ウディ・アレン監督、米Amazonと和解。契約打切りめぐる契約金支払い訴訟
映画監督ウディ・アレンが、米Amazonに対して起こしていた契約金未払いに関する訴訟に和解しました。Amazonと共同で発表された内容からは和解金などの取引があったかは不明ですが、 #MeToo 運動から浮上したアレン監督の性的虐待問題からAmazonがアレン監督との契約を一方的に解消したことが訴訟の原因であることを考えると、今後Amazonでアレン監督が作品を作ることはないかもしれません。#MeToo 運動は、2017年に映画プロデューサーのハーベイ・ワインスタインが、業界内で長年セクシャルハラスメントを続けてきたことが報道されたのをきっかけとして、女優でもあるアリッサ・ミラノがハッシュタグ#MeTooを掲げてSNSなどで声を上げるよう呼びかけて起こったムーブメント。

そして、そのなかのひとつとして話題になったのが、ウディ・アレン監督が自身の養女であるディラン・ファローに対する性的虐待の問題でした。この問題は当時すでに裁判でも無罪判決が出て解決済みとされていたものの#MeToo運動によって再燃し、Amazonは2018年制作の『A Rainy Day in New York』の劇場配給を諦め、さらに3作品を制作するはずだったアレンとの契約を打ち切る対応をとりました。これを受けてアレン監督はAmazonに対して契約の最低保証金として6800万ドルの支払いを求めましたが、Amazonは損害が発生したとしてこれに応じず、裁判に突入していました。

Amazonの主張としては、多くのスターたちがアレン監督と仕事をしたことに対して後悔を述べるなど、監督がとった行動から連鎖的に起こった結果から、残る作品契約から恩恵が得られないと判断したとされます。Amazonは今回の和解でアレン監督と縁を切り、今後ともに作品を作ることはなさそうです。

なお、アレン監督の会社Gravier Productionsは『A Rainy Day in New York』の国際配信権を獲得し、米国以外で1150万ドル(約12億5000万円)をこれまでに売り上げているとのこと。