カメラの付加価値とは何か、追求を続けるニコンの現在地
―Zマウントシステムの反響は。
「Zマウントを採用した『Z6』はキャッシュバックの効果もあり人気。『同7』は17年に発表した一眼レフの人気機種で同価格帯の『D850』と比較されることが多く、ユーザーの期待に応えきれていない。反省点を新製品開発に生かして機能の追求を続けたい」
「開発スピードを上げていく。プラットフォーム(基盤)化も、新製品を出すリードタイムの短縮に向けた取り組みだ。ラインアップはユーザーの要望も踏まえながら(性能や価格面でZ6、同7の)上下に広げる。交換レンズもそろえなければならない」
―ニコンが提供できる付加価値とは何ですか。
「例えば、18年に発売した焦点距離500ミリメートルの一眼レフ用レンズは、重量や長さの大幅な削減が人気につながった。小型化・軽量化はこれからのトレンド。他社にはない、特徴的な小型の望遠レンズは今後も重要だろう」
―今後の開発体制について。
「19年度はZマウントシステムの完成を急ぐため、設備や研究・開発への投資額はこれまでと同規模を保つ。交換レンズの種類の充実や、将来を見据えた仕込みも欠かせない。センサーやエンジンなどは今日、明日の話で用意できるものではない。中期経営計画は3年後、ロードマップは5年後を想定していることが多いが、さらにその先を見据えて動いている」
―販売戦略のポイントを教えて下さい。
「価格対応のスピード不足が課題だったが、要望に応じて柔軟に対応できるように見直した。また、メーカー視点から顧客の体験価値の重視へと方針を切り替えている。中国・アジアを中心に、いい静止画・映像が撮れる“成功体験”を共有できる仕掛け作りも重要だ」
―仕掛け作りで気をつけていることは。
「少しでも写真に親しんでもらえるように、イベントの開催場所を工夫したり会員制交流サイト(SNS)などを活用したりしている。性能を語るばかりではカメラの魅力は伝わらない。最近の取り組みでは、ウェブマガジンの『NICO STOP(ニコストップ)』やプロ野球チームと組んだ撮影イベントが若者や女性に好評だ。イベントには開発者や設計者も出席させて、製品開発へ反映できるように励んでいる」
