西日本豪雨の水害をスマホで“遠隔査定” 三井住友海上の試験は機能したか
三井住友海上が実施した遠隔査定は、被災地に入った社員のスマホと被災地から離れた拠点のパソコンを専用システムでつなぎ、査定資料となる被害を受けた家屋や自動車の詳細な映像をリアルタイムで送る取り組みだ。大規模災害時には事故の受け付けが集中するため、専門知識を持つ調査員は不足し、保険金の支払いに必要な損害査定は遅延しがちになる。これまで損害現場を直接訪問していた調査員は拠点に固定し、送られた映像をもとに査定する。時間を要しがちな被災地での移動や現場の段取りを別分野の社員に任すことで、効率的に査定を進める狙いだ。
今回の水害を受けた家屋の遠隔査定時間は1件当たり1時間程度と、実際に調査員が現場に出向く場合と大差がないことを確認した。従来の移動を伴う家屋の損害査定は調査員1人当たり1日3件程度が限界とされる。取り組みを企画した同社損害サポート業務部の山元大雄部長は「査定時間は大きく変わらなかった。効率的に運用すれば、1日当たり従来の2倍の査定をこなせるのでは」と手応えを話した。
ただ、移動が制限される大規模災害時に現地の社員をどのように動かし、拠点で待つ調査員が各調査の間隔をなるべく開けず、効率的に映像を視聴できるかなど検討課題は残る。実際にスマホを構えて歩くと足元は不注意になりがちだ。浸水し破損した家屋などに入る社員の安全教育も必要だ。
