Filmarks内で映画好きから多くの「泣ける」、「号泣」などのレビューが寄せられる、オススメの「泣ける映画」を15本紹介。

ニュー・シネマ・パラダイス』(1989)

シチリア島の小さな映画館パラダイス座。母と姉の三人暮らしの少年トト(サルヴァトーレ・カシオ)は何よりも映画が大好きで、毎日のように映画館へ通い、映写技師の老人アルフレード(フィリップ・ノワレ)と心を通わせていく。映画とともにある日々は彼に様々な青春の思い出を刻んでいく。

イタリア映画界の名匠ジュゼッペ・トルナトーレ監督が描く映画愛に溢れた人間ドラマ。巨匠エンニオ・モリコーネによるテーマ曲の調べにのせて主人公トトの青春の移ろいが情緒的に綴られる。映画監督となったトトが映写室でアルフレードが残したフォルムを観るラストに世界中の映画ファンが涙する。

『レオン完全版』(1994)

イタリア系のレオン・モンタナ(ジャン・レノ)はプロの殺し屋としてニューヨークで孤独に生きていた。ある日、汚職刑事スタンスフィールド(ゲイリー・オールドマン)によって家族が襲撃された少女マチルダ(ナタリー・ポートマン)が隣人のレオンに助けを求めたことから二人の共同生活が始まる。

『グラン・ブルー』(88)などでフランス映画界を代表するリュック・ベッソン監督のハリウッド初監督作品。あらゆる世代にファンが多く、屈指の名作として知られる本作の物語は、インディペンデント映画の巨匠ジョン・カサヴェテス監督によるハードボイルド映画『グロリア』(80)がベースになっている。

『ライフ・イズ・ビューティフル』(1997)

舞台は1939年のイタリア。ユダヤ系イタリア人のグイド(ロベルト・ベニーニ)は小学校教師のドーラ(ニコレッタ・ブラスキ)と結婚し、一子を授かる。三人家族の生活は幸せそのものであったが、やがてイタリアに駐留したナチス・ドイツによって一家は強制収容所に送られてしまうのだった……。

イタリアの名優・ロベルト・ベニーニがロシアの革命家レフ・トロツキーの言葉に感銘を受け、監督した魂のヒューマン・ドラマ。監督自ら、過酷な収容所にあっても愛する息子に人生の素晴らしさを教え続ける直向きなな父親を熱演。第71回アカデミー賞では主演男優賞、作曲賞、外国語映画賞を見事受賞した。

『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』(2001)

春日部で開催されている万博を訪れた野原一家。昔懐かしい展示の数々にひろしやみさえは胸を躍らせるが、子どものしんのすけには面白さが分からない。大人たちの感動はその後も続き、毎日のように万博で遊びほうけるようになってしまう。しかしそれは恐るべき「オトナ帝国化計画」による陰謀に他ならなかった。

臼井畭儀人による人気ギャグマンガ「クレヨンしんちゃん」の劇場版第9弾。本作では21世紀初の劇場版作品としてしんのすけの親世代が20世紀の象徴として対比されている。懐古的世界観が大きな見どころであり、シリーズ中最も大人の観客が楽しめる作品となっている。

『I am Sam アイ・アム・サム』(2001)

知的障碍により7歳と同等の知能しか持たないサム(ショーン・ペン)はコーヒーショップで働きながら娘のルーシー(ダコタ・ファニング)を育てていた。しかし娘の成長とともに養育能力が足りないと判断されたサムはルーシーを取りあげられてしまう。そこで弁護士のリタ(ミシェル・ファイファー)に依頼し、裁判でルーシーを取り戻そうとするのだが……。

『グッドナイト・ムーン』(99)などの脚本家として知られる女性監督ジェシー・ネルソン監督が豪華キャストで贈る感動のヒューマン・ストーリー。ビートルズの名曲とともに知的障碍の父親と誠実な娘との心温まる愛の交流が繊細なタッチで描かれる。

『きっと、うまくいく』(2009)

インドのエリートを育成する超難関理系大学ICEでランチョー(アーミル・カーン)、ファルハーン(R・マーダヴァン)、ラージュー(シャルマン・ジョシ)の三人が珍騒動を起こす。中でも天才肌のランチョーが突如姿をくらまし、軽快な捜索劇が始まる。

監督はインド映画界の重鎮ラージクマール・ヒラーニ。急速な発展を遂げたインドの極端な貧富の差が拡大する熾烈な競争社会を背景に得意なキャラクター性を持つエリートたちがもたらす感動のエンターテインメント作品。全世界で大ヒットを記録し、巨匠スティーヴン・スピルバーグ監督も本作を激賞した。

『トイ・ストーリー3』(2010)

おもちゃの持ち主であるアンディは大学進学を機に、おもちゃを整理することにする。しかし手違いから保育園に寄付されてしまったウッディたちは捨てられたものと勘違い。おもちゃを乱暴に扱う園児たちに耐えかね、脱出を試みるのだが……。

役割を終えたおもちゃたちの運命を正面から描いた本作はシリーズ中最もテーマ性が深い。それでいておなじみのキャラクターたちによるハラハラ・ドキドキな大冒険は顕在。第1作目から編集や共同監督として携わっていたリー・アンクリッチにとって初の単独監督作となった。

『最強のふたり』(2011)

パリの富豪フィリップ(フランソワ・クリュゼ)はパラグライダー事故による頸髄損傷で下半身が麻痺していた。住み込みの介護役として雇われたドリス(オマール・シー)は刑務所から出所したばかりの男。住む世界の違う二人は衝突しながらも互いに友情を深めていくのだった。

