荒れ果てていたサーキットで遂に開催された本格的なイベントとは?
![Photography:Tomonari SAKURAI](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/6/7/670cf_1692_8bd138e3_325c7e9d-m.jpg)
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ドライバーズサロンにはかつてのドライバーが壁に残したいたずら書きなどもあり、フランスのレースの歴史において貴重な場所である。2000年を過ぎたあたりからここを守ろうという動きが活発化。世のヴィンテージカーブームもあり、現在では修復工事もかなり進み、当時の姿を蘇らせはじめたのだ。週末にもなるとこのピット前にはイベントでも、ましてやレースでもないのに車好きが各地から集まってくる。
遂に、というかようやくこのサーキットを舞台にした本格的なイベントが開催された。Premier Reims-Gueux « Légende »(最初のランス-グーの伝説)がここの修復の指揮を取るACG(le Amis du Circuit de Gueux)の主催だ。
伝説という名を付けたイベントの第一回を飾るメインイベントは1961年のフランスGPでF1パイロットとして唯一のデビューウィンを果たすという、これまたレジェンドなストーリーとなったフェラーリ156の2台がこのランスのサーキットを再び走ることだ。
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このマシンは1961年モデル。1961年にはアメリカ人ドライバーフィル・ヒルと、このランスでデビューウィンを飾ったジャンカルロ・バゲッティが走った。ポールポジションのフィル・ヒルが乗っていたゼッケン16ともう一台は20。
さすがに昔のように8kmに渡るコースを再現できず、ピットとグランドスタンドのある県道27号を一部閉鎖した直線のみをデモ走行。1961年レギュレーション変更で1500ccとなりディーノV6を積むシャークノーズの2台がランデブー走行を始めると会場は静まり、そのV6サウンドがコースにこだまし、やがてブドウ畑に広がっていった。
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このマシンを持ち込んだのはSetford &Companyと言う英国のレストアをメインに行っているショップだ。「今日はグッドウッドじゃないの?」と冗談で訊いてみたところ「この車をランスで走らせる方がよっぽど興味深いよ」そう答えてくれた。
次回はこのサーキットでのフランス車の伝説をお見せしよう。