個人も大学も熱視線、科研費改革で何が変わった?
科研費の審査システムを動かすのは、第一線の研究者120人ほどで構成するJSPSの学術システム研究センターだ。約10万件の新規応募に、約6000人の審査委員とやりとりする毎年のサイクルを回しつつ、数年かけて改革を進めた。
審査区分は学問の進展で細分化が進んでいたのを大くくり化した。改革案を提示した時には「応募で不利になるのではないか、と大騒ぎだった」とJSPSの家泰弘理事は振り返る。
研究者の迷いは「どの区分に応募すべきか」で大きかった。これに対しては「応募区分が違う、と門前払いすることはない」と説明。「研究の計画調書を、狭い専門を越えて理解されるように書く文化を定着させる」(家理事)べく、全国で説明会を重ねた。
一方、審査方式は「審査委員の間で情報共有した上で念入りな審査をする」(文科省研究振興局学術研究助成課)よう変更した。研究費の規模が大きい種目は書面の後の合議で、小さい種目は他の委員の意見を参考に2回の書面で審査する。評価が割れた案件で特に有効とされる。審査委員からは「他からの指摘を参考に、多様な視点での評価が可能になった」「広い分野の学術的意義や方法論を学ぶことにもなった」など、肯定的な意見が寄せられたという。
科研費の予算は19年度と18年度補正を合わせ、近年に比べ大幅増となる。大学組織に入る間接経費への期待も大きい。大学・研究力改革で引きつづき注目されそうだ。
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(文=編集委員・山本佳世子)
