作家・伊坂幸太郎の“初”にして“唯一”の恋愛小説集を三浦春馬主演で映画化した『アイネクライネナハトムジーク』。この度、主題歌『小さな夜』、さらに劇中音楽を斉藤和義が担当することが明らかになった。

斉藤和義

原作「アイネクライネナハトムジーク」は、「アイネクライネ」に始まり「ナハトムジーク」で終わる6章の短編からなる連作小説集で、2014年に単行本が発売、2017年には文庫化、現在に至るまでに51万部(電子書籍を除く)を売り上げるベストセラーとなっているが、実はこの本が生まれるきっかけとなったのは、原作者・伊坂幸太郎とアーティスト・斉藤和義の絆だった。

元々、伊坂が会社勤めをしていた頃、斉藤の「幸福な朝食 退屈な夕食」を聞いて退職を決意し、執筆活動に専念することを決めたという逸話がある。2人の交流は、斉藤が伊坂に“恋愛”をテーマに「出会い」にあたる楽曲の作詞を依頼したところから始まる。この依頼を受け、斉藤の大ファンである伊坂は、苦手な恋愛モノでも「作詞はできませんが、小説を書くことならば」と短編小説を執筆。これが本原作の第1章「アイネクライネ」となる。これを受けて斉藤は、伊坂の「アイネクライネ」の文章から楽曲『ベリー ベリー ストロング 〜アイネクライネ〜』を制作する。

アイネクライネナハトムジーク

さらにこの曲がシングルカットされるにあたり、初回限定盤の特典小説として、再び伊坂が書き下ろしたのが第2章となる「ライトヘビー」 だ。物語の中には、1回100円でその人の心情に合わせた曲の一部をPCで再生してくれる露店商の〈斉藤さん〉が登場する。この2つの短編に、さらに新たな4つ短編が発表され、連作小説集として完成したのが「アイネクライネナハトムジーク」。

主題歌は、斉藤が映画用に書き下ろした『小さな夜』。本編内でも物語の重要なカギとなる楽曲だ。監督を務めるのは、恋愛群像劇の旗手として今最も注目を集め、「映像化するなら彼しかいない」と伊坂がラブコールを送った新鋭・今泉力哉。脚本は『アヒルと鴨のコインロッカー』『ゴールデンスランバー』など伊坂原作に定評のある鈴木謙一。多くの才能の幸福な〈出会い〉が重なって生まれた本作。グルーヴィーなサウンドが優しく包む、愛にあふれた〈出会い〉と〈絆〉のドラマが完成した。劇場公開は、9月より全国ロードショーを予定。

斉藤和義 コメント

「小さな夜」は、「ベリー ベリー ストロング 〜アイネクライネ〜」から10年後の2人をイメージして書きました。

元々は伊坂さんと僕で小説と音楽のコラボ企画として作ったものが、時を経て、こうして映画にまでなっちゃって…。なんとも不思議な気持ちです。

イェーイ!やったね!伊坂さん!

伊坂幸太郎 コメント

この小説はもともと、斉藤和義さんからの依頼で書いたものですし、おかげで、憧れだった斉藤和義さんに会うことができました。

その小説が映画になり、さらに音楽を斉藤和義さんが担当してくれるのですから、幸せです。主題歌も可愛らしさと寂しさのまざった、斉藤和義さんしか作れない曲で、これまた幸せです。

三浦春馬 コメント

なんでもない日常を丁寧に見つめたこの作品にそっと寄り添い、時にはふつふつとこちらを盛り上げてくれる音楽性が心地よかったです。

気がついていないだけで何処かに小さな幸せはあると期待を持たずにいられない楽曲だと思います。この作品にピタっと寄り添ってくれている気がします。

今泉力哉監督 コメント

斉藤さんと伊坂さんの出会いによって生まれたこの物語にあとから混ぜてもらった私からすると、斉藤さんがこの映画に音楽をつけることはどこかで必然でした。でもそういう当たり前のことが実は一番難しくて、だから本当に本当に嬉しいです。映画に大きな力を色をあたえていただきました。お楽しみに。

映画『アイネクライネナハトムジーク』は2019年9月に全国公開

(C)2019 映画「アイネクライネナハトムジーク」製作委員会

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