タレント軍団ゆえの苦悩…ヴィッセル神戸が抱える”欠陥”とは
[J1リーグ8節]浦和1-0神戸/4月20日/埼玉スタジアム2002
元ドイツ代表のルーカス・ポドルスキに加え、いずれも元スペイン代表のアンドレス・イニエスタとダビド・ビジャを獲得。さらには日本代表の山口蛍や西大伍といった国内屈指の人材を手に入れた。三木谷浩史オーナーの豊富な資金力を後ろ盾に、近年センセーショナルな補強で急激に力をつけているヴィッセル神戸だが、ここに来て様々な問題が噴出している。
4月17日、昨年10月から指揮を執ってきたフアン・マヌエル・リージョ監督の辞任を発表。昨季途中まで指揮していた吉田孝行氏が、再び指揮官を務めることになった。
辞任はリージョ監督自身の意向だというが、その理由は明らかになっていない。一部では、選手起用を巡る、監督とオーナーなどフロントの意見の食い違いが発端だとも言われている。
現場介入があったか定かではないが、セルジ・サンペールの起用で守備のバランスが崩れたのは確かだろう。三木谷オーナーの肝入りで獲得したこのスペイン人がスタメンに定着したことで、韓国代表GKのキム・スンギュが外国籍枠の関係で弾かれ、豊富な運動量で中盤を支えていた三田啓貴もベンチスタートが増えた。“人材の持ち腐れ”が続き、5節のG大阪戦から7節の広島戦ま3試合で9失点を喫しているのだ。
監督交代の数時間後には、ルーカス・ポドルスキが自身のSNSで「キャプテンの座から降りることになりました」と表明した。それは、どこか一体感のないチーム状況を嘆いてのものだった。8節の浦和戦後に、主将退任の真相を語っている。
「この監督交代のタイミングだけでなく、3、4週間前くらいから、チームの状況がバタバタして落ち着かないような状態だった。自分に限らずチーム全体の居心地が良さそうではなかった。その頃から少し考えていたのですが、今回監督が代わったタイミングでちゃんと話をした。しかし自分に対しての信頼がはっきりと見えなかったし、それだとチームのためにも良くないと思った。逆に言うとチームが良くなるためにキャプテンマークを返したんです」
まさに、ポドルスキが覚えた連帯感の欠如こそが、チームが抱える大きな課題だろう。
特に顕著だったのが7節の広島戦だった。前半を2−1で折り返し勝利の機運が高まっていたものの、65分からわずか8分間で3点を奪われて逆転負け。とりわけ目についたのが緩慢なマークだった。DF間での受け渡しが曖昧で、度々相手FWをポッカリとフリーにした。クロスから渡大生にボレーシュート2発を食らったのは必然だっただろう。
山口が広島戦後に語っていたコメントが、チームの惨状を表わしている。
「7試合を終えて、チームで守れている感覚は今のところはない。仲間を助ける意識をもう少し持ってやらないといけない。任せきりなところがすごく多いので、そこを、ここから先見つめ直していかないと、どの試合も失点を重ねるだけだと思う」
毎年のように次々と選手を入れ替えてしまえば、チームワークを構築するのも困難ではある。特に外国人選手が多いチームであれば、なおさらだ。ただし、山口は決してコミュニケーションが問題ではないという。
「最悪コミュニケーションがなくても、味方を助ける気持ちがあれば、自然とカバーにいくと思う。ひとりで守ることはできないのだから、その意識を高めていかないと。“自分だけでも”になってしまうと、やはり失点した時に人のせいにしてしまう。失点した時は必ず全員がかかわっているわけで、それをもう少しみんな頭に入れてやらないといけない」
組織的に守れていないのは、チーム戦術うんぬんではなく、そもそもチームメイトをサポートする意識が希薄だからなのだ。山口だけではなく、他の選手のコメントからも、それは分かる。
元ドイツ代表のルーカス・ポドルスキに加え、いずれも元スペイン代表のアンドレス・イニエスタとダビド・ビジャを獲得。さらには日本代表の山口蛍や西大伍といった国内屈指の人材を手に入れた。三木谷浩史オーナーの豊富な資金力を後ろ盾に、近年センセーショナルな補強で急激に力をつけているヴィッセル神戸だが、ここに来て様々な問題が噴出している。
4月17日、昨年10月から指揮を執ってきたフアン・マヌエル・リージョ監督の辞任を発表。昨季途中まで指揮していた吉田孝行氏が、再び指揮官を務めることになった。
現場介入があったか定かではないが、セルジ・サンペールの起用で守備のバランスが崩れたのは確かだろう。三木谷オーナーの肝入りで獲得したこのスペイン人がスタメンに定着したことで、韓国代表GKのキム・スンギュが外国籍枠の関係で弾かれ、豊富な運動量で中盤を支えていた三田啓貴もベンチスタートが増えた。“人材の持ち腐れ”が続き、5節のG大阪戦から7節の広島戦ま3試合で9失点を喫しているのだ。
監督交代の数時間後には、ルーカス・ポドルスキが自身のSNSで「キャプテンの座から降りることになりました」と表明した。それは、どこか一体感のないチーム状況を嘆いてのものだった。8節の浦和戦後に、主将退任の真相を語っている。
「この監督交代のタイミングだけでなく、3、4週間前くらいから、チームの状況がバタバタして落ち着かないような状態だった。自分に限らずチーム全体の居心地が良さそうではなかった。その頃から少し考えていたのですが、今回監督が代わったタイミングでちゃんと話をした。しかし自分に対しての信頼がはっきりと見えなかったし、それだとチームのためにも良くないと思った。逆に言うとチームが良くなるためにキャプテンマークを返したんです」
まさに、ポドルスキが覚えた連帯感の欠如こそが、チームが抱える大きな課題だろう。
特に顕著だったのが7節の広島戦だった。前半を2−1で折り返し勝利の機運が高まっていたものの、65分からわずか8分間で3点を奪われて逆転負け。とりわけ目についたのが緩慢なマークだった。DF間での受け渡しが曖昧で、度々相手FWをポッカリとフリーにした。クロスから渡大生にボレーシュート2発を食らったのは必然だっただろう。
山口が広島戦後に語っていたコメントが、チームの惨状を表わしている。
「7試合を終えて、チームで守れている感覚は今のところはない。仲間を助ける意識をもう少し持ってやらないといけない。任せきりなところがすごく多いので、そこを、ここから先見つめ直していかないと、どの試合も失点を重ねるだけだと思う」
毎年のように次々と選手を入れ替えてしまえば、チームワークを構築するのも困難ではある。特に外国人選手が多いチームであれば、なおさらだ。ただし、山口は決してコミュニケーションが問題ではないという。
「最悪コミュニケーションがなくても、味方を助ける気持ちがあれば、自然とカバーにいくと思う。ひとりで守ることはできないのだから、その意識を高めていかないと。“自分だけでも”になってしまうと、やはり失点した時に人のせいにしてしまう。失点した時は必ず全員がかかわっているわけで、それをもう少しみんな頭に入れてやらないといけない」
組織的に守れていないのは、チーム戦術うんぬんではなく、そもそもチームメイトをサポートする意識が希薄だからなのだ。山口だけではなく、他の選手のコメントからも、それは分かる。