海外旅行保険の準備は済んでいますか?(写真:Graphs/PIXTA)

今年のゴールデンウィークは超大型なので、すでに旅行プランは万全という人も多いのではないでしょうか。海外に行く人は、海外旅行保険の準備もお済みでしょうか。

クレジットカード保険を使うつもり」「これから検討」という人はぜひご一読を。今どきの海外旅行保険の上手な入り方をお伝えします。

「クレカ付帯保険」でしておきたい準備3点

旅行先で「もしも」のことがあったとき、怖いのは海外旅行保険に入り忘れていた時ですね。それだけでなく、海外旅行保険に入っていたものの「対象外」と言われてゾッとしたという人も少なくないと思います。

例えば、海外旅行保険が付いているクレジットカードを複数枚用意して旅立ったAさんは、預け入れた手荷物をこじ開けられ鍵が壊れていることに気がつきました。早速、保険デスクに連絡したところ、クレジットカードに付いている海外旅行保険(以下、クレカ付帯保険)では対応してくれるところとしてくれないところがあったといいます。

クレカ付帯保険はあくまでサービスで付いているものなので、補償の内容はピンキリです。年会費が高いゴールドカードなら充実していて無料カードは手薄いという一般的な傾向はあるものの、カードそれぞれに差があり、一概にはいえない状況です。

クレカ付帯保険のみで旅立つなら、前もってしておきたいことが3つあります。1点目は、カードの利用限度額を上げておくことです。クレカ付帯保険の場合、契約確認などに思いのほか時間がかかります。事故対応の遅れが生じたり、病院・通訳の手配まで自分で対処したり、治療費もいったん立て替えてから後日に保険金請求しなければならなくなることもありえます。

そして2点目は、自動付帯か否か(利用付帯)を確認しておくことです。クレカ付帯保険は大きく分けると、持って行くだけで補償が発動する自動付帯と、海外旅行に関連した支払いをそのカードでしなければ発動しない利用付帯があります。クレジットカードを持って行ったものの、利用付帯だったために補償されなかったということはありがちです。

続いて、3点目は、補償内容の一覧表を作ることです。どのカードでどの補償がいくら付いているかまとめておけば、いざというときの連絡もスムーズです。まさかの補償対象外を防ぐうえでも、自動付帯・利用付帯のいずれか、連絡先はどこかも含め、折をみて作成しておくと安心です。下表に、クレカ付帯保険の一覧表を作る際に書き出したい項目をまとめましたので、参考にしてみてください。


ネット契約の海外旅行保険の活用も

クレカ付帯保険の補償内容の一覧表を作ってみて、不安に感じたら、ネットで契約できる海外旅行保険の検討がおすすめです。

海外旅行保険といえば、これまでは、いろいろな補償があらかじめ組み合わされたプランの中から選ぶイメージがありましたが、最近では、クレカ付帯保険の不足分だけを上乗せできるオーダーメイド型のもの(クレカ上乗せプラン)がネットで契約するプランで登場しています。

もちろん、紙ベースで契約する海外旅行保険でも悪くはないのですが、ネットでの契約なので通常よりも割安で、クレカ上乗せプランなどがあって合理的に補償を得られる上に、出発日当日でも契約可能なものもあり、3拍子揃っています。その上、ネットで契約した際の情報を登録しておけるので、次に利用するときの入力が簡単です。

クレカ付帯保険では付いていないこともあるキャッシュレスサービス(海外でかかった治療費を保険会社が保険金として直接支払うサービス)や日本語通訳サービスなどが、標準装備な点も安心感があります。

「1日500円で保険に入って行ったら、飛行機がキャンセルになり違うフライトに振り替えることになった際の追加費用などを補償してもらえました」というBさんは、クレカ上乗せ保険から補償を受けました。こうした目立たない補償は、クレカ付帯保険ではさりげなくカットされていることもあります。

外務省も保険加入を推奨

今回の旅では一覧表を作る時間がなかった、という人は、何か1本、必ず海外旅行保険に入っておくことをおすすめします。外務省でも海外旅行保険に加入しておくことを推奨しています。

例えば、昨年(2018年)、ハワイの観光地のトイレに入った夫婦が暴漢に襲われた事件があったことは記憶に新しいところですね。殴打された顔面などの治療費500万円の支払いに保険未加入だったため苦慮したようです。こうしたケースでも、海外旅行保険に入っていれば治療費や帰国費用の心配も、金銭面ではカバーできます。

なお、海外で日本人が危険に遭ったという情報や治安情報などは、外務省の「海外安全ホームページ」にも掲載されていますので、海外に旅立つ前にはぜひご確認を。同じく外務省の海外安全情報配信サービス「たびレジ」の登録もおすすめです。

海外は、日本とは環境も治安も違います。慣れない気候でなじみのない食事にあたって体調を崩すこともあり、事故に巻き込まれることもありえます。何かあってから後悔しても遅いのです。大丈夫だろう、なんとかなるだろう、と考えず、転ばぬ先の杖としてまずは海外旅行保険の手当てから始めてみてください。