この時期、野良の母猫が子猫を従えて歩いていたり、家と家の隙間で子育てしていたりという姿を見かける時期。そして、避妊手術を受けさせないまま飼っている猫が子どもを生んで、子猫が捨てられるという悲しいこともある時期……。捨てられていたと思しき子猫を助けたら、いいことが起こったという話題にほっこりとなっている人多数な模様です。

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 「先週の日曜日にコンビニ行こうとしたら子猫が3匹捨てられててカラスに襲われてました。周りに親猫もおらずカラス追っ払った俺を見た瞬間3匹が縦1列で付いてきて迷った末に全部保護しました。そんな俺にも猫の恩返しが来ました!!!」と、写真とともにツイッターに投稿したのは、看護師しまじろうさん。

 その3枚の写真には、縦1列になってしまじろうさんの後を付いてきている写真、家の中に設置されたケージの中で、3匹保護された様子、そして、「おゴリまっせ 1本あたり」のアイスの棒。この時系列的な3枚の写真を見た人たちからは、「その優しさにありがとうを言いたい」といったツイートが数多く寄せられています。

 さらに、似たようなことがあったという人も。母猫とはぐれてしまった子猫たちをカラスが襲っていたのでカラスを追い払い、母猫の元へ送り届けた後、コンビニの商品などが当たったというエピソードも。ささやかでも助けてくれたことに対する感謝の気持ちが当たりに繋がったのかどうなのかまでは分かりませんが……。

 その後に続けたしまじろうさんのツイートの中には、子猫たちがミーミー言いながら必死で付いていこうとする動画も。健気な姿にうっかり涙腺が緩んでしまいそうになります。

 さて、保護はしたものの、しまじろうさんの家には既に2匹の保護猫たちが暮らしていました。2匹ともオスであるその猫たちのこともあって、慌ててケージを用意したものの、まだ手のひらに乗れるほどの小ささ。ケージの隙間から子猫たちが脱出できてしまう、なんてことも。

 獣医さんの診察を受けさせところ、目も開いていてミルクから離乳食に移行できる、ということで、今はふやかしたドライフードを食べさせつつ離乳完了へ向けているということ。筆者も手のひらサイズの子猫を保護してうちの子にしましたが、その時は生後1.5〜2か月と言われ、子猫用フードもOKが出たところだったので、しまじろうさんが保護した子たちも、おそらく生後2か月前後かもしれませんね。

 しまじろうさんが保護した子たちは、今後、大の猫好きが知人に数名いるということで里子に出る可能性も高そうですが、生後半年のワクチンとその後の避妊手術の必要経費はしまじろうさんが持つ予定だそう。さすがにいきなり3匹増えるとお世話が一気に大変にもなりますので、どの子が残るのか、あるいは3匹とも里子になるかは、先住猫次第といったところ。

 避妊手術を受けていない母猫は、年に2〜3回出産をする可能性もあります。そのため、昔は野良猫も今よりも多く、捨て猫も絶えない状況でした。しかし、猫の去勢・避妊手術が猫自身にとっても良いことが知られてきたおかげで、地域によって差が大きいものの、少しずつ野良猫は減りつつあります。

 去勢・避妊手術はメス猫にとっては子宮の重大な病気をあらかじめ予防できる、オス猫であればスプレー行為を覚える前に去勢することで家中にオシッコをかけられずに済む、というメリットも。

 野良猫に対しても、地域猫という概念が広まり始め、自治体が去勢・避妊手術の補助金を出したり、有志のボランティア団体などが、新しく家の無い子どもたちを増やさないための取り組みをしています。

 保護された子猫たちが、どこかの家で生まれて捨てられたのか、母猫とはぐれてそのままになってしまったのかまでは分かりませんが、カラスや大型鳥類に捕食されるなどもあります。山の中など自然な状態の中であれば、生態系のひとつと言うこともできるでしょうけど、人の無知やエゴで家の無い子を増やしてしまうのは、生態系ではなく、不幸を生み出すだけ。

 しまじろうさんのような心ある人たちが、きちんとした知識を持って子猫を保護して世話することが、不幸な命として殺処分とならないようにするためにどれだけ重要な事であるか、多くの人に考えてもらいたい……同じく自宅のその辺で猫を拾って育てている筆者は思います。

<記事化協力>
看護師しまじろうさん(@BlackBox514)

<参考・引用>
環境省パンフレット「不妊去勢」

(梓川みいな)