レアル・マドリードの日本代表MF久保建英【写真:Getty Images】

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ICCバイエルン戦で上々のデビューを飾ったなか、ジダン監督は久保とロドリゴを“温存”

 今夏にスペインの名門レアル・マドリードに移籍した日本代表MF久保建英は、現地時間20日(日本時間21日)のインターナショナル・チャンピオンズカップ(ICC)初戦バイエルン戦(1-3)で“白い巨人”デビューを果たした。

 期待が高まるなか、23日の同アーセナル戦(2-2/3PK2)はベンチスタートで最後まで出番がなかったが、スペインメディアはジネディーヌ・ジダン監督が久保とブラジル人FWロドリゴ・ゴエスを起用しなかった理由について言及している。

 今夏、FC東京からレアルへの移籍が決まった久保は、フベニールA(U-19)で選手登録されたが、Bチーム(カスティージャ/3部)が主戦場となる見込みで、トップチームでのプレーも期待されている。

 プレシーズンではトップチームの北米ツアーに帯同。20日のICC初戦バイエルン戦で後半頭からピッチに投入され、「背番号26」を背負った18歳の日本人アタッカーは“白い巨人”デビューを果たした。堂々たる45分間のプレーを見せたが、23日のアーセナル戦はベンチスタートのまま、最後まで出場機会が訪れなかった。。

 レアルを専門に追うメディア「Defensa Central」は、「ジダンがロドリゴと久保をプレーさせなかった理由」と題し、バイエルン戦でチーム唯一のゴールを決めたロドリゴと久保の“18歳コンビ”を起用しなかった背景を分析している。

 記事では、「プレシーズン初戦で良いプレーをしていた久保とロドリゴをアーセナル戦のピッチ上で見られないのは驚きだった」と触れ、出番なしに終わったことは“予想外”だったとした。一方で、この決定にはジダン監督のスタンスが大きく影響しているという。

ジダンが監督として際立っているのは慎重さだ。バイエルン戦後、2人の若者にメディアの目が向けられ、彼は2人を温存することを選んだ。最近の久保とロドリゴに対する称賛は、ジダンが“冷凍庫”で冷やしておく(静観する)ように命じた反動と言えるだろう。ジダンは今日の賛美が明日は棒となることを知っているから、若きテクニシャンを守ったのだ」

バスケスやイスコ、ヨビッチらよりレギュラーに近い選手の“見極め”を優先

 過熱する報道から久保とロドリゴをケアすると同時に、ジダン監督は来たる新シーズンに向けてレギュラークラスを見極める狙いもあったようだ。「Defensa Central」は、「ジダンはルーカス・バスケスやイスコ、(ルカ・)ヨビッチのような選手を確認する必要性も知っていた。少なくとも現時点で、彼らが久保とロドリゴよりも“レギュラー”に近い」との見解を示している。

 もっとも、“温存”は26日(日本時間27日)のICCアトレチコ・マドリード戦で続くことはなさそうだ。アーセナル戦でスペイン代表MFマルコ・アセンシオが負傷退場し、左膝前十字靭帯及び外側半月板損傷で長期離脱が決まったためだ。

「もちろん、アトレチコ戦で資質を示すために2人は戦線に戻るだろう。アセンシオの怪我でチャンスは広がった。2人はジダンに偉大な瞬間と見せようと試みるだろう」

 ジダン監督の手厚いサポートを受けながら、久保とロドリゴはトップチームで貴重な時間を過ごしている。(Football ZONE web編集部)