笑顔で質疑応答に臨むその姿から、いかに今回ベルリンで行われるドイツ代表戦が、ベルリン出身のジェローム・ボアテングにとって特別なものであるのか。それは一目瞭然だ。「子供の頃から、僕はこの五輪スタジアムでブラジル代表を相手にプレーすることを夢見ていた。これは僕にとって特別なことだよ。さらにいいテストとなることだろう。僕たちの立ち位置を確認するためにね。僕たちにとっては、前回1-7で勝利を収めたことはブラジルとは違い、そこまで特別なテーマにはないっていないと思う。」

そう語るボアテングは、29歳となり、ドイツ代表の守備の要を担うまでに成長。先日デュッセルドルフにて行われたスペイン代表とのテストマッチでは、1-1とドローという結果に終わりながらも、直後に全ての部分でもっとよくしていかないといけないと厳しい表情をみせており、この日の会見の席でも「あの時の発言は決して悪いことではないと思っている。時にははっきりと口にしなくてはならない時もあるんだ。この夏で成功をおさめていくためには。そして今がその時だと思ったんだよ。後の祭りとなる前に」との考えを強調している。

「あの試合の序盤戦では、僕たちはなかなかうまくプレスを仕掛けていくことができていなかったんだ。ただそのためには練習に長い時間を割いていかなくてはならないものではあるし、金曜日のスペイン代表との試合では、とにかくパスゲームにおいてミスが目立っていたと思うよ。実際のところ、どこの部分についてももっと改善していかなくてはならないんだ。」この言葉に、ドイツ代表で監督を務めるヨアヒム・レーヴ氏も「支持」を表明。「これまで私自身も繰り返し口にしてきたことだが、我々はもっと成長していかなくことができるし、そうしていかなくてはならないものでもあるんだ。彼の発言は当然望ましいものであり、選手たちは自分たちが感じたことを、いいものであれ悪いものであれ口にすべきだ」と語った。

さらにこの試合はボアテングにとって特別な意味をもつことになることになり、前回のスペイン代表戦でノイアーの代わりに主将をつとめたサミ・ケディラが、筋肉系の問題により欠場することが確定。その代役としてレーヴ代表監督は「ジェロームが主将を務めることになるだろう」と指名している。