新規参入球団の誕生、ロッテ31年ぶりの日本一などで、低迷ぎみだった人気も復活の兆しをみせた日本プロ野球・・・。さらなる盛り上がりを取り戻すべく、各球団ともに来シーズンに向けて戦力補強だ、秋季キャンプだと何かと忙しいこの時期。

 そんな時に、投手の投球動作に関するルールを巡って混乱が起きているという。野球について詳しい人でなければ、かなり分かりづらいこの問題。いったい、何をそんなにもめてるの〜?

 話題になっているのは、投手の投球動作における2段モーション禁止。要するにボールを投げる際、一度セットポジションをとって投げる動きに入ったら、その動きを止めてはいけないというもの。例えば、ワインドアップ(腕を頭の上に振りかぶって投げる)の場合には、振り上げた腕が止まってしまってはいけない。また、ノーワインドアップの投法でも胸やベルトの位置で止まると違反になってしまう。

 このような動きは「ボーク」という違反にあたり、塁に走者がいる場合には、走者が塁をひとつ進めることができる(走者がいないときは、ボークはない)。これについては、以前から「公認野球規則」8・01(a)に記載されている。

 う〜ん、確かになかなか分かりづらいルールですよね。でもなぜ、これが今頃になって問題になるのかというと・・・。このようなルールがあったにも関わらず、これまでの日本のプロ野球では、この違反をとることはほとんどなく、黙認されてきたというのだ。

 しかし、オリンピックやアジアシリーズなど国際大会に出場する機会が多くなってきた現在では、日本だけがこのルールに対して甘いというわけにはいかなくなってきた。このような状況を脱却すべく、来シーズンからこのルール適用を徹底することにしたようだ。

 今回の違反取り締まり強化で、フォーム修正を強いられる投手は1人や2人ではない。かなりの数の投手が、多かれ少なかれフォームの見直しをしなければならない。突然の事に、当の投手たちは非常に困惑している様子だ。

 これについて、日本野球機構では「新しいことをやろうというのではない。これまでもあった決まりを徹底していこうというだけ」(担当者)とのこと。

 活気を取り戻しつつあるプロ野球、その勢いにこのルール徹底による混乱が水を差さなければいいのだが・・・。(文/verb)