージを1勝1分1敗の2位で突破したタイ代表は、同国史上初のベスト8に進出。18日には決勝トーナメント1回戦でサウジアラビアと対戦する。

 現地紙『Bangkok Post』は、「サウジを恐れることなかれ」と快進撃を続ける若き代表チームと鼓舞し、国民の大きな期待を背負う存在だと紹介。前日会見で、選手たちにサウジのビデオを見せたことを明かした西野朗監督が次のように語ったと報じている。

「勝利を義務付けられているチームにとって、サウジアラビアは決して簡単な相手ではない。彼らは我々よりもはるかに速いサッカーをしている。選手たちには自分自身に集中するようにと伝えた。そうすれば、我々は自らの強みを最大限に生かすことができる。恐れずにプレーすることが大切だと」

 さらに、前日本代表の指揮官は、選手たちの成長について、このようにコメントしたという。

「チームの雰囲気はポジティブ。決勝トーナメントに進んだことで自信を持ったように見えるし、走り負けないチームになっている。あとはタイのサポーターたちが応援してくれるように祈るのみ。幸い、怪我人はいないし、先発メンバーに悩む時間も与えられている。ぜひ、応援していただきたい」

 同紙によれば、すでに一部のサポーターの間では今回の快進撃は「ニシノ・マジック」「アキラ神のお導き」と熱狂的に支持され、経済効果は100億円超になるのではという見解もあるという。当日は大勢のサポーターがスタジアムに詰めかける見込みで、サウジアラビアにとってはプレッシャーとなることだろう。

 一方、対戦するサウジの監督サード・アルシェリは「警戒すべき相手」と選手たちに警告しているという。

「これまで、タイ代表は非常にうまくプレーしている。さらに、心強いホームのサポーターがいる。これは我々の立場を困難にするのは間違いない。準決勝進出のために、死力を尽くすつもりだ」

 試合は日本時間の18日19時15分にキックオフされる。「西野タイ」がさらなる歴史を刻むのか、注目だ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部