「大学院卒の採用数が多い」100社ランキング
家具大手のニトリは文系院卒を積極的に採用している(撮影:今井康一)
春はもうすぐ。同時に就活シーズンも間近に迫っている。2月21日配信記事「理系採用数が多い企業トップ100ランキング」では、新卒で理系学生を多く採用する企業をランキングで紹介した。今回は、新卒で「大学院卒」を多く採用する企業を取り上げる。
毎年9万人強が大学院(修士・博士・専門職学位課程の合計)に入学しているが、修了後はどのような企業に就職しているのか。また、学部卒と比べ大きな違いはあるのか。
東洋経済新報社刊行の『就職四季報2019年版』が2017年7月から8月にアンケート調査を実施、1105社から回答を得た。そのうち、修士卒の採用が1人以上いる会社は848社で、この中のトップ100社のランキングであることを留意されたい。
理系ランキングとの相違点は?
ランキング1位はホンダで、院卒の採用数は328人。同社は理系学生の採用数が多いランキングでも1位となっていた。そもそも、大学院卒の多くが理系学生であることから、「理系採用数が多い企業ランキング」と似た顔ぶれになっているが、大きく順位が変動した企業もある。
「理系採用数が多い企業ランキング」で2位のスギ薬局や6位マツモトキヨシは、採用者の多くが薬学部卒と見られるため、今回のランキングでは圏外になった。また、理系採用数では8位だった大林組が院卒採用数では22位に、16位だった鹿島が27位にランクダウン。ゼネコン業界では建築学部や土木系など学部卒の理系学生の採用が比較的多いことが原因だ。
一方で、理系採用者数ランキングと比べ順位を上げた企業には野村総合研究所(15位→5位)や日本アイ・ビー・エム(41位→13位)が挙げられる。コンサル業界では文系院卒者の採用も多いことが原因だ。文系で大学院に進学する学生自体が少ないことから、文系院卒者の採用数は少ない企業が多い。ランキング上位の企業でも1ケタ程度にとどまるケースが多い。その中で、文系院卒に絞った採用者数で見ると、1位は41人のニトリグループだった。
また、ベスト100の中で最も院卒学生の比率が高かったのは、日本電信電話(NTTグループの持ち株会社)で、採用の55人のうち、54人が理系の修士だった。