4万円でWQHD、144Hz対応のゲームモニターをPixioが発売。こだわりのTNパネルで3辺狭額縁
ゲーム用ディスプレイを手がける新興ブランドPixio(韓国PNS Holdings Inc.)が、WQHD(2560×1440)解像度の27インチゲーム向けディスプレイ『PX276』を発売しました。価格は直販サイトが3万8880円(税込)、Amazonが3万9980円(同)。発送開始予定は2月26日からです。

特徴はずばり、コストパフォーマンスの高さ。WQHD解像度でリフレッシュレートは144Hz対応、応答速度は公称1ms(駆動タイプはTN)で、底辺側を除いた3辺ナローベゼルデザインながら約4万円という、ゲーム向けとしてのバランスの良さが魅力です。

販売代理店はiPhone用ケースなどで知られる株式会社KODAWARI。サポートは同社の日本営業所Pixio Japanによる1年間保証が付きます。


価格が安価というだけでなく、昨今の「本格的な」ゲーム用ディスプレイとして必要とされる機能が一通り揃っている点もポイント。

最高リフレッシュレートは上述のように144Hzで、液晶の駆動モードは応答性能に優れるTNタイプ。応答時間は1ms(オーバードライブ有効時)を実現します。さらに広視野角改善フィルムの搭載で、視野角は(公称ですが)水平170度、垂直160度をキープ。コントラスト比は応答速度を優先していることもあり、1000対1。最高輝度は300nit(=cd/m2)と、このあたりは欲張らない仕様です。

注目すべき点としては公式の仕様表に、使用される液晶パネルパーツがAU Optronics(AUO)社製『M270DTN01.0』 と明記されていること。Pixioは会社案内に「私たちはサムスン、LG、AUOなどの一流メーカーのパネルのみを使用しています」と紹介していますが、ディスプレイで液晶パネルを明記するという他に見ない事例からは、同社の自信を感じさせます。

さらに表面はノングレア(公式表記では「マット仕上げ」)。本体カラーもマットブラック仕上げと、ヘビーユーザー好みの仕様ともなっています。

また、ティアリング(本来は別フレームとなる描画が同一フレーム内に描かれることで発生する、画面のずれや歪み)防止技術に関しては、AMD Radeonシリーズが搭載する「AMD FreeSync」に対応。対応GPU使用時は可変フレームレートに対応し、ティアリングやスタッタリング(細かなコマ落ち、カク付き)を防ぎます。



加えて、ゲーム向けの特殊機能に関しては、FPSに向けた「大きな照準を重ね合わせる」機能『Line of Sight』や、RTSなどで便利なタイマーを画面左上に表示する『Game Timer』など、プレイに踏み込んだタイプの機能を装備。

画質モードに関しても、FPSに向けた『FPS MODE』や解像感を重視した『RTS MODE』といった、ゲームジャンル別のプリセットを搭載します。



入力端子は、DisplayPort 1.2×1、HDMI 2.0×1、HDMI 1.4×1、デュアルリンクDVI×1の4系統。3.5mmのオーディオ入出力も搭載します。

スタンドは前後方向の角度調整に対応するタイプで、前方向に5度、後ろ方向15度までの調節が可能。スタンドの取り外しも可能で、ディスプレイ用アームほかの接続として、VESA規格75mmのマウント穴を搭載します。

本体サイズは、スタンド付きで614×440mm×187mm(幅×高さ×奥行き)、スタンドなしでは614×363×6.2mm。本体重量は4.65kg。



このようにPX276は、ゲーム用ディスプレイとして水準以上の性能を備えながら、手頃な価格(4万円で27インチ、WQHD解像度対応という時点で既にお得感があるぐらいです)も大きな魅力となっているモデル。

とくにAMD系ビデオカードやRyzen 2000Gシリーズ(Ryzen APU)など、コストパフォーマンスを重視したゲーム用PCとの組み合わせでは光りそうな仕様です。

ゲーム用にはやっぱり応答速度で有利なTNタイプがいいけれど、昨今のゲーム用モデルでは高解像度対応製品での採用例が減っていて......と悩んでいるような方には、非常に刺さるモデルとなるはずです。