東レ、韓国に1000億円投資の勝算
日本貿易振興機構によると日本の対韓直接投資は08年のリーマン・ショックで縮小した後、12―14年は30億ドル台が続いたが、関係悪化などで15年、16年は低迷。ここにきて北朝鮮の核実験やミサイル開発でカントリーリスクは高まっている。歴史認識の相違から日本企業への訴訟も多い。
その中でも東レが韓国へ強気の投資を続けるのは、米インテルを抜き半導体トップに立ったサムスン電子、世界的な電気自動車(EV)シフトで注目される電池に強いLGグループなど、同社の中核製品の需要家が韓国に集中しているからだ。
東レ幹部は「韓国は国内にしっかりとした素材需要がある。インフラも整っており、我々の素材の生産地としてかなり優れたポジションにある」と話す。
サムスン電子やLGグループは中国企業に猛烈に追い上げられており、競争力の高い製品開発のための先端素材調達に躍起だ。巨大企業を取り巻く中堅メーカーも先端素材の採用に積極的。日本市場が成熟化する中で、韓国はハイエンド市場に機能素材を売り込みたい東レに欠かせない。
同社は量産機能を海外の需要地に移し、コストを下げる戦略を採っており、労務費は上昇傾向とはいえ、インフラコストが低いのも韓国のメリットだ。
東レは17年から3年間で5000億円の設備投資を計画し、うち3000億円が既存設備の維持などを除く新規投資だ。韓国に新たに投じる1000億円の大半は、リチウムイオン二次電池(LIB)用のセパレーター(絶縁材)や不織布、機能性樹脂などを対象にした設備増強の新規投資で、単純比較はできないがグループ全体の30%以上に当たる。北中米や欧州、中国、東南アジアなど世界の拠点の中でも、韓国が投資戦略上の重要度を高めている。
電池セパレーターでデファクト狙う

