トップ奪還を目指す日産ノートはお買い得になる可能性大!

 自販連(日本自動車販売業界連合会)と全軽自協(全国軽自動車協会連合会)から、2019年6月単月の販売台数統計が発表された。6月の統計数値が発表されたので、同時に2019暦年締め上半期(2019年1月〜6月)の販売台数も同時に発表されている。

 上半期締めの販売台数を見ると、軽自動車に関してはホンダN-BOXが圧倒的に強く、登録車も含めた全乗用車でのランキングでもトップ。ここまではここ最近のお決まりの結果で、無風ともいえるのだが、登録車だけで上半期ランキングを見ると、かなり興味深い結果となっていた。

 まずは登録車で2019暦年締め上半期販売台数ナンバー1は、トヨタ・プリウスとなった。ここのところ日産ノートが単月や半期、年間締めなどではトップを維持してきたのだが、そのノートがトップから陥落し、プリウスが2017事業年度締め年間販売台数以来でトップに返り咲いた。しかし2位ノートとの販売台数差は上半期ベースで1734台、6月単月ではわずか18台(6月単月もプリウスがトップ)と、まさにデッドヒートが展開されていることを統計数字から把握することができる。

 販売ランキングについては、トヨタより日産やホンダがより強く意識する傾向が高い。国内の新車販売市場では、トヨタが圧倒的なセールスパワーを持っており、トヨタ以外のメーカーでは、“日本一売れています”や、“登録車販売ナンバー1”などという“肩書”が販売促進活動には特効薬のようなものになると考えている。クルマ離れだけでなく、クルマ自体への興味が薄れるなかでの新車販売では、性能の良さなどのアピールより、“このクルマは日本で一番売れています”といったトークのほうがはるかに有効なのである。

 そんな大切な肩書を失ったノートは、次のタイトルである2019事業年度締め上半期(2019年4月〜9月)販売台数トップ奪取を狙ってくるのは必至。すでに定点観測している日産系ディーラーには、自社登録用と思われる多数の白いノートの未登録新車がストックヤードに置いてあった。これから9月まではノートは乱売必至となりそうで、かなりお買い得な1台となりそうだ。

C-HRからRAV4に客が流れてヴェゼルがSUVの1-6月トップに

 カテゴリー別で見ると、SUV販売台数ナンバー1の座を、ホンダ・ヴェゼルがトヨタC-HRから奪っている。直近の2018事業年度締め年間販売台数(2018年4月〜2019年3月)では、C-HRが約1.2万台の差をつけてSUV販売トップとなっているので、わずか1224台差とはいえ2019暦年締め上半期ナンバー1になったのは、ヴェゼルが猛追したかのようにも見えるが、それよりもトヨタRAV4の存在が大きいといえよう。

 RAV4は4月10日、22年ぶりに日本国内で新型がデビューし復活している。発売1カ月後には約2.4万台のバックオーダーを抱えるなど、ヒットモデルとなっている。2019年事業年度に入ってからは、月販平均約6000台で推移。2019年4月〜6月の累計販売台数では、ヴェゼルに2507台の差をつけている。月販平均で約835台もすでに差がついており、2019事業年度締め上半期販売台数ではRAV4がSUV販売台数トップになる可能性が非常に高まっている。つまり、C-HRから同じトヨタであるRAV4へお客が流れてしまった結果、C-HRの販売台数に勢いがなくなってきたといえるのだ。

 前述したプリウスとRAV4の弱点はバックオーダーを抱えていること。プリウスの納期目処は受注してから2〜3カ月程度、RAV4はガソリンが2カ月程度、ハイブリッドが3〜4カ月程度となっているので、販売店在庫などがないため自社登録での販売台数の上積みというのがほとんど期待できない。

 プリウスからのトップ奪取を狙うノートは、とくにガソリン車では在庫状況に余裕があるとされており、自社登録での販売台数上積みを積極的に展開してくるだろうから、プリウスが事業年度締め上半期でもトップを維持するかはかなり微妙ともいえるだろう。

 一方でRAV4がSUV販売台数トップになる可能性は、すでにヴェゼルに約2500台も差をつけておりかなり高まっているといえよう。8月はディーラーもお盆の時期に長期休暇に入る。夏休みムードが蔓延するなか、稼働日数も少なくなるので、このようなときにはバックオーダーを抱えるモデルのほうが有利となる。

 自販連統計は当該月の登録台数でカウントされる。長期休暇が月の中盤になるお盆の時期にもなるので、もともと少ない新規受注車を受注月内に登録するのはかなり厳しい。そのためこのような時期にはRAV4のようにバックオーダーを多く抱えるクルマ(業界では受注残車両などと呼ぶ)は、その受注残台数のことを“貯金”などとも呼ぶという。各セールスマンやディーラーでは、受注残車両の存在がノルマ達成のカギを握ってくる(受注残車両を何台登録させることができるか)ので、8月はヴェゼルよりRAV4が優位に立っているともいえる。

 そして、ヴェゼルほどの高額車両では闇雲に自社登録し、その後登録済み未使用中古車として流通させるのも、コスト面などを考えるとなかなかできないので、その点でもRAV4が有利といえるのである。軽自動車に関してはN-BOXの常勝はほぼ規定路線となるので、今後9月までの新車販売では登録車の動きに注目することをおすすめしたい。