本作で描かれる富豪の男性と貧困層の移民青年との交流は実話が元になっている。第24回東京国際映画祭でグランプリを受賞し、話題に。本国でも大ヒットを記録したが、日本では16億円の興行成績をあげ、フランス語映画としては歴代1位となった。

『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016)

ソウル発プサン行きの高速鉄道KTXの車内で、突如謎のパンデミックが発生。疾走し続ける列車内は密室と化し、感染者は凶暴化する。はたして生存者は絶体絶命のサバイバルを乗り切ることが出来るのか。

韓国発サバイバル・ゾンビホラー。ヨン・サンホ監督作品。コン・ユ、マ・ドンソクら韓国の人気俳優が出演。様々なキャラクターの人間性にも注目したい。愛するものを守るため、それぞれのキャラクターが命をかける姿に思わず涙してしまう。

『湯を沸かすほどの熱い愛』(2016)

女でひとつで娘を育ててきた双葉(宮沢りえ)は突然の余命宣告を受け愕然とする。しかし前向きな彼女は4つの絶対にやるべきことを実行すべく、家出中の夫一浩(オダギリジョー)を連れ戻し、休業中だった銭湯を再開させたり、気弱な娘を独り立ちさせようと奮闘する。

自主制作映画『チチを撮りに』(16)で注目を集めた中野量太監督の商業デビュー作となった本作。心温まる物語が日本中を感動させ、第40回日本アカデミー賞では6部門を受賞。包容力のあるヒロインを熱演した宮沢りえは最優秀主演女優賞を、心優しい娘役に体当たりの演技で挑んだ杉咲花も最優秀助演女優賞を見事受賞した。

『この世界の片隅に』(2016)

戦時下の1944年。見知らぬ土地へ嫁にいった18歳のすずの日常が描かれる。幾度も空襲に襲われ、生活は少しずつ変化していく。そうしてやってきた昭和20年の夏……。激動の時代を生きた人々のくらしが描かれた作品。

こうの史代の大人気コミックを片渕須直監督が緻密な映像表現でアニメ映画化。人気女優のんが主人公の声を担当。第40回日本アカデミー賞では最優秀アニメーション作品賞受賞した。

『僕のワンダフルライフ』(2017)

真夏の車内に閉じ込められていた子犬を助けた8歳の少年イーサン。ベイリーと名付けられた子犬は片時もイーサンから離れない。固い絆で結ばれた一人と一匹だったが、犬の寿命は人間より短い。旅立ってからもイーサンに会いたい一心でベイリーは何度も生まれ変わりを繰り返す。なかなかイーサンに遭遇できなかったが、3度目の生まれ変わりでようやく再会を果たせたベイリーは、自分に与えられた「重要な使命」に気づく。

監督は、『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』(85)や『ギルバート・グレイプ』(93)など少年映画に定評のあるスウェーデンのラッセ・ハルストレム。主人公イーサンの成長物語の中で人間と犬との深い絆が温かな目線で描かれる。

『gifted/ギフテッド』(2017)

フロリダの小さな町でボートの修理をして生計を立てているフランク(クリス・エヴァンス)は、自殺した天才数学者の姉の一人娘メアリー(マッケンナ・グレイス)と暮らしている。彼女もまた驚異的な数学の才能(ギフテッド)の持ち主であったが、フランクは姉との約束でごく普通の娘として育てていた。

『(500)日のサマー』(09)や『アメイジング・スパイダーマン』(12)のマーク・ウェブ監督による感動ハートフル・ドラマ。キャプテンアメリカ役で大人気のクリス・エヴァンスが演じる独身男と天才子役っぷりを発揮したマッケナ・グレイスのやり取りが心にしみる。

『リメンバー・ミー』(2017)

ミュージシャンを目指す天才ギター少年ミゲル。しかし彼の一族の間では音楽を奏でることを禁じられていた。そんなある日、尊敬する伝説的ミュージシャン、デラクルスの霊廟にあったギターを手にしたことから美しい死者の国へ迷い込んでしまう……。

監督は『トイ・ストーリー3』(10)のリー・アンクリッチ。メキシコ伝統の「死者の日」を題材に、子どもにも分かり易く死生観を幻想的なアニメーション世界で表現している。

『ワンダー 君は太陽』(2017)

オーガスト・プルマン(ジェイコブ・トレンブレイ)は生まれつき顔が変形し、幼い頃から苦労が多かった。それまでは母親のイザベル(ジュリア・ロバーツ)と自宅学習をしていたが、小学5年生になって学校に通い始める。見た目が違ううことでクラスメイトから酷いいじめを受けるが、彼の勇気ある行動が次第に学校全体を変えていくことになるのだった。

全世界で800万部以上のベストセラーとなったアメリカの作家R・J・パラシオの小説を原作に、『ウォールフラワー』(13)のスティーブン・チョボウスキー監督が映画化。主人公オギーを演じるのは『ルーム』(15)で大きな話題となったジェイコブ・トレンブレイ。差別や偏見に屈しない少年の逞しい生き様を熱演し、世界中に感動を与えた。

『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)

1985年7月、大観衆を前に息を整えるフレディ・マーキュリー(ラミ・マレック)。そこから時は1970年まで遡る。後に婚約者となる女性や、バンドメンバーたちとの運命的な出逢い。こうして結成されたクイーンの歩みはしかるべくして始まる。

昨年、全世界にクイーン旋風を巻き起こした大ヒットミュージカル映画。伝説的ボーカリスト、フレディ・マーキュリーの栄光と挫折。偉大なロックスターの孤独や悲しみを際立たせる、以後スターダムを上り詰めていくフレディにとっての決別と覚悟の雨の描写が胸を熱くさせる。

【文・チャーリー】

※本記事で紹介する映画は国内最大級の映画レビューサービス「Filmarks(フィルマークス)」のデータに基づいてセレクトしたものです。