中古スマホもSIMロック解除が義務化へ! 需要拡大の中ゴミスマホをつかまないための5つのポイント

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最近のスマートフォンは、大画面化や高機能化が進んだこともあり、価格の高騰が激しい。
また高性能化したことで、日常的な実用機能に限れば、最新モデルでなくても安い価格のローエンドモデルで困らなくなってきた。

現在のスマートフォンは完成度があがり、十分に普及し、成熟期を迎えたと言ってよいだろう。

そうした状況を反映し、スマートフォンの買い替えサイクルは、以前の1〜2年ごとから、3〜4年ほど使うユーザーも増えてきている。

とはいえ、まだ新機能を搭載した最新ハイエンドモデルの人気が無くなったわけでない。
実用性が高くなったとはいえ、中・低価格帯のモデルでは、最新の機能が未実装なため満足できないからだ。

しかしながら、ミドルからローエンドモデルの実用性の充実とハイエンドモデルの価格高騰という現状から、新製品への買い替えは予算的に厳しくなってきているのも事実だ。

そこで選択肢として注目されているのが、総務省も活性化を後押ししている「中古のスマートフォン」だ。
特に、最近の中古市場では発売から2〜3年経過したモデルが、かなり安く出回ってきている。

しかし中古スマートフォンは、価格の安さばかりに気を取られて飛びつくと、
とんでもなゴミスマートフォンだった。
などというリスクがパックリと口を開けて待ち構えているのだ。

そこで、今回は中古スマホを購入する際、注意すべきポイントをまとめて紹介しよう。


■店舗? ネット通販? 購入場所の選び方
現在、中古スマートフォンは、
・大手量販店
・リサイクル店
・ネットショップ
など、購入できる場所が増えている。

量販店やリサイクル店などの店舗は、
商品を実際に手で触れて、細部や動作を確認できる。
しかし、ネット通販に比べ、価格が少し高い傾向があり、さらに店舗まで出向く、時間と交通費などが余計にかかる。

ネットショップは、
店舗に出向く時間や交通費も不要で、実に手軽だ。
しかしネットで購入する場合は、実際のスマートフォンを手にもって細部まで見れない。
このため商品の状態確認には限度がある。
また、一口にネットショップといっても、
・Amazonなど大手通販サイト
・中古業者の直販サイト
・ヤフオクのようなオークションサイト
・メルカリのようなフリマサイト
など、多種多様だ。

特に、オークションやフリマのような個人間の売買では、
・相手の信頼度は、自分で見極める必要がある
・初期不良時の返品などもできない
このため、スマートフォン初心者や個人売買に慣れていない人には、トラブル時の対処を自分で行わなくてならないため、ハードルが高い。

スマートフォン初心者や個人売買に慣れていない人は、
・購入時から一定期間の保証や返品に対応している
こうした大手中古業者のネットショップを利用するのが無難だ。


実店舗も展開する大手中古業者のネットショップなら、初期不良の返品・交換や赤ロム保証がついていることが多いので安心だ。



■赤ロム(ネットワーク利用制限)の有無は、必ずチェック
NTTドコモやau、ソフトバンク製などの中古スマートフォンを購入する際に、必ず注意しなければならないのが「ネットワーク利用制限」だ。

ネットワーク利用制限とは、
スマートフォン代金の支払いが完了していないなどの理由で、キャリアから強制的に通信停止された状態のこと。

いわゆる「赤ロム」と呼ばれる状態のスマートフォンだ。
うっかり赤ロムをつかまされると、当然のことながらまったく利用できない。

大手や正規の中古スマートフォン販売業者は、利用制限の有無を記載していることが多い。もし記載がない場合は、必ず確認するようにしよう。
またネットショップなどの場合、Webサイトやでスマートフォンの固有製造番号(IMEI番号)が表示、記載されていていれば、各キャリアのサイトで制限の有無を自分で調べることも可能だ。

なお、利用制限の状態は、原則として以下の4種類の記号で示される。
「◯」以外のスマートフォンには、くれぐれも手を出さないようにしよう。

・「◯」
代金が支払い済み。制限はかかっていない状態

・「△」
本体代金の分割払い中だが現時点では利用可能。
ただし、将来的に「×」になる可能性がある。

・「×」
本体代金が支払われていない、
もしくは盗難届や紛失届が出ていて通信が停止されている

・「−」
端末製造番号(IMEI番号)が登録されていないので確認不可


3大キャリアが提供しているネットワーク利用制限の照会サイトで、IMEI番号を入力すると、その端末が制限状況を調べることができる。



■バッテリーの状態を確認する バッテリー劣化と充電性能
中古スマートフォンでは、バッテリーの状態も確認が必要なポイントだ。
スマートフォンに内蔵されているリチウムイオン充電池は、利用を続けるとバッテリーが劣化していき、充電性能が徐々に低下する。

中古スマートフォンは、販売後1〜数年利用のものまである。
利用年数が長いスマートフォンは、バッテリー交換を行っていない限り、初期の内蔵バッテリーは劣化しているので、フル充電しても発売当時よりもバッテリー持ちが悪くなっている。
バッテリーの劣化次第では、購入後にバッテリー交換が必要な場合もある。

機種にもよるが、バッテリーの状態を確認できる。
Androidの場合は、
・「設定」→「端末情報」→「機器の状態」→「電池性能表示」

iPhoneの場合(iOS11.3から)は、
・「設定」→「バッテリー」→「バッテリーの状態」

バッテリー状態が確認できない機種の場合は、販売業者に聞くようにしよう。


機種にもよるが、Androidなら「設定」→「端末情報」→「機器の状態」→「電池性能表示」でバッテリー状態を確認できる。iPhoneの場合(iOS11.3から)は、「設定」→「バッテリー」→「バッテリーの状態」で確認可能だ。



■最新OSに対応しているか?
中古スマートフォンを購入する際、意外に確認を怠ってしまうのが、OSのアップデート状態。

AndroidでもiPhoneでも、新バーションのOSにアップデートできるモデルと、そうでないモデルがある。

目安としては、おおむね3年〜5年程度で最新OSのアップデート対象からは外されてしまうことが多い。

最新OSに対応していないモデルの場合、
・最新のセキュリティ対策に対応できない
・新規機能が使えないケースもある
・アプリの更新ができなくなる
なお、各機種の対応OSバージョンは各キャリアの公式サイトなどで確認できる。購入前にきちんとチェックしておこう。


OSのアップデート対象は、各キャリアのサイトに記載されている。


スマートフォンの商品状態レベルの確認は過信しない
販売業者によっては、中古スマートフォンの状態を、「A」「B」「C」などのようにレベル表記していることも多い。

スマートフォンの状態が一目瞭然でわかるので便利な指標だ。
しかし、これらの評価を鵜呑みにしたり、過信するのは禁物だ。

こうした評価は、あくまでも業者が独自の基準でランク化したものだからだ。
疑問点がある場合は、購入前に質問するなどしてきちんと状態を把握しよう。


販売業者によって商品状態の判断基準はまちまちだ。基準の詳細を確認するようにしよう。



総務省の通達により、今年9月以降は中古スもマートフォンのSIMロック解除も義務化される。今後は、ますますスマートフォンの中古市場が活況になることが予想されるので、今回ご紹介したポイントを踏まえて上手に購入してほしい。


執筆:しぶちん(ITライター